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第141話

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 父さんが出て行った後、俺も書斎から出て地下室に行くとアーリンが「さっき、ドラグノフが急に消えたけど召喚したの?」と聞いてきたので、さっきあった事を教えた。

「そうだったの、まあドラグノフが居れば村は安全ね」

「そうだね。いつもはアレだけど、一応は竜王だしね」

 アーリンはそう言うと、ゴレ助が持っていたトランプを抜くとババを引き続いてゴレ助がアーリンのトランプを一枚とると最後の一組でゴレ助がババ抜きで勝った。

「……この子、知性ありすぎでしょ普通のゴーレムってこんなに頭を動かしたりしないのよ」

「う~ん、そうなんだよな……今朝も粉々になった魔石を吸収してたりしてたからな」

「そう言えば、この子が疲れてる時に私とドラグノフの魔力を渡したりしてたわ……」

 俺とアーリンは、人型のゴレ助を「う~ん」と考える様にして見る事数十秒、何一つ分からなかったので俺もトランプに参加し、ゴレ助の腕前を確かめる事にした。

「……負けた」

「ねえ、本当にこの子普通のゴーレムかな?」

 俺とアーリン、ゴレ助でババ抜きを5回やりその5回ともゴレ助が勝利した。勝ったゴレ助は、嬉しそうに人型の顔をニコニコとして左右に揺れていた。

「一応、ゴレ助は俺のゴーレムだからステータスを見る権利は俺にあるし、見てみるか」

「そうね。確かめてみましょう」

 ゴレ助に向かって【鑑定】を使うと、自分でステータスを開いた時と同じ物が出て来た。


名前:ゴレ助
年齢:0
種族:ゴーレム
称号:クリフに作られたゴーレム
加護:全能神の加護 時の竜王の加護 妖精王の加護

適正属性:土
適正武器:無し

レベル:1
ステータスポイント:0
HP 760/760
MP 540/540

持久力:———
精神:380
知能:3400
物理攻撃力:670
物理防御力:740
魔法攻撃力:380
魔法防御力:640
敏捷:70
運:87

<スキルステータス>

スキルポイント:0

〖スキル〗
・土魔法〖レベル6〗

〖ユニークスキル〗
・魔吸収

〖固有能力〗



「……えっ?」

「ど、どうだったのクリフ君?」

 ゴレ助のステータスを見て、俺が固まるとアーリンが心配したように俺の体を揺さぶり俺はゴレ助のステータスに書かれていたのを紙に書きアーリンに見せた。

「……えっ?」

 俺と全く同じ感じにアーリンも驚き、2人してゴレ助のステータスを見て固まった。実際、ゴレ助のステータスがどれくらいおかしいのか俺自身、自分以外のステータスの事をあまり知らないから特に言えないがアーリンの反応を見るにゴレ助のステータスは異常なのだろう。
 まあ、俺でもおかしいと思う点は〝知能の能力値〟の数字だろう。

「アーリン、このステータスって普通か?」

「……全然違うわ、確かに私とドラグノフが興味本位でこの子に加護を加えてたけど、まさか全能神まで付けてたとは思わなかった。それと、能力値に関してたけど、確かに作った人物によってゴーレムの能力値も変わるけど、レベル1ゴーレムの能力値じゃないわ」

「だよな……まあ、十中八九この成長はユニークスキルの【魔吸収】なんだろうな」

「そうね。作られたゴーレムがユニークスキルを持ってる事自体珍しいんだけど、これほどの能力値はそのスキルのせいね」

 俺はゴレ助のステータスのユニークスキル欄にある【魔吸収】について、爺ちゃんから貰った本の中から探してみると直ぐに見つかった。
 【魔吸収】とは、魔石や魔力を吸収し自らの力へ変えるスキルと書かれていた。

「と言う事は、ゴレ助に魔力や魔石を食わせたら、今より強くなるって事だよな」

「そう、なるわね……って、クリフ君楽しそうな顔してるわね」

「アーリンもだろ……よし、明日からゴーレム作成は一旦休むことにしてゴレ助の強化に専念するか!」

 そう言うと、アーリンも「私も手伝うわ」と言って、早速2人でゴレ助に魔力を吸収させていった。
 そして、ゴレ助の強化を始めて一時間が経った頃、アーリンと俺はゴレ助に魔力を送るのを止めて一度ゴレ助を外に出してみることにした。

「ごれすけ、一度自分が成れる強い生物になってみてくれ」

 そう言うと、ゴレ助は自らの土魔法を使い自分に土を集めて行った。そして数秒後、巨大な土のドラゴンの体になったゴレ助が翼を動かし、空へと飛んだ。

「……アーリン、俺達凄い物作ったな」

「そうね。ちょっと、やり過ぎた感もあるけどね……」

 空を飛んでいるゴレ助を見て俺達は、そんな感想を述べるとゴレ助に「いつもの格好に戻れ」と命じると空を飛んでいた土のドラゴンが地面にぶつかりボコボコの岩山が出来空からゴレ助が俺の頭に着地した。
 その後、庭をアーリンに元に戻してもらい俺達は家の中に帰った。
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