149 / 192
第149話
しおりを挟む昼食を取った後、アリスの機嫌を取る為にクッキーを与え第10層のボス部屋へ入った。中には、ハイホブゴブリン2体が大盾と大剣を装備して待ち構えていた。
「アリスとミケは、あっちの盾の方を頼む」
「うん、分かった」
「はい、分かりました」
「それじゃ、まず先に分断させるから、あいつらがバラバラになったら頼むぜ」
俺はそう言うと、先行して風魔法でハイホブゴブリンの間に突風を吹かせ分断させた。そして、大剣の方へそのまま俺は突っ込むとハイゴブリンは崩れた体勢から大振りに大剣を振った。
それを俺は、軽く避け懐に入り剣で左腕を斬り飛ばした。
「ガギャッ!」
ハイゴブリンは片腕を斬り飛ばされた事で大剣が持てなくなり、大剣をその場に捨てそのまま俺に突っ込んできた。
「これなら、【ローアン】のダンジョンボスのが断然強かったぜ」
風魔法でハイゴブリンを仕留めてそう言った俺は、アリス達の方はどうなったか見に行くとアリス達もハイゴブリンに勝利していて俺を見ると笑顔で近寄って来た。
「お疲れ様、どうだった?」
「う~ん、ここまでの魔物よりかは少し強かったけど楽だったよ」
アリスもどうやら俺と同じ感想だったらしい。ミケも「まだ、全然いけますね」とやる気に満ちていた。その後、俺達は倒したハイゴブリン達の死体を回収し、第11層に下りた。
それから、5時間近くダンジョンを探索しながら下層を目指して歩き第18層で今日は泊まることにした。毎度の如くアリス達にはテント設営をして貰い、俺は夕食の準備をしていた。
今日は、初日という事もあり無理せず探索をメインにしていたので疲労は少ないが明日からもダンジョンを探索すると言う事で肉をメインにした夕飯にし、土魔法で風呂釜と壁を作り水と火の魔法でお湯を作り仮風呂を作り先に俺が入り、その後アリス達を入れた。
アリス達はダンジョン内で風呂に入るという行為に少し躊躇っていたが暖かいお湯を見て直ぐに行ってしまった。残った俺は、風呂前で待機しながら剣の手入れをしていた。
「クリフ君。ありがとう、上がったよ」
「クリフ君、気持ち良かったです。ありがとうございます」
2人が中から出て来たのを確認した俺は、土魔法で作った風呂を消し「2人は、湯冷めする前にそのまま寝て良いよ。交代の時間になったら起こすから」と言って2人をテントの中に入れ、俺もテント前に移動し読書タイムに入った。
「んっ? クリフじゃねぇか? 何でここに居るんだ?」
「ガルドさん? えっ、ガルドさんこそ何でダンジョンに居るんですか?」
本を読み始めて10分後に誰かがこちらに近づいてくる気配を感じ取り、そちらに意識を向けているとガルドさんだった。
「いや、俺は元々ダンジョン目的にこっちに来てたしな? 1人でどこまで行けるか試してたんだが、途中で飯が尽きてな今帰ってる所なんだよ」
「そうだったんですか、俺は帰って来たパーティーメンバーとダンジョン探索ですよ。今日は、ここで泊まって明日も続けていく予定です」
そう言うと、ガルドさんは「そうなのか、それなら頑張れよ。俺は今日の探索分を持って帰って酒でも飲む予定だ」と言い、最後に「じゃあな」と言って走り去っていった。
流石Bランクの冒険者なだけあって、既に姿が見えなくなった。ガルドさんが去った後、読書に戻った。
そして、アリス達との交代の時間になりアリス達を起こし自分のテントの中に戻った俺は直ぐに眠りについた。自分では思ってない程に体は付かれていた様で、直ぐに深い眠りに入れた。
次の日、テント前で喋っているアリス達に「おはよう」と言って出て来た俺にアリス達も挨拶を返し、アリス達にテントの片づけを頼み俺は朝食の準備を始めた。
「アリス、ミケ。スープと肉どっちが良い?」
「う~ん、スープが良いかな朝だし」
「私もスープで良いですよ」
「分かった。なら、スープにするか」
アリス達にどっちが良いか決めて貰った俺は、アイテムボックスから3人分よりちょっと多めのスープが入った鍋を取り出し、人数分の皿とコップを取り出した。コップには、氷魔法で氷を作りその中に俺特製のジュースを入れてアリス達が終わるのを待った。
片付けが終わったアリス達に手拭きを渡し、手を綺麗に拭いた後皆で「いただきます」と言って朝食食べた。
47
お気に入りに追加
6,401
あなたにおすすめの小説

公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡
サクラ近衛将監
ファンタジー
女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。
シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。
シルヴィの将来や如何に?
毎週木曜日午後10時に投稿予定です。
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。

転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~
ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。
異世界転生しちゃいました。
そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど
チート無いみたいだけど?
おばあちゃんよく分かんないわぁ。
頭は老人 体は子供
乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。
当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。
訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。
おばあちゃん奮闘記です。
果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか?
[第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。
第二章 学園編 始まりました。
いよいよゲームスタートです!
[1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。
話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。
おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので)
初投稿です
不慣れですが宜しくお願いします。
最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。
申し訳ございません。
少しづつ修正して纏めていこうと思います。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる