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第93話
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風呂からあがった後、約束通りドラグノフと一緒にリバーシーをやっていると部屋の扉をノックする音がし、返事をすると爺ちゃんが入って来た。爺ちゃんは、部屋の中に入って来て俺のベッドに座った。
「じいちゃん、どうしたの?」
「ああ、いやな儂クリフ達が帰って来てからずっと説教されておったから聞きたい事があったんじゃ」
「聞きたい事? なにっと、はいドラグノフ終わりだよ」
丁度良く、ドラグノフとの勝負に勝った俺は、盤面から爺ちゃんの方を向いた。爺ちゃんは、負けて唸っているドラグノフを横目に「のう、何故ここにドラグノフがおるんじゃ?」と聞いてきた。
「居るのじゃ、って聞かれてもね。ドラグノフとの賭け勝負で勝ってドラグノフの持ってた物とドラグノフ本人を全てを手に入れたからかな?」
「す、全て? ……と言う事は、ドラグノフ。もしや、あの本も渡したのか?」
爺ちゃんは、「全て手に入れた」と言う事に驚き、どうやって負けたのか考察していたドラグノフにそう聞いた。
「ああ、リグルが欲しがって本か? あれなら、別にそんな大した物じゃなかったからな早々に賭け金として出したぞ」
「なん、じゃと……儂があれほど欲しがっていた時は、全く渡さなかったのに」
「人が欲しがっる物をそう易々と渡すわけがないだろう?」
「……のう、クリフ。ドラグノフから貰った本、ちょっとの間だけでも良いから貸して貰えないじゃろうか?」
「本? ……」
爺ちゃんから言われ、アイテムボックスから本を探していると、10戦目位に勝ち取った本を見つけた。タイトルは、【魔法書Ⅰ】と書かれていて見た感じ、結構古い本だった。
「おおッ! それじゃ、それッ! ッ」
俺が出した本に興奮した爺ちゃんは、本を取ろうとしたが俺がヒョイッとかわし本を取れなかった爺ちゃんは床に転んだ。
「な、何をするんじゃクリフ……」
「いや~、これさ爺ちゃんが俺をさ山に置き去りにして手に入れた物でさ苦労はしてないけど、ドラグノフ同様そんな簡単に渡せないよ」
「なっ!」
爺ちゃんは、俺の言葉に驚き「な、何をしたら貸してくれるのじゃ……」と聞いてきた。
「前に使ってた。【召喚魔法】の使い方とか教えて」
「んっ? それなら、前に渡した本に書いてあるじゃろ?」
「うん、でもさやっぱり難しいのって聞きながらした方が良いし、別に減る物じゃないし教えてよ」
「うむ、その位なら直ぐにでも教えてやるぞ」
交換条件が安かった爺ちゃんは、少しホッとしている様だった。その後、ドラグノフと爺ちゃんと一緒に裏庭に降り、スキルポイントを600支払って【召喚魔法】を習得した。
「まず、召喚魔法は1つ前提として召喚する者が必要になる。その前提に必要になるのが、契約魔法なんじゃがそれはもう使っている様じゃな」
「うん」
「それで、次の工程じゃがその契約した者を思い浮かべながら呪文を唱えるのじゃが無詠唱を持っているクリフは、魔法を使うだけでドラグノフを呼び寄せる事が出来る」
「でも、爺ちゃんも無詠唱持ってるのに召喚する時、詠唱してなかった?」
「儂が言ってたのは、言った方がカッコいいと思ってるからじゃ、無いなら別になくて良いぞ」
「そ、そうなの?」
その後、召喚魔法について色々と聞きながら先に爺ちゃんの召喚魔法を見る事になった。
「我が眷属よ。我の召喚に応じよ。出でよ【ファリル】」
「ん~、アレ? クリフちゃん? お久~、ちょっと大きくなった?」
「久しぶり、ファリル。寝てる時に呼んでごめんね」
「いいよ~、別にずっと寝てて暇だったからね。あっ、ご主人様もお久~」
爺ちゃんが呼び出したのは、戦争の時に会ったファリルだった。
「さて、こんな風に契約した相手の事を思いながら召喚すると、この様に召喚する事が出来るのじゃ」
「もし、思い浮かべながら召喚魔法を唱えるとどうなるの?」
「大抵は、失敗するか使ったものに仕えたいと思っている者が出てくる事がある」
「成程、それじゃ最初はドラグノフを思い浮かべながら使ってみるか」
「うむ、我はいつでも良いぞ」
ドラグノフの承認も得た俺は、10m位ドラグノフと離れた位置に行き無詠唱で召喚魔法を使った。すると、ドラグノフが消えたと思ったら一瞬にして俺の目の前に現れた。
「おお、これは中々慣れるのに時間掛かるかもだな」
「そうか、なら時間がある時は使って慣れる練習でもするか」
「出来たようじゃな……それじゃ、クリフ。本を」
「うん、ありがとう爺ちゃん」
約束通り、爺ちゃんに本を渡すと「早速、読んでくるのじゃ」と言って家の中に入って行った。残された俺とドラグノフはもう少し召喚魔法の練習をする事にした。
「じいちゃん、どうしたの?」
「ああ、いやな儂クリフ達が帰って来てからずっと説教されておったから聞きたい事があったんじゃ」
「聞きたい事? なにっと、はいドラグノフ終わりだよ」
丁度良く、ドラグノフとの勝負に勝った俺は、盤面から爺ちゃんの方を向いた。爺ちゃんは、負けて唸っているドラグノフを横目に「のう、何故ここにドラグノフがおるんじゃ?」と聞いてきた。
「居るのじゃ、って聞かれてもね。ドラグノフとの賭け勝負で勝ってドラグノフの持ってた物とドラグノフ本人を全てを手に入れたからかな?」
「す、全て? ……と言う事は、ドラグノフ。もしや、あの本も渡したのか?」
爺ちゃんは、「全て手に入れた」と言う事に驚き、どうやって負けたのか考察していたドラグノフにそう聞いた。
「ああ、リグルが欲しがって本か? あれなら、別にそんな大した物じゃなかったからな早々に賭け金として出したぞ」
「なん、じゃと……儂があれほど欲しがっていた時は、全く渡さなかったのに」
「人が欲しがっる物をそう易々と渡すわけがないだろう?」
「……のう、クリフ。ドラグノフから貰った本、ちょっとの間だけでも良いから貸して貰えないじゃろうか?」
「本? ……」
爺ちゃんから言われ、アイテムボックスから本を探していると、10戦目位に勝ち取った本を見つけた。タイトルは、【魔法書Ⅰ】と書かれていて見た感じ、結構古い本だった。
「おおッ! それじゃ、それッ! ッ」
俺が出した本に興奮した爺ちゃんは、本を取ろうとしたが俺がヒョイッとかわし本を取れなかった爺ちゃんは床に転んだ。
「な、何をするんじゃクリフ……」
「いや~、これさ爺ちゃんが俺をさ山に置き去りにして手に入れた物でさ苦労はしてないけど、ドラグノフ同様そんな簡単に渡せないよ」
「なっ!」
爺ちゃんは、俺の言葉に驚き「な、何をしたら貸してくれるのじゃ……」と聞いてきた。
「前に使ってた。【召喚魔法】の使い方とか教えて」
「んっ? それなら、前に渡した本に書いてあるじゃろ?」
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「うん」
「それで、次の工程じゃがその契約した者を思い浮かべながら呪文を唱えるのじゃが無詠唱を持っているクリフは、魔法を使うだけでドラグノフを呼び寄せる事が出来る」
「でも、爺ちゃんも無詠唱持ってるのに召喚する時、詠唱してなかった?」
「儂が言ってたのは、言った方がカッコいいと思ってるからじゃ、無いなら別になくて良いぞ」
「そ、そうなの?」
その後、召喚魔法について色々と聞きながら先に爺ちゃんの召喚魔法を見る事になった。
「我が眷属よ。我の召喚に応じよ。出でよ【ファリル】」
「ん~、アレ? クリフちゃん? お久~、ちょっと大きくなった?」
「久しぶり、ファリル。寝てる時に呼んでごめんね」
「いいよ~、別にずっと寝てて暇だったからね。あっ、ご主人様もお久~」
爺ちゃんが呼び出したのは、戦争の時に会ったファリルだった。
「さて、こんな風に契約した相手の事を思いながら召喚すると、この様に召喚する事が出来るのじゃ」
「もし、思い浮かべながら召喚魔法を唱えるとどうなるの?」
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「うん、ありがとう爺ちゃん」
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