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第136話
しおりを挟むダンジョンに着いた俺達は、早速10層まで一気に降りた。元々、ミケ達と3人でダンジョンをクリアしてる俺達とCランク冒険者の力を持ちルーシェが居れば簡単に下に降りる事が出来た。
10層での魔物との戦闘もミケ達は直ぐに勘を取り戻し、パーティープレイに支障が無い位直ぐに動けるようになっていた。
「ルーシェちゃん、そっちに一体行ったよ」
「うん、分かった」
ミケの声にルーシェは直ぐに返し、そのすぐ後にウルフが襲ってきたのを倒した。流石、Cランクの冒険者ウルフ程度直ぐに倒してしまった。
「さてと、依頼の魔石集めは十分すぎるくらい取ったから、そろそろ戻ろうか」
「「「は~い」」」
俺の言葉に返事をした3人は、それぞれ魔物を倒した。俺は、自分も倒した魔物と一緒にアイテムボックスの中に入れると来た道を戻りダンジョンから出た。
ギルドに着いた俺達は、依頼分の魔石の報酬とウルフの素材の報酬を山分けした。その時「魔石だけ、貰っても良いかな? その分、報酬から引いていいから」と言って魔石を貰った。
「それじゃ、明日もギルドで待ち合わせで明日は外に行こうか」
そう言って、俺達は解散した。それと先に3日後は、学園のパーティーに行くとアリス達に伝えておいた。
俺は、魔石を手に入れた事でウキウキしながら家に帰り裏庭で早速、魔石の強化を試した。
「駄目だ……また、砕けた」
頂いた魔石の半分近くで強化を試そうとした結果、全てが粉々に砕け散って行った。
「……どうすんだよ。強化って……」
「どうしたんじゃ、クリフ?」
魔石の強化に絶望して地面に仰向けになって寝ていると爺ちゃんが俺の顔を伺う様に話しかけて来た。俺は、爺ちゃんに目の前の砕け散って行った魔石の跡を指さすと苦笑いされた。
「う~む、儂も魔石の強化には詳しくないから助言はできのう……」
爺ちゃんはそう言いながら、何かを思い出したかのように「あっ」と言い「一人だけ、この王都に居るぞ」と言った。
「えっ? 本当に」
「うむ、魔道具屋をやっておる。アイリじゃ」
「アイリさんが?」
その後、俺は爺ちゃんにアイリさんの所に行ってくると言って急いでアイリさんのお店に向かった。お店には人が居て、お客さんの相手をしているアイリさんが居た。俺は、客が居なくなるのを待ちアイリさんが一人になってから話しかけた。
「久しぶりね。クリフ君、どうしたの? また、お菓子の作り方でも聞きに来たの?」
「いえ、今日は魔石の事で少し」
「魔石?」
俺はアイリさんに最近、ゴーレム作成にハマっている事を話した。そして、ゴーレムの作成に強い魔石が必要で強化の仕方を教えて欲しいと言った。
「成程ね。クリフ君って本当に色んな事に手を出すね。良いわよその位、でも今日はちょっと忙しいから2日後の朝に来て」
「分かりました。ありがとうございます」
アイリさんにお礼を言い、「二日後、また来ます」と言って店を出た。そして、家に帰って来た俺はゴレ助にドラゴン(子供)ゴーレムを作り動かし方を覚えさせていった。
そしてその夜、温泉の気持ち良さを知った父さんと爺ちゃんが温泉に行こうと言って来て、それを聞いた母さんが「何の話?」と父さん達が問い詰められた。
「えっと……母さん、前にドラグノフの里があるって言ってたでしょ? そこに温泉があって、父さん達がまた行きたいって言ってるだけだよ」
「……へぇ、クリム。私とアリエス達は連れて行かないで、旅行に行ってたの」
助け船のつもりで言った俺の言葉に更に怒った母さんは、父さんの首元を掴み後ろにメラメラと炎の背景が見えた。
「ちょッ! ち、違うよ、リサラ?!」
「……母さん、旅行じゃないよ。ドラグノフに前貰ったこの杖で一瞬てセ行けるんだよ」
流石に可哀そうだと思った俺は、今まで隠そうと思って隠していたわけでは無いレドルの杖を母さんに見せると「クリフが【レドルの杖】を持ってたの?!」と驚いた。
「う、うん。ドラグノフと最初に会った時に僕にくれたの、それで一度ドラグノフの里に行った時に場所を登録して、その後父さん達を温泉に連れて行ったんだよ」
「そうだったの……ねえ、クリフ。私達も温泉に連れて行ってくれるかしら?」
「うん、良いよ。家族で言った方が楽しいしね」
そう言うと、聞いていた婆ちゃんと姉さん達も喜んでいた。その後、夕飯を食べた後ドラグノフ達を呼びに行き温泉に行くか聞くと「行く」と言ったので、ドラグノフ達も一緒に竜の里に転移して、母さん達に竜の里を案内しながら温泉に向かい、一日の疲れを取った。
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