116 / 192
第116話
しおりを挟む
爺ちゃんを連れて竜の里に転移した俺は倉庫から出て、温泉へと向かった。道中、爺ちゃんが周りを見ながら「こんな所があったんじゃな~」と感心していた。温泉までもう少しだなと思っていると後ろから俺の名前が呼ばれ、振り返るとドラゴさんが居た。
「ドラゴさんお久しぶりです。あっ、紹介します。俺の祖父です」
「どうも、儂はリグルじゃ、よろしく頼む」
「私はこの里の族長のドラゴと申します。クリフ様の祖父様でしたら里の皆も歓迎いたします。そう言えば、今回はどういった用件で来られたのですか?」
とドラゴさんから聞かれたので、爺ちゃんが温泉に入りたいと言ったので連れてきました。と言うとドラゴさんは申し訳なさそうな顔をした。
「すみません、今日は温泉の整備と掃除の日でして今日は入れないんです」
「そうなんですか? う~ん、爺ちゃん。明日、また連れてくるから明日でもいい?」
「うむ、儂も急に言ったしのクリフが明日良いのなら明日でも良いぞ」
「だ、そうなので明日また来ますね」
「すみません……そうだ。温泉は無理ですが、食事はどうですか? 〝炊き込みご飯〟を作ったのですが」
ドラゴさんからそれを聞いた俺は爺ちゃんに「食べて行こう」と言い、爺ちゃんが「うむ、儂も見知らぬ料理は気になるからのご馳走になるか」と言って2人でドラゴさんに着いて行き族長の家まで来た。
そして、前に食事を取った広間で長テーブルに釜が用意されていた。早速、お椀を受け取り自分の分を注いだ。爺ちゃんとドラゴさんも自分達のを注ぎいだ所でドラゴさんが「それでは、食べますか……「いただきます」」と皆で言い食べ始めた。
炊き込みご飯の中にはタケノコが入っていて昔、祖父母の家で食べたご飯の味を思い出した。最後の一粒まで綺麗に食べた俺は「美味しかった」と言って箸を置いた。
「どうでしたか?」
「凄く美味しかったです」
その後ドラゴさんに食事の感想と感謝を述べた後、倉庫に行きレドルの杖を使い王都に戻って来た。爺ちゃんは「それじゃ、明日良い時に呼びに来てくれ」と言って自分の部屋に戻って行った。
俺は又1人に戻ったので今度こそ何しようか迷ったが、ギルドに行く事に決めた。
「こんにちは、レインさん」
「こんにちはです。クリフ様、本日は何か依頼を受けますか?」
ギルドに着き開いていたレインさんの受付に行き挨拶を交わし良い依頼が無いか聞いてみた。すると、最近王都の冒険者が多くなり回復薬の減りが早くなり薬草が必要なのだが低ランクの依頼を受けたい冒険者が居らずこのままだと回復薬の値段が上がってしまうらしい。
俺の場合、回復魔法があるので回復薬は殆ど使わないが王都にも知り合いの冒険者が沢山居るので薬草集めの依頼を受けることにした。受けると言っても常設の物になのでレインさんに「それじゃ、薬草採りに行ってきますね」と言ってギルドを出ようとした。
「へっ、薬草取りで小銭集めする為に冒険者やってんじゃねぇよ。だから冒険者に変な依頼が来るんだよ」
そんな野次が飛んできた。俺はその言葉が聞こえた方を見るとこの間、飯屋でパーティーと喧嘩していたBランクの冒険者だった。そいつは、まだ昼間だと言うのに片手に酒が注がれたジョッキを持って笑っていた。
「何だよ。文句あるのかガキ?」
男は笑いながら酒を飲み干すとカラになったジョッキを俺の方へ投げて来た。俺は、そのジョッキを避けると後ろに居るレインさんに当たってしまうので風魔法でそのジョッキを受け止め、そのままスキンヘッドの方へ飛ばした。狙った通り男の腹にジョッキが当たると男は蹲ったかと思うと行き成り立ち上がり「何すんだガキッ!」と怒り狂って俺の方へ向かってきた。
「何するんだって、お前が投げたジョッキを返しただけだろうが? お前もちゃんと受け止めろよ。Bランク冒険者なんだろ?」
挑発気味にそう言うと男は「死にてぇだなガキ」と言って背中に担いでいた斧を俺に向かって振り下ろして来た。
その斧を俺は強化魔法で足と腕を強化して受け止めた。
「弱っ、これでBランクとか笑えるな」
「何だと、ガキィッ!」
男は怒り狂ってもう一度、斧で俺を叩こうとしたが俺が斧の先端をつまんでいたので持ち上げる事が出来なかった。
「ねえ、レインさん。相手が先に手を出した場合どうしたら良いんですか?」
「えっと、冒険者同士の喧嘩では加害者側は何をされても文句は言えません」
「そうですか、なら徹底的にしますね」
俺は昔勉強していた通りの答えが返って来たので目の前の男を徹底的にやる事に決めた。
現在、この王都にはSランクの冒険者が少なくなっている。元々、Sランクの冒険者自体が数が少ないのだが最近新しく出来たダンジョンへ王都に居たSランクが挑戦しに行き、更にシルバーさんとアルティマさんが里帰りで居なくなっていて残ったSランクの人達は大抵が最高難易度のダンジョンに潜っているのでギルドには出てこない。
その結果、AランクとBランクの冒険者がギルドで顔を見せ合うのだが、最近よそから来た冒険者がランクが高いのを良い事に〝自分達のが上〟と言った風に王都の冒険者達を馬鹿にしている現状を父さんから聞いていた。
対処を父さんがしても良いらしいのだが貴族として仕事が山済みでこちらを対処出来ないと言っていたので「出来たら俺がするよ」と約束していた。
「ガキ、徹底的にやるって何だ? 俺を倒すつもりなのか?」
「そうだよ? 良さからきた奴の中で一番、お前が王都の冒険者や自分よりランクの低い冒険者を馬鹿にしてるのを聞いたからね。見せしめってやつだよ」
そう言うと男は笑い出した。「ガキ、自分が正義のヒーローにでもなったつもりか?」と聞いてきた。
「正義のヒーローじゃないよ。ただの暇つぶし、ここじゃ他の人の迷惑だ下に降りるぞ」
レインさんに「試験会場で使った地下の場所、使わせてもらっても良いですか?」と聞くと「分かりました。ギルド長には私から言っておきます」と了承を得た。
俺の言う事に黙って男が着いてこないと思っていたが男はすんなり言う通りに地下へと降りて来た。
「ドラゴさんお久しぶりです。あっ、紹介します。俺の祖父です」
「どうも、儂はリグルじゃ、よろしく頼む」
「私はこの里の族長のドラゴと申します。クリフ様の祖父様でしたら里の皆も歓迎いたします。そう言えば、今回はどういった用件で来られたのですか?」
とドラゴさんから聞かれたので、爺ちゃんが温泉に入りたいと言ったので連れてきました。と言うとドラゴさんは申し訳なさそうな顔をした。
「すみません、今日は温泉の整備と掃除の日でして今日は入れないんです」
「そうなんですか? う~ん、爺ちゃん。明日、また連れてくるから明日でもいい?」
「うむ、儂も急に言ったしのクリフが明日良いのなら明日でも良いぞ」
「だ、そうなので明日また来ますね」
「すみません……そうだ。温泉は無理ですが、食事はどうですか? 〝炊き込みご飯〟を作ったのですが」
ドラゴさんからそれを聞いた俺は爺ちゃんに「食べて行こう」と言い、爺ちゃんが「うむ、儂も見知らぬ料理は気になるからのご馳走になるか」と言って2人でドラゴさんに着いて行き族長の家まで来た。
そして、前に食事を取った広間で長テーブルに釜が用意されていた。早速、お椀を受け取り自分の分を注いだ。爺ちゃんとドラゴさんも自分達のを注ぎいだ所でドラゴさんが「それでは、食べますか……「いただきます」」と皆で言い食べ始めた。
炊き込みご飯の中にはタケノコが入っていて昔、祖父母の家で食べたご飯の味を思い出した。最後の一粒まで綺麗に食べた俺は「美味しかった」と言って箸を置いた。
「どうでしたか?」
「凄く美味しかったです」
その後ドラゴさんに食事の感想と感謝を述べた後、倉庫に行きレドルの杖を使い王都に戻って来た。爺ちゃんは「それじゃ、明日良い時に呼びに来てくれ」と言って自分の部屋に戻って行った。
俺は又1人に戻ったので今度こそ何しようか迷ったが、ギルドに行く事に決めた。
「こんにちは、レインさん」
「こんにちはです。クリフ様、本日は何か依頼を受けますか?」
ギルドに着き開いていたレインさんの受付に行き挨拶を交わし良い依頼が無いか聞いてみた。すると、最近王都の冒険者が多くなり回復薬の減りが早くなり薬草が必要なのだが低ランクの依頼を受けたい冒険者が居らずこのままだと回復薬の値段が上がってしまうらしい。
俺の場合、回復魔法があるので回復薬は殆ど使わないが王都にも知り合いの冒険者が沢山居るので薬草集めの依頼を受けることにした。受けると言っても常設の物になのでレインさんに「それじゃ、薬草採りに行ってきますね」と言ってギルドを出ようとした。
「へっ、薬草取りで小銭集めする為に冒険者やってんじゃねぇよ。だから冒険者に変な依頼が来るんだよ」
そんな野次が飛んできた。俺はその言葉が聞こえた方を見るとこの間、飯屋でパーティーと喧嘩していたBランクの冒険者だった。そいつは、まだ昼間だと言うのに片手に酒が注がれたジョッキを持って笑っていた。
「何だよ。文句あるのかガキ?」
男は笑いながら酒を飲み干すとカラになったジョッキを俺の方へ投げて来た。俺は、そのジョッキを避けると後ろに居るレインさんに当たってしまうので風魔法でそのジョッキを受け止め、そのままスキンヘッドの方へ飛ばした。狙った通り男の腹にジョッキが当たると男は蹲ったかと思うと行き成り立ち上がり「何すんだガキッ!」と怒り狂って俺の方へ向かってきた。
「何するんだって、お前が投げたジョッキを返しただけだろうが? お前もちゃんと受け止めろよ。Bランク冒険者なんだろ?」
挑発気味にそう言うと男は「死にてぇだなガキ」と言って背中に担いでいた斧を俺に向かって振り下ろして来た。
その斧を俺は強化魔法で足と腕を強化して受け止めた。
「弱っ、これでBランクとか笑えるな」
「何だと、ガキィッ!」
男は怒り狂ってもう一度、斧で俺を叩こうとしたが俺が斧の先端をつまんでいたので持ち上げる事が出来なかった。
「ねえ、レインさん。相手が先に手を出した場合どうしたら良いんですか?」
「えっと、冒険者同士の喧嘩では加害者側は何をされても文句は言えません」
「そうですか、なら徹底的にしますね」
俺は昔勉強していた通りの答えが返って来たので目の前の男を徹底的にやる事に決めた。
現在、この王都にはSランクの冒険者が少なくなっている。元々、Sランクの冒険者自体が数が少ないのだが最近新しく出来たダンジョンへ王都に居たSランクが挑戦しに行き、更にシルバーさんとアルティマさんが里帰りで居なくなっていて残ったSランクの人達は大抵が最高難易度のダンジョンに潜っているのでギルドには出てこない。
その結果、AランクとBランクの冒険者がギルドで顔を見せ合うのだが、最近よそから来た冒険者がランクが高いのを良い事に〝自分達のが上〟と言った風に王都の冒険者達を馬鹿にしている現状を父さんから聞いていた。
対処を父さんがしても良いらしいのだが貴族として仕事が山済みでこちらを対処出来ないと言っていたので「出来たら俺がするよ」と約束していた。
「ガキ、徹底的にやるって何だ? 俺を倒すつもりなのか?」
「そうだよ? 良さからきた奴の中で一番、お前が王都の冒険者や自分よりランクの低い冒険者を馬鹿にしてるのを聞いたからね。見せしめってやつだよ」
そう言うと男は笑い出した。「ガキ、自分が正義のヒーローにでもなったつもりか?」と聞いてきた。
「正義のヒーローじゃないよ。ただの暇つぶし、ここじゃ他の人の迷惑だ下に降りるぞ」
レインさんに「試験会場で使った地下の場所、使わせてもらっても良いですか?」と聞くと「分かりました。ギルド長には私から言っておきます」と了承を得た。
俺の言う事に黙って男が着いてこないと思っていたが男はすんなり言う通りに地下へと降りて来た。
57
お気に入りに追加
6,401
あなたにおすすめの小説

公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる