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4巻

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 第1話 おろか者


 俺――アキトは、転生後の能力を決めるガチャで大当たりを引き、誰からも愛される王子様に転生した。
 そしてこの世界で手に入れたたくさんのスキルを使って、異世界ライフを楽しんでいる。
 商会を運営したり、魔道具まどうぐを開発したり、竜人りゅうじん国の竜王りゅうおうと戦ってみたり。やりたい事に、気ままに挑戦してるんだ。
 中でも力を入れてきたのは、自分の領地であるクローウェン領を発展させる事。
 最近では荒れ果てていたチルド村を、活気のある大都市に生まれ変わらせた。
 なのに、名前だけいつまでも〝村〟のままじゃ変だよな。
 というわけで神々が見守る街という意味を込め、チルド村をディストルと改名したんだ。


 ◇ ◇ ◇


 ディストルの改名会議という大きな仕事が終わり、俺は前みたいな生活に戻った。
 朝はクローウェン領内の報告書に目を通し、何か問題が起きていたら配下を派遣する。主に執事のシャルルや、〝かげ〟と呼んでいる諜報ちょうほう部隊の者達だ。
 それで大体の事件は解決するので、昼からは自由時間になる。
 迷宮に腕試しに行ったり、オーガのクロガネと模擬戦をしたり……あとは婚約者のアリスとデートしたり、アリスとデートしたり、アリスとデートをしたりして過ごしている。


「なあ、アキト。最近、婚約者とデートしすぎじゃないか?」

 そんな毎日を送っていたら、レオンが呆れた様子で声を掛けてきた。
 レオンっていうのは、俺の配下の中でも最強クラスの戦闘力を持つ奴隷どれいだ。かつてこの世界一の強国だった魔帝国まていこくの元・魔法騎士団団長といえば、そのすごさは分かってもらえると思う。
 でも元・暗殺者のクロネと結婚してから、すっかり彼女の尻に敷かれているんだよな。

「普通だろ。レオンだってクロネと結婚してから、家ではずっといちゃついてるんだろ?」
「なっ、なんでそれをッ!?」
「忘れたのかよ。お前の娘のレオーネは、俺のお菓子を与えれば親の情報を売るんだぞ?」

 レオンは「そうだった……」とつぶやいて落ち込んでいた。
 レオンとクロネの娘であるレオーネは、俺のお手製のお菓子が大好きなんだ。お菓子をあげればなんでも教えてくれるので、レオンをからかうネタには困らない。
 ちなみにレオーネは、最近一つ年下の男の子を好きになったらしい。同じ奴隷の子で、レオーネとは幼馴染おさななじみのような関係みたいだ。
 でもレオンはその事、多分知らないんだろうな。
 結婚してから、レオンはすっかり家庭が第一になった。愛娘まなむすめの初恋を知ったら、ウザいくらい落ち込みそうだ。

「それで、どうしたんだレオン。今日はここに来る予定じゃなかっただろ?」
「ああ、そうだった。アキトに言われてた通り、オルゼノ国に仲間を向かわせたって報告しに来たんだよ」

 オルゼノ国っていうのは、別の大陸にある大国だ。
 俺は五年前、突然暗殺されかけた。その黒幕がオルゼノ国の王族だって、最近判明したんだ。
 だけど王族の中の誰が、なぜ暗殺を仕組んだのかはまだ謎のまま。だから警戒しておこうと思って、オルゼノ国に配下を手配するようレオンに頼んだってわけ。

「そうか、よくやったレオン。これでオルゼノ国と戦争になっても問題ないな」
「アキトは本当にオルゼノ国と戦う気なのか?」

 レオンが心配そうに尋ねてきたので「違うぞ」と答える。

「戦う気は今のところないよ。それでも、備えておくのに越した事はないだろ?」
「まあ、確かにな……」
「そもそもオルゼノ国は、まだ五歳だった俺のところにB級暗殺者のクロネを送り込んできたんだぞ? そんな国に対して、戦う備えをしておかないのはまずいだろ?」

 レオンはそれを聞いて納得したのか、黙って帰宅していった。
 レオンがいなくなってすぐに、執事のシャルルが部屋へ入ってくる。

「レオンは心配性ですね」

 さっきの話が聞こえていたのか、シャルルはそう言って溜息ためいきいた。

「まあな。レオンには家庭があるから、オルゼノ国と戦争になって、万が一の事が起きないか心配なんだろう。まあ、仮に戦争になっても、万が一の事なんて俺が起こさせないけど……シャルル、〝アレ〟の事は誰にもバレてないか?」

 俺があえて含みのある言い方で聞くと、シャルルは「バレていません。知っているのは私だけです」と答えた。
〝アレ〟っていうのは、シャルルと俺だけが知る特別なアイテム、およびそれを使った作戦だ。
 この作戦は、仲間にも知らせてない。あまりにも危険な内容だからな。
 だけど最悪の事態を考えて、念のため準備を進めているんだ。
 シャルルが独り言のように呟く。

「色んな強者を見てきましたが、アキト様のような方は初めて見ました。私はアキト様の祖父そふのリオン様より、アキト様を怒らせた時の方が怖いと思っています」

 その後、俺はシャルルと一緒に計画を細かく確認していった。


 ◇ ◇ ◇


 それから数日後。突然だけど俺はオルゼノ国の王都に来ている。

「まさか、オルゼノ国から招待されるとはな……」

 そう呟いたら、ジルニア国王である父さんが相槌あいづちを打ってきた。

「父さんも驚いたよ。これまではまったく交流がなかったのにさ……」

 俺達ジルニア国王家は、いきなりオルゼノ国に招待された。オルゼノ国第一王子・ジオルドの誕生パーティーが開催されるからだ。
 招待されたのは俺と父さんと母さん、そしてアリスだ。
 俺は自分を狙ってきたオルゼノ国にアリスを連れていきたくなかった。でもなぜか招待状に、王族でないアリスの名前まで載ってたんだ。
 アリスは俺の婚約者だから、パートナーとして名前を入れたのだろうと母さんは言っていた。
 だけど、なんだかそれだけじゃない気がする。
 俺はアリスを守るため、彼女のアクセサリーに精神系魔法に対する防御の効果を付与しておいた。父さんと母さんのアクセサリーにも、同じ効果が付与してある。

「安心してよ。パーティーで何かあっても父さん達は守るから」

 俺がそう言ったのに、父さんは心配そうにぼやく。

「お父さんもいてくれたらよかったのにな……」

 リオンじいちゃんが不在なので、父さんは心配しているみたいだ。
 俺の祖父・リオン爺ちゃんはこの世界で最強クラスの戦闘力の持ち主だ。だけど一週間程前に迷宮にこもるって言ったきり、帰ってきてないんだよな。
 どうせまたこの世界の主神しゅしん・アルティメシス様にいい迷宮を教えてもらって、修業に明け暮れているんだろう。
 爺ちゃんはとにかく強いから、父さんが心細くなるのも分からなくはない。
 だけどこれを聞いたら、父さんだって安心するだろう。

「大丈夫だよ。オルゼノ国には、すでに俺の配下を手配してあるから。もしも何かあった時は、父さん達の身の安全を確保するし、反撃だってできるよ」
「……オルゼノ国みたいな大国と争いになったら、勝とうが負けようが大事おおごとになる気がするよ」
「そこは王様として頑張ってよ。そもそも、向こうが何か仕掛けてこなければ済む話でしょ?」

 そう言ってニコッと笑ったら、父さんは乾いた笑い声をらす。それから「胃薬残ってたかな……」と呟いていた。


 そして翌日。俺達はオルゼノ国の王城にやって来た。
 父さんと母さんは、パーティー会場に集まった他国の王族に挨拶して回っている。

「さてと、主役の登場まで自由にしていいって言われたけど……どうするアリス?」
「う~ん、知らない人達ばかりだし、壁際かべぎわで待ってようか」

 俺とアリスはそんな会話をし、ジオルドが現れるのを待った。
 三十分程したら、ジオルドが付き人と一緒に入場してくる。
 ジオルドはオルゼノ国王・ルドルフと同じ赤い髪だった。誕生日を迎えて十五歳になったらしい。
 王子の入場と共に、色んなところから拍手が起こった。
 アリスと俺も同じように拍手をしながら、ジオルドを迎える。

「ねぇ、アキト君。あの王子様、さっきからこっちを見てない?」
「……だな。だけど、歓迎してはいないみたいだ。招待した相手をあんな目で見るか、普通?」

 入場したジオルドは、なぜか俺達に敵意のある視線を向けていた。
 だけどその視線に気付いたのは、俺とアリスだけみたいだ。
 それからジオルドの誕生日を祝して乾杯が行われた。

「やあ、君がジルニア国第二王子のアキト君かな?」

 乾杯が終わったところで、ジオルドが親しげに声を掛けてきた。

「そうですよ、ジオルド様。本日は招待していただき、ありがとうございます」
「僕は他大陸の国と友好関係を築きたいって常々つねづね思っていたからね。大国ジルニアの王家を招待したいって、父上に言ったんだ」

 ジオルドはそう言いながら、俺の横にいるアリスに視線を送った。
 その瞬間、「パリィンッ!」という音が会場に響き渡る。アリスが身に着けていたアクセサリーの宝石が砕け散ったんだ。
 俺は即座に感知魔法を使い、ジオルドが精神系魔法を使った事を見破った。びっくりしているアリスを背中にかばい、ジオルドから距離を取らせる。
 貴族やオルゼノ国王は、何が起きたか分からない様子でざわついていた。

「おいてめぇ、今何しようとした?」

 キレ気味に尋ねると、ジオルドが慌てて弁明する。

「な、何もしてないよ? い、いきなりそこのお嬢さんの宝石が砕けただけだよ?」
「いきなり? それはおかしいな、アリスが着けている宝石には、魔法を付与しておいたんだ。精神系魔法を防御できるようにな。魔法を防いだから、宝石が砕けたんだ」

 そう教えてやったら、ジオルドは顔をしかめた。そして震える声で「この者達を捕らえよ!」と叫ぶ。
 ジオルドの言葉を聞いて、会場にいるオルゼノ国の兵士達と付き人達が襲い掛かってきた。
 そいつを【鑑定かんてい】すると、ステータスの平均数値は8000程だった。

「そっちが先に仕掛けたんだからな?」

 俺はそう言いつつ、襲い掛かってきた兵士達を魔法で捕縛していく。
 それから会場内にいる父さんと母さんをそばに呼び、オルゼノ国王に向き合った。

「オルゼノ国王。これはどういう事ですか? ジオルド王子が俺の大事な婚約者に精神系魔法を掛けようとしたのですが?」
「そ、そんなはずは……」

 あたふたするオルゼノ国王に、俺は更に詰め寄る。

「いえいえ、現にこうしてアリスの宝石が壊れているでしょう? 鑑定魔法が使える方がいるなら、この宝石を鑑定させてみてください。先程ジオルド王子が魔法を発したので、宝石にはジオルド王子の魔力が残っています」

 オルゼノ国王はそれを聞き、鑑定魔法が使える兵士に宝石を鑑定させた。
 鑑定を終えた兵士は、俺の言葉が真実であるとオルゼノ国王に伝える。

「さて、これで分かりましたよね。貴方あなたの息子であるジオルド王子が、俺達に危害を加えたんです」

 そう言い終えた瞬間、俺に向かって攻撃魔法が飛んできた。
 魔法を防御して声の方を見たら、怒りの形相ぎょうそうになったジオルドが立っていた。

「お前さえ、お前さえいなければ……そこにいるアリスを俺の妻にできたのにッ!」

 俺は「何言ってんだ?」と思った。
 父さん、母さん、アリスもそう思ったみたいで、ぽかんとした顔をしている。

「暗殺者を雇ってせっかく消そうとしたのに、お前は生き残りやがった! あの時、死ねばよかったんだ!」

 ジオルドは更に墓穴ぼけつを掘るような発言をした。
 クロネに俺を襲わせたのがオルゼノ国の王族である事は、父さん達も知っている。たった今その黒幕がジオルドだと判明し、父さんも母さんも、今までにない程の怒りを顔ににじませていた。
 俺はオルゼノ国王を糾弾きゅうだんする。

「オルゼノ国王。ジオルド王子は今、他国の王族を魔法で攻撃しました。その上、過去に俺の暗殺を試みたと自白したのですが、どう落とし前をつけるつもりですか?」

 するとオルゼノ国王はせっぱ詰まった様子で、周囲にいる兵士に俺達を捕まえるように命令した。どうやら、和解の道を選ぶ気はないみたいだ。

「それじゃ、こちらも徹底的にやらせてもらいますね?」

 俺はそう言うと、指をパチンッと鳴らして合図を送った。
 その瞬間、魔法で会場の天井が消え、待機していた俺の奴隷達が突入してきた。その中にはシャルル、レオン、クロガネもいる。
 立ち向かってくるオルゼノ国の兵士達を、奴隷達が蹴散らしていく。
 父さんと母さんも戦いに参加し、兵士に怒りをぶつけていた。

「ほら、クロガネ。そこにいる奴がお前の相手だ」

 俺は会場の中に、オルゼノ国の兵団〝黒騎士くろきし〟の兵団長を見つけ、クロガネに教えてやった。
 クロガネには、〝黒騎士〟の兵士として無理矢理戦争に駆り出されていたという過去がある。だから、〝黒騎士〟の兵団長に復讐をしたいと願っていたんだ。

「ソウカ。コイツカ」

 クロガネはそう言って、兵団長の前に立ちふさがる。

「な、なんなんだよ、お前等は!? なんで魔物がしゃべってるんだ!?」
「シラナイダロウカラ、オシエテヤル。オレハモト〝クロキシ〟ショゾクノヘイシダッタオトコダ。オマエラニフクシュウヲスルタメニ、マモノトナッテモドッテキタ」
「ヒィッ!」

 兵団長が悲鳴を上げ、クロガネから逃げようとする。

「ニゲルナヨ、ヘイダンチョウ」

 クロガネは一瞬で兵団長に追いつき、頭を掴み上げて地面に叩きつけていた。
 奴隷によって床に押さえつけられているジオルドが、その光景を見て呟く。

「な、なんでだよ……無防備にノコノコとパーティーに現れたと思ったのに……」

 近くにいた俺は、ジオルドの側にしゃがんで言う。

「俺を暗殺しようとしたのがオルゼノ国の王族である事は、調査してとっくに知っていたからな。お前が俺を招待する前から、オルゼノ国の王都内に配下を手配済みだったんだよ」
「クソ……」

 ジオルドはそう吐き捨て、そのまま何も言わなくなった。
 こうしてステータス10000超えの奴隷達が、会場にいるオルゼノ国の兵士・貴族を捕らえていった。
 奴隷達が会場内をほぼ制圧し終えたところで、俺は父さん達にお願いし、先にジルニア国へ帰ってもらう事にする。これからオルゼノ国王に落とし前をつけてもらうつもりだけど、その様子はとてもアリスや母さんには見せられないからな。
 母さんは「最後までいる!」と言って暴れていたけど、父さんに無理矢理連れていってもらった。


 ジルニア国側の人間が俺と奴隷達のみになったところで、俺はオルゼノ国王に向き直る。

「さてと、オルゼノ国王。この結末を選んだのは貴方だ。どうしますか?」
「こんな事をして、ただで済むと思っているのか!」

 優しく問いかけた俺に、オルゼノ国王が反抗してきた。
 俺は怒りをあらわにして、オルゼノ国王に魔力による威圧をぶつける。

「お前が選んだんだろうが? 何、被害者ぶってんだ?」

 オルゼノ国王は「ヒィィ」という情けない声を出しておびえていた。
 俺とオルゼノ国王のやり取りを見て、レオンが呆れた様子で言う。

「アキト。その辺にしておかないと、そいつ気を失うぞ?」
「おっと、それはいけないな」

 俺は落ち着いて話し合いをしたいと思い、とりあえず奴隷がこの場を完全に制圧し終えるのを待つ事にした。



 第2話 その後のオルゼノ国


 奴隷達が会場を制圧したところで、俺は捕まえた者達を【鑑定】して身元を確認する。中にはオルゼノ国の商会や冒険者ギルドの重役もいた。
 彼らは俺達に危害を加えたわけではないので、縄をほどいてやる。
 もともとはジオルドの誕生パーティーなのでオルゼノ国の重鎮じゅうちんが招かれており、全部で十名程の重役がいた。

「いや~、すみませんね。手荒てあら真似まねをしてしまって。あっ、これはおびの品です」

 俺は彼らに、金貨が大量に入った袋やエリクサーや、ちょっといい魔道具などを渡しておいた。
 十名の重役達は、貴重なアイテムを手にして言葉を失っていた。

「ああ、でもまだお帰りにならないでくださいね。オルゼノ国王達と話し合いがありますので」
「「「どうぞどうぞ」」」

 俺がそう言ったら、重役達が慌てて部屋のすみに集まる。
 アイテムを見て俺のすごさを理解したのか、邪魔にならないように話し合いの様子を見守るつもりみたいだ。
 俺は震えているオルゼノ国王の前に歩み寄り、声を掛ける。

「さてと、オルゼノ国王様。話し合いをしましょうかね」

 俺はまず、会場にいる人々にジオルドの行いを説明した。
 自国の王子が他国の王子に暗殺を仕掛けたのがショックだったみたいで、貴族達はジオルドをにらみつけていた。

「この事についてはさっきそこの馬鹿王子が自白してたし、否定はできませんよね? シッカリと録音もしてますから」

 俺は以前作った録音できる魔道具を、パーティーが開始されてからずっと起動していた。
 その録音の魔道具から、先程のジオルドの発言を流して会場の人々に聞かせる。

「――と、ここまでの経緯はちゃんと理解できてますよね?」
「り、理解しております。アキト様……」

 オルゼノ国王は俺に畏怖いふを感じているようで、ガタガタ震えながら返事をした。
 だけど、なんか変な感じだ。
 オルゼノ国は数十年間、大陸の覇権はけんを巡って戦争を繰り広げていたって聞いてる。オルゼノ国王の態度は、そういった修羅場しゅらばを潜り抜けてきた者のものとは思えない。
 首をかしげていたら、隣にシャルルが来て教えてくれる。

「アキト様。こちらの愚王ぐおう・ルドルフは最近即位したばかりで、戦争には関わっていないのですよ。戦争の時代に国を治めていた先代王・ルドガーは隠居いんきょしたとの事です」
「あ~、そうだったのか」

 シャルルの説明によると、ルドルフの妻・シェリーがルドガーの隠居先を訪れた時に足をくじいてしまい、ルドガーは今その看病をしているそうだ。だからパーティーには来ていないらしい。
 俺は納得し、「なるほどね」と呟く。

「戦争を経験してない王だから、俺が強者だと気付かずに反抗したって事だな」

 俺が一瞬魔力を解き放つと、ルドルフはそのオーラに圧倒されて涙目になっていた。
 でもこの愚王の反応を見て遊んでいても仕方ないので、すぐに話し合いに戻る。
 大臣のウォルブさんを転移魔法でジルニア国から連れてきた。さっき帰ってもらったばかりだけど、父さんにももう一度来てもらう。
 そして会場の貴族達が見守る中、ジルニア国とオルゼノ国の本格的な話し合いを始める。
 オルゼノ国は自国に非があるので、ジルニア国が出す条件を全て呑んでいく。
 だけどその日だけでは話がまとまりきらず、続きは翌日に持ち越しとなった。


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