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第121話
しおりを挟む毒が消えた2人は直ぐに動けるようにとはいかず、毒に侵されていた間眠る事も儘ならなかったようで一眠りするみたいだったので俺達は部屋を出た。その後、同じ様に毒竜の毒に侵されていた兵士や商人の人達も俺とアーリンが゜二手に分かれて治して行った。
一番進行していたのはミケ達だった様で他の人達は数分で毒の解毒が出来、毒に侵されていた数十名の人達を治すことが出来た。
「ふぅ、人仕事終わった。って、あれ? 爺ちゃんは?」
「リグルなら、さっき兵士に何処かに連れていかれて行ったぞ」
「……う~ん、まあ良いか一応これからダルトス支部の冒険者ギルドに行くけどドラグノフ達はどうする?」
「我も付いて行こう。ここに居ても何も無いしな」
「私も1人で居てもね。付いて行くわ」
とドラグノフ達と一緒に診療所を出て、診療所の人に先に聞いておいた冒険者ギルドへの道のりを進んで行った。王都のギルドよりかは少し小さいがギルドの看板が掛けられていた建物に俺達は入った。中に入った俺は、全体を見渡し中年男性が立って居る受付に歩いて向かった。
「すみませんがここのギルド長、今いますか?」
「んっ? 坊主は冒険者なのか?」
「はい、どうぞ」
俺はそう言いながらギルドカードと紙を男性に渡した。紙には王都のギルド長のサイン付きの特別依頼の件の事が書かれている。男性はそれを受け取った後ギルドカードは返し、「分かった。奥に居るから付いてきな」と男性に言われた通り、男性の後ろを付いて行き奥の部屋へと移動した。
「ギルド長、王都からの毒竜の撃退を受けた冒険者が来ました」
「分かったわ。入っていいわよ」
中から女性の声が聞こえると、男性の受付員は扉を開け中に入った。俺達も続くように中に入ると中には、エルフの女性が居た。男性は、俺を中にいれ女性に紙を渡し退室した。
「初めまして、私はダルトス冒険者ギルドのギルド長をしてる。レームよ、よろしく」
「俺は王都で活動しているクリフです。後ろに居るのは従魔のドラグノフと従者のアーリンです。よろしくお願いします。」
お互い自己紹介をした後、ギルド長は男性から受け取った紙をマジマジと見た。
「それで、貴方が王都から派遣された毒竜退治の冒険者で間違いないのですね?」
「退治を頼まれた冒険者で既に毒竜は倒してきてるよ」
そう言って、先程の戦いで斬り飛ばした毒竜の頭をあの場に居た兵士さんに「報告の為に持って行く」と言ってアイテムボックスに入れていた毒竜の頭を部屋に出してギルド長に見せた。
「アイテムボックスか珍しいスキルを持って居るんですね……それに、この竜の顔は本物の毒竜の物みたいわね疑って、ごめんなさい」
「こんな子供が来たら疑うのも無理も無いですし、良いですよ」
そう言った後、毒竜の顔をアイテムボックスにしまい。ギルド長は机の上で何かを書類を書きだした。
「特別依頼の達成報告書になるわ。これを王都で提出すれば、報酬が貰えるのくれぐれも無くさないようにね」
「分かりました」
ギルド長から渡された紙を俺はアイテムボックスに入れ、報告も終わったので帰ろうと退室しようとしたらギルド長に止められた。
「そんな直ぐに帰らなくても良いでしょう? 少し、話をしない?」
「良いですよ。それで話ってどんな話を聞きたいんですか?」
「そうね~……例えば、リサラの話とか聞きたいわ」
「……母さんの知り合いですか」
「ええ、昔一緒にパーティーを組んでダンジョンに潜った仲間よ」
その後、ギルド長と母さんの話や父さんの話をして少しだけ盛り上がった。
「そう言えば、クリフ君はここにその子達とだけ来たの?」
「いえ、爺ちゃんも一緒に来てますよ」
「……」
爺ちゃんと言った瞬間、ギルド長は固まった。そして、ビクビクしながら「お、お爺様って、ク、クリムの方の……」と聞いてきたので「【覇王】の方です」と答えると机の下に隠れた。
「どうしたんですか?」
「いえ、ちょっとね。昔、リグル様の大事な壺を割ってしまってね。その時のトラウマで……」
と何とギルド長は爺ちゃんの里出身の様だった。ブルブルと振動が伝わってくるくらい怯えていたので「大丈夫ですよ。今は、兵士と何処かに行ってるので」と言うと机の下からソロソロと出て来た。
「まさか、リグル様が里から出てくるなんて……そう言えば、数年前の戦争にも出て来てたわね」
「爺ちゃん、里はリヒトさんに長の座を譲って王都にずっと居ますよ」
「……もう、王都に行けないわ」
少し魂が抜けかけてるギルド長は「は、早めにリグル様を王都に帰らせてほしいわ」と頼まれた。
「それでは、またいつか機会があればゆっくり話しましょう」
「ええ、リサラにはよろしく言っといてね」
とギルド長室から出て建物から出た俺は、爺ちゃんを探し始めた。
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