上 下
98 / 192

第98話

しおりを挟む
 オーガ達を消し炭にした後、ドラグノフに指示を出し地上に降り3人の女の子達に近づいた。

「えっと、襲われて大変そうだからオーガを倒しちゃったけど良かったかな?」

「は、はい私達じゃオーガ2体は厳しかったので助かりました」

「良かった。冒険者のルールで獲物の横どりは駄目だからね、少し心配しちゃった。怪我してるみたいだから回復魔法掛けるね」

「あ、ありがとうございます」

 一番手前に転んでいた少女に俺は話しかけながら、少女の体全体に回復魔法を掛けた。そう言えば、結局婆ちゃんから回復魔法の事習って無いなと思いこの旅が終わったら頼もうと考えた。

「クリフ君。あっちの女の子達も怪我してるみたいだから、私が回復魔法掛けとくね」

「ありがとう。アーリン」

 目の前で回復魔法を掛けられて「け、怪我が全部なくなってる?!」と驚いている少女のパーティーメンバーの子達の方にアーリンが近づき回復魔法を掛けて同じ様に怪我を完全回復させると「す、凄い」と驚いていた。
 その後、3人が落ち着いた後一番最初に俺の回復魔法を掛けた女の子が俺に近づいて来て頭を下げた。

「あ、あの、助けていただきありがとうございました。私は、このパーティーのリーダをしていますルーシェです」

「俺は、クリフです。さっきのドラゴンで今は人型のがドラグノフで女の子がアーリンです」

 少女の後ろに居た2人の女の子も自分の名前を言い、ルーシェと双子の妹のルーネが「クリフ君は、冒険者なんですか?」と聞いてきた。

「はい、ショーラン国の王都の方で活動をしているDランク冒険者です。ルーネさん達はこの辺の冒険者ですか?」

「はい、私達はこの森の近くに有ります。ルネッドの街で活動をしてます。一応、私達全員Cランクなんですが最近昇格したばかりなのでまだまだDランクと変わらない実力です」

「Cランクなんですか? 凄いですね。見た感じ、俺と余り歳も変わらないのに」

 ルーシェとルーネは、見た感じ俺の1.2歳上位の少女でもう1人の女の子のアンネは俺とほぼ変わらない感じがした。アンネは、「多分、私とクリフ君同い年かも」と言い歳を聞くと俺と同じ8歳だった。因みにルーシェ達は思っていたより歳が上で11歳と言われ、少し驚いた。驚いた俺に「私達、同年代の子達より小さいの分かってるから驚かれるの慣れてる」と少しプクッと頬を膨らませた2人に謝った。
 その後、オーガとの戦闘で疲労が溜っているルーシェたちをドラグノフの背に乗せㇽネッドの街の近くの草原まで送って上げた。

「色々とありがとうございます。クリフ君」

「また、会えたら今度はゆっくり話でもしたいです」

「はい、俺も王都以外の人とは余り喋った事無いのでその時は、よろしくお願いします。」

「クリフ君。また、会えたらドラグノフにまた乗せて」

 最後のアンネの言葉に「いいよ。ドラグノフに乗せるくらい」と言ってドラグノフに指示を出し竜の里を目指した。

★☆★

 クリフが去った後、ルーシェ達は街へと続く道を歩きながらクリフの事について話をしていた。

「凄いよねクリフ君。私達より歳が下なのにドラゴンを使役してるなんて」

「うん、それにあの回復魔法、多分すっごくレベル高いよ。私の光魔法のレベル3だけどあそこまでの効果出したこと無いもん」

「クリフ君と一緒に居た女の子の方も回復魔法凄かったよ。私とアンネを一緒に回復魔法を瞬時に掛けて直ぐに怪我が消えたもの」

「「「ホント、凄いよね~」」」

 アンネ、ルーシェ、ルーネは、クリフ達の凄さに3人同時にそんな言葉を発しながら、自分達の拠点である街に着いた。街に着くと、街の門の所が騒がしくなっていたのにルーシェは気付き、近づくと兵士の1人がルーシェ達の元に走って来たる

「ルーシェさん達、さっきドラゴンがこの近くに来たと知らせがあったのですが、大丈夫でしたか?!」

 その兵士の言葉にルーシェ達は、少し考えクリフの事を話すか否かで3人の中で目線で会話した結果、話さないという事になり「私達、森に居たので気が付きませんでした」と言い街の中に入った。
 そして、その後ギルドに着いた3人は受けていた依頼のオーガ達が既に倒されていてその倒した者がドラゴンで有る事を話した。証拠として、オーガの肉片の一部を持って帰って来ていたルーシェがそれを提出し、ドラゴンのブレスによって殺されているものと判断され更に先程ドラゴンが街付近に出没してると言う報告と相成って疑われる事は無かった。

 結果として依頼の報酬は報告したことによって無事に支払ってもらった3人は、そのまま自分達の宿に戻り部屋に入りベッドにバタッと横になった。

「ねえ、ルーシェ。この街に居るより、王都に言った方が稼ぎ良くなるよね」

「ルーネ……そうね。それに王都だとDランクから入れるダンジョンもあるらしいし、私達にも入る権利あるし行って見たいよね」

「それに私達元孤児だし、親は居ないから別にここに留まる意味も無いよね」

 3人は、その後今後について話し合い次の日、王都に向けて準備を始めた。
しおりを挟む
感想 192

あなたにおすすめの小説

公爵家三男に転生しましたが・・・

キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが… 色々と本当に色々とありまして・・・ 転生しました。 前世は女性でしたが異世界では男! 記憶持ち葛藤をご覧下さい。 作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

異世界転生~チート魔法でスローライフ

リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

転生した社畜は異世界でも無休で最強へ至る(旧題|剣は光より速い-社畜異世界転生)

丁鹿イノ
ファンタジー
【ファンタジア文庫にて1巻発売中!】 深夜の職場で人生を終えた青桐 恒(25)は、気づいたらファンタジーな異世界に転生していた。 前世の社畜人生のお陰で圧倒的な精神力を持ち、生後から持ち前の社畜精神で頑張りすぎて魔力と気力を異常に成長させてしまう。 そのうち元Sクラス冒険者である両親も自重しなくなり、魔術と剣術もとんでもないことに…… 異世界に転生しても働くのをやめられない! 剣と魔術が存在するファンタジーな異世界で持ち前の社畜精神で努力を積み重ね成り上がっていく、成長物語。 ■カクヨムでも連載中です■ 本作品をお読みいただき、また多く感想をいただき、誠にありがとうございます。 中々お返しできておりませんが、お寄せいただいたコメントは全て拝見し、執筆の糧にしています。 いつもありがとうございます。 ◆ 書籍化に伴いタイトルが変更となりました。 剣は光より速い - 社畜異世界転生 ~社畜は異世界でも無休で最強へ至る~ ↓ 転生した社畜は異世界でも無休で最強へ至る

処理中です...