93 / 192
第93話
しおりを挟む
風呂からあがった後、約束通りドラグノフと一緒にリバーシーをやっていると部屋の扉をノックする音がし、返事をすると爺ちゃんが入って来た。爺ちゃんは、部屋の中に入って来て俺のベッドに座った。
「じいちゃん、どうしたの?」
「ああ、いやな儂クリフ達が帰って来てからずっと説教されておったから聞きたい事があったんじゃ」
「聞きたい事? なにっと、はいドラグノフ終わりだよ」
丁度良く、ドラグノフとの勝負に勝った俺は、盤面から爺ちゃんの方を向いた。爺ちゃんは、負けて唸っているドラグノフを横目に「のう、何故ここにドラグノフがおるんじゃ?」と聞いてきた。
「居るのじゃ、って聞かれてもね。ドラグノフとの賭け勝負で勝ってドラグノフの持ってた物とドラグノフ本人を全てを手に入れたからかな?」
「す、全て? ……と言う事は、ドラグノフ。もしや、あの本も渡したのか?」
爺ちゃんは、「全て手に入れた」と言う事に驚き、どうやって負けたのか考察していたドラグノフにそう聞いた。
「ああ、リグルが欲しがって本か? あれなら、別にそんな大した物じゃなかったからな早々に賭け金として出したぞ」
「なん、じゃと……儂があれほど欲しがっていた時は、全く渡さなかったのに」
「人が欲しがっる物をそう易々と渡すわけがないだろう?」
「……のう、クリフ。ドラグノフから貰った本、ちょっとの間だけでも良いから貸して貰えないじゃろうか?」
「本? ……」
爺ちゃんから言われ、アイテムボックスから本を探していると、10戦目位に勝ち取った本を見つけた。タイトルは、【魔法書Ⅰ】と書かれていて見た感じ、結構古い本だった。
「おおッ! それじゃ、それッ! ッ」
俺が出した本に興奮した爺ちゃんは、本を取ろうとしたが俺がヒョイッとかわし本を取れなかった爺ちゃんは床に転んだ。
「な、何をするんじゃクリフ……」
「いや~、これさ爺ちゃんが俺をさ山に置き去りにして手に入れた物でさ苦労はしてないけど、ドラグノフ同様そんな簡単に渡せないよ」
「なっ!」
爺ちゃんは、俺の言葉に驚き「な、何をしたら貸してくれるのじゃ……」と聞いてきた。
「前に使ってた。【召喚魔法】の使い方とか教えて」
「んっ? それなら、前に渡した本に書いてあるじゃろ?」
「うん、でもさやっぱり難しいのって聞きながらした方が良いし、別に減る物じゃないし教えてよ」
「うむ、その位なら直ぐにでも教えてやるぞ」
交換条件が安かった爺ちゃんは、少しホッとしている様だった。その後、ドラグノフと爺ちゃんと一緒に裏庭に降り、スキルポイントを600支払って【召喚魔法】を習得した。
「まず、召喚魔法は1つ前提として召喚する者が必要になる。その前提に必要になるのが、契約魔法なんじゃがそれはもう使っている様じゃな」
「うん」
「それで、次の工程じゃがその契約した者を思い浮かべながら呪文を唱えるのじゃが無詠唱を持っているクリフは、魔法を使うだけでドラグノフを呼び寄せる事が出来る」
「でも、爺ちゃんも無詠唱持ってるのに召喚する時、詠唱してなかった?」
「儂が言ってたのは、言った方がカッコいいと思ってるからじゃ、無いなら別になくて良いぞ」
「そ、そうなの?」
その後、召喚魔法について色々と聞きながら先に爺ちゃんの召喚魔法を見る事になった。
「我が眷属よ。我の召喚に応じよ。出でよ【ファリル】」
「ん~、アレ? クリフちゃん? お久~、ちょっと大きくなった?」
「久しぶり、ファリル。寝てる時に呼んでごめんね」
「いいよ~、別にずっと寝てて暇だったからね。あっ、ご主人様もお久~」
爺ちゃんが呼び出したのは、戦争の時に会ったファリルだった。
「さて、こんな風に契約した相手の事を思いながら召喚すると、この様に召喚する事が出来るのじゃ」
「もし、思い浮かべながら召喚魔法を唱えるとどうなるの?」
「大抵は、失敗するか使ったものに仕えたいと思っている者が出てくる事がある」
「成程、それじゃ最初はドラグノフを思い浮かべながら使ってみるか」
「うむ、我はいつでも良いぞ」
ドラグノフの承認も得た俺は、10m位ドラグノフと離れた位置に行き無詠唱で召喚魔法を使った。すると、ドラグノフが消えたと思ったら一瞬にして俺の目の前に現れた。
「おお、これは中々慣れるのに時間掛かるかもだな」
「そうか、なら時間がある時は使って慣れる練習でもするか」
「出来たようじゃな……それじゃ、クリフ。本を」
「うん、ありがとう爺ちゃん」
約束通り、爺ちゃんに本を渡すと「早速、読んでくるのじゃ」と言って家の中に入って行った。残された俺とドラグノフはもう少し召喚魔法の練習をする事にした。
「じいちゃん、どうしたの?」
「ああ、いやな儂クリフ達が帰って来てからずっと説教されておったから聞きたい事があったんじゃ」
「聞きたい事? なにっと、はいドラグノフ終わりだよ」
丁度良く、ドラグノフとの勝負に勝った俺は、盤面から爺ちゃんの方を向いた。爺ちゃんは、負けて唸っているドラグノフを横目に「のう、何故ここにドラグノフがおるんじゃ?」と聞いてきた。
「居るのじゃ、って聞かれてもね。ドラグノフとの賭け勝負で勝ってドラグノフの持ってた物とドラグノフ本人を全てを手に入れたからかな?」
「す、全て? ……と言う事は、ドラグノフ。もしや、あの本も渡したのか?」
爺ちゃんは、「全て手に入れた」と言う事に驚き、どうやって負けたのか考察していたドラグノフにそう聞いた。
「ああ、リグルが欲しがって本か? あれなら、別にそんな大した物じゃなかったからな早々に賭け金として出したぞ」
「なん、じゃと……儂があれほど欲しがっていた時は、全く渡さなかったのに」
「人が欲しがっる物をそう易々と渡すわけがないだろう?」
「……のう、クリフ。ドラグノフから貰った本、ちょっとの間だけでも良いから貸して貰えないじゃろうか?」
「本? ……」
爺ちゃんから言われ、アイテムボックスから本を探していると、10戦目位に勝ち取った本を見つけた。タイトルは、【魔法書Ⅰ】と書かれていて見た感じ、結構古い本だった。
「おおッ! それじゃ、それッ! ッ」
俺が出した本に興奮した爺ちゃんは、本を取ろうとしたが俺がヒョイッとかわし本を取れなかった爺ちゃんは床に転んだ。
「な、何をするんじゃクリフ……」
「いや~、これさ爺ちゃんが俺をさ山に置き去りにして手に入れた物でさ苦労はしてないけど、ドラグノフ同様そんな簡単に渡せないよ」
「なっ!」
爺ちゃんは、俺の言葉に驚き「な、何をしたら貸してくれるのじゃ……」と聞いてきた。
「前に使ってた。【召喚魔法】の使い方とか教えて」
「んっ? それなら、前に渡した本に書いてあるじゃろ?」
「うん、でもさやっぱり難しいのって聞きながらした方が良いし、別に減る物じゃないし教えてよ」
「うむ、その位なら直ぐにでも教えてやるぞ」
交換条件が安かった爺ちゃんは、少しホッとしている様だった。その後、ドラグノフと爺ちゃんと一緒に裏庭に降り、スキルポイントを600支払って【召喚魔法】を習得した。
「まず、召喚魔法は1つ前提として召喚する者が必要になる。その前提に必要になるのが、契約魔法なんじゃがそれはもう使っている様じゃな」
「うん」
「それで、次の工程じゃがその契約した者を思い浮かべながら呪文を唱えるのじゃが無詠唱を持っているクリフは、魔法を使うだけでドラグノフを呼び寄せる事が出来る」
「でも、爺ちゃんも無詠唱持ってるのに召喚する時、詠唱してなかった?」
「儂が言ってたのは、言った方がカッコいいと思ってるからじゃ、無いなら別になくて良いぞ」
「そ、そうなの?」
その後、召喚魔法について色々と聞きながら先に爺ちゃんの召喚魔法を見る事になった。
「我が眷属よ。我の召喚に応じよ。出でよ【ファリル】」
「ん~、アレ? クリフちゃん? お久~、ちょっと大きくなった?」
「久しぶり、ファリル。寝てる時に呼んでごめんね」
「いいよ~、別にずっと寝てて暇だったからね。あっ、ご主人様もお久~」
爺ちゃんが呼び出したのは、戦争の時に会ったファリルだった。
「さて、こんな風に契約した相手の事を思いながら召喚すると、この様に召喚する事が出来るのじゃ」
「もし、思い浮かべながら召喚魔法を唱えるとどうなるの?」
「大抵は、失敗するか使ったものに仕えたいと思っている者が出てくる事がある」
「成程、それじゃ最初はドラグノフを思い浮かべながら使ってみるか」
「うむ、我はいつでも良いぞ」
ドラグノフの承認も得た俺は、10m位ドラグノフと離れた位置に行き無詠唱で召喚魔法を使った。すると、ドラグノフが消えたと思ったら一瞬にして俺の目の前に現れた。
「おお、これは中々慣れるのに時間掛かるかもだな」
「そうか、なら時間がある時は使って慣れる練習でもするか」
「出来たようじゃな……それじゃ、クリフ。本を」
「うん、ありがとう爺ちゃん」
約束通り、爺ちゃんに本を渡すと「早速、読んでくるのじゃ」と言って家の中に入って行った。残された俺とドラグノフはもう少し召喚魔法の練習をする事にした。
40
お気に入りに追加
6,383
あなたにおすすめの小説
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
転生先ではゆっくりと生きたい
ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。
事故で死んだ明彦が出会ったのは……
転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた
小説家になろうでも連載中です。
なろうの方が話数が多いです。
https://ncode.syosetu.com/n8964gh/
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる