109 / 192
第109話
しおりを挟むルーネ達とのダンジョン探索は10層で折り返して来た。ドラグノフとアーリンのサポートもあったおかげでサクサクッとダンジョンを進んで行っていたのだが3層を過ぎたあたりからドラグノフ達頼みになっていたので「ドラグノフ、アーリン。これ以降は危険じゃない限り後ろで見ててくれ」と俺が指示を出し、なるべく俺とルーネ達でダンジョンを進んで行くことにした。
ルーネ達のパーティーは上手く構成されていて、リーダーのルーシェは前衛職ルーネは後衛職アンネは中衛職でルーシェは剣士、ルーネは魔法使い、アンネは索敵や鑑定といったパーティーに必要な事を出来るときちんと分かれていた。
「は~、初めてのダンジョンだったけど楽しかったな、魔物も外より出る数が多くて依頼に行く時より疲れちゃった」
「そうだね。私もいつもより魔法撃ってMPが底尽きそうだったよ」
「クリフ君の索敵のレベルが高すぎで自分の索敵能力もうちょっと上げようって考え直したわ」
と3人はダンジョンから出ると感想を述べた。ダンジョンから出ると既に昼頃になっていて姉さん達との約束を思い出し、ルーネ達に「ちょっと先にギルドで待ってて、俺姉さん達と約束があるから」と言ってドラグノフとアーリンはそのままルーネ達と待たせ1人学園に向かった。
なんとか学園の終了のチャイムと共に門に着いた俺は一息つきアイテムボックスから飲み物を出し姉さん達を待った。
「クリフ君、お待たせ~」
「クリフ君、ごめんね。待たせちゃった?」
「大丈夫だよ。ちょっと、この後他の人と用事あるから早く荷物家に持って帰ろうか」
と言って姉さん達の教室に移動した俺達は、2人の姉のロッカーから荷物をアイテムボックスへ入れて姉弟3人で家に帰った。家に着いた俺は、姉さん達の部屋に荷物を置き再度家を出て行きギルドに向かった。
ギルドに着くと休憩スペースの所でルーネ達が喋っているのを見つけ「ごめん、今終わったよ」と言って戻り、俺が持っていたダンジョンで手に入れた素材品を売り報酬を分けた後どうする? となった。
考えているとアンネのお腹が鳴り、そう言えば昼飯食べて無かったなと思い出し「お腹も減ったし、ご飯食べに行く?」と言うとルーシェもルーネもお腹が空いていたようで直ぐに返事を返して来たので皆でご飯を食べにギルド近くにある店へと移動した。
店の中に入り開いてるテーブルへと着いた俺達はメニューが書かれてる表を見て何を頼むか考えているといきなり「ガシャンッ」皿が割れる音が聞こえた。
「ふざけんなよ。何で俺達の取り分がこれだけなんだ!」
「あぁん? そんなの当り前だろ、お前達のランクがCで俺のランクがB同額の報酬なわけないだろ?」
激昂した男と冷静にその男へ言葉を返したスキンヘッドの男、その2人の周りには他にもパーティーメンバーと思わしき人達が座っていて怒っている男同様にその人達も怒っていた。
「お前が俺達のパーティーに入れてくれって言うから入れてやったんだろうが、ダンジョンでもお前だけただ後ろで立って居るだけだったろうが」
「は? そんなの当り前だろ、お前達と行ったの初心者用のダンジョンだろうがこの俺はBランクなんだぞ? そんな低ランクのダンジョンで態々俺が動くわけないだろ」
スキンヘッドの男がそう言うと食って掛かっていた男は「クソがやっぱ流れて
きた奴に関わるんじゃなかったぜ」と言いパーティーメンバーと一緒に店員さんに「すまんかった。皿と飯代それと迷惑料、これで勘弁してくれ」と言って銀貨を数枚渡し出て行く時に他の客に頭を下げて出て行った。残ったスキンヘッドの男も残っている飲み物を飲み干すと店を出て行った。
「あれがギルドで言ってたの」
「そうみたいだね。まあ、でも私達が居た街だったら他の街から来た冒険者との喧嘩ってよく合ってたから珍しくはないけどね」
ルーネがそう言うと出来上がった料理を持ってきた店員さんから受け取ったオーク肉の焼肉セットを貰い食べ始めた。
「あ奴等が我らの所に絡んできたら一発で仕留めてやりたかったな」
「私もちょっと気分悪くなったから、あのスキンヘッドの男滅多打ちしたかったわ」
とダンジョンで待て命令されて少しストレスが溜まっていたドラグノフとアーリンが出て行った出入り口の方をスッと目を細めて言った。そんな2人に「こ、今度はちゃんとお前達にも戦わせるから」と宥めドラグノフとアーリンが頼んだ料理が来た事で少し機嫌を取り戻した2人に俺は安堵し自分が注文した料理を食べ始めた。
料理を食べ終わった後、店先でルーネ達と別れ家に帰宅した。
26
お気に入りに追加
6,376
あなたにおすすめの小説
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。
そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。
【カクヨムにも投稿してます】
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
孤児による孤児のための孤児院経営!!! 異世界に転生したけど能力がわかりませんでした
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はフィル
異世界に転生できたんだけど何も能力がないと思っていて7歳まで路上で暮らしてた
なぜか両親の記憶がなくて何とか生きてきたけど、とうとう能力についてわかることになった
孤児として暮らしていたため孤児の苦しみがわかったので孤児院を作ることから始めます
さあ、チートの時間だ
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
転生先ではゆっくりと生きたい
ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。
事故で死んだ明彦が出会ったのは……
転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた
小説家になろうでも連載中です。
なろうの方が話数が多いです。
https://ncode.syosetu.com/n8964gh/
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる