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第75話
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数日振りに家に帰ってきた俺は、「ただいま」と言って玄関から家の中に入りリビングに向かった。リビングには、母さんと爺ちゃんと婆ちゃんがお茶を飲みながら話をしていた。
「ただいま、母さん、爺ちゃん、婆ちゃん」
「クリフッ! おかえりなさいッ!」
リビングに入り母さん達に「ただいま」と言うと椅子に座っていた母さんがバッと立ち上がり俺の方へダイブして来た。倒れないように俺は、何とか足元を強化魔法で強化したおかげで母さんを受け止め何とか倒れずに済んだ。
「おかえり、クリフよ。どうじゃった、ダンジョンでの生活は?」
「ただいま、爺ちゃん。結構楽しかったかな、アリス達との連携も中々上手くなったし良い修行になったかな」
「そうか、そりゃ良かったのう。次のダンジョンにはもう潜るのか?」
「いや、ちょっとボス部屋で自分達の弱い所が見つかったから暫くは地上とローアンでもうちょっと修行かな」
そう爺ちゃんに言うと、「早く、Aランクに上がって来て欲しいんじゃがな……」と言いながらお茶を飲んだ。
「あっ、そうだ。昔、婆ちゃんに魔法習うって言って結局、習わなかったけど今度時間あったら教えてくれる?」
「ッ! いいわよ。私なら、いつでも時間開いてるからクリフちゃんが良い時に言ってちょうだい」
「ありがとう、婆ちゃん。それじゃ、そろそ母さん離してほしいんだけど」
そう言うと母さんは「ええ、もう。十分クリフエネルギーは回復したから良いわよ」と言って離してくれた。
「えっと、姉さん達は今の時間は学園かな? 父さんは?」
「クリムは、ちょっと用事があるからって言って出かけたわよ」
「そう? なら、良いや。それじゃ、ダンジョンに居る間、風呂に入れなかったから入って来るね」
そう言って俺は、リビングから出て行き風呂場に向かった。来る時、母さんが「一緒に入る?」と言ってきたが丁寧に断って自分で風呂を沸かして湯船に浸かった。
「ふぅ~、やっぱり風呂は良いな聖魔法で綺麗にしてたとは言え暖かいお湯に浸かって寛ぐのは最高だな~」
俺は、頭にタオルを乗せ口元まで湯に浸かりブクブクと浸かりダンジョンの事を思い出していた。
序盤は、連携に少し雑な所があったが中盤辺りからきちんと修正したけどボス部屋での出来事で自分達の事を過大評価しすぎていた事を再確認した。
「チートポイントで異世界転生した筈の俺より、強い人達が周りに居るのに自分を特別だと思ってた自分が恥ずかしいな……」
その後、風呂から上がった俺はダンジョンでは少しだけ役だった。【全耐性(眠り耐性)】なのだが、風呂に入って気持ちよくなった俺に対して急激な睡魔が襲ってきた。爺ちゃん達に「疲れたから、夜まで寝るね」と言って自室に戻り数日振りのフカフカなベッドに横になり数秒も経たずに眠りについた。
★☆★
クリフが家に着き、リサラ達と話をしている時ある所で話し合いが行われていた。
「クリム様、どうしましょう……」
「困ったね。これは、私でも厳しい問題だよ」
話をしている人物、それはクリフの父であるクリムであった。話し相手は、クリムに仕える文官の1人ヴェルト・メンロット、話し合いをしている場所は王宮の一室である。
「まさか、あの山に竜が住んで居るなんてな……」
「はい。もしかしたら、数年前からの魔物が度々山から下りて来ていたのは竜のせいだったのでしょうか?」
「それだったら、数年前から行っている騎士たちの訓練の時に遭遇していてもおかしくないだろう? ……いや、でも最近下位の竜種であるワイバーンが山で定期的に目撃されていたね。もしかすると、ヴェルトの考えが当たってるかもしれない」
文官の言葉を聞き、少し考えたクリムはここ最近竜種の増加を思い出しその説が当たっているかもしれないと考えた。
「でも、そしたら何故竜は街に襲い掛かってこないのかが疑問に思うね」
「はい、私もこの報告書が上がってくるまで竜が住んで居るとは思ってもいませんでしたから」
ヴェルトが持った報告書には、山から一番近い村からの緊急報告書で【山に竜が住んで居ます】と書かれていた。
「……なあ、ヴェルト。私、この報告書を見た時から疑問に思っている事があるんだが言ってもいいかい?」
「はい、なんでしょう?」
「この報告書、何故【竜が住んで居る】って書かれているんだろう。竜が普通居たら【竜を目撃しました】と書くはずだよね」
そうクリムが言うと、ヴェルトは報告書を見て考え出した。
「村人たちは、もしかすると竜の存在を知っていたんでしようか」
「ああ、私もそう考えた。しかし、何故知っていて今になってこんな報告書を出したのかが分からないんだよ」
そうクリムとヴェルトが話し合いをしていると部屋の扉が開き1人の男性が入って来た。
「待たせてすまんな、少し会議が長引いてしまった」
「いえ、レグルス様。お忙しいなかすみません、少し話したい事が……」
そう切り出し、クリムはレグルスに今回の報告書の件を話をした。そして、結果「村人たちが数年間隠した。と言う事は、数年間害を与えなかったと言う事は友好な竜なのかもしれない。そっち方面で話を進めて行こう」という事になった。
そして、この件は後にクリフにも関わって行くことになった。
「ただいま、母さん、爺ちゃん、婆ちゃん」
「クリフッ! おかえりなさいッ!」
リビングに入り母さん達に「ただいま」と言うと椅子に座っていた母さんがバッと立ち上がり俺の方へダイブして来た。倒れないように俺は、何とか足元を強化魔法で強化したおかげで母さんを受け止め何とか倒れずに済んだ。
「おかえり、クリフよ。どうじゃった、ダンジョンでの生活は?」
「ただいま、爺ちゃん。結構楽しかったかな、アリス達との連携も中々上手くなったし良い修行になったかな」
「そうか、そりゃ良かったのう。次のダンジョンにはもう潜るのか?」
「いや、ちょっとボス部屋で自分達の弱い所が見つかったから暫くは地上とローアンでもうちょっと修行かな」
そう爺ちゃんに言うと、「早く、Aランクに上がって来て欲しいんじゃがな……」と言いながらお茶を飲んだ。
「あっ、そうだ。昔、婆ちゃんに魔法習うって言って結局、習わなかったけど今度時間あったら教えてくれる?」
「ッ! いいわよ。私なら、いつでも時間開いてるからクリフちゃんが良い時に言ってちょうだい」
「ありがとう、婆ちゃん。それじゃ、そろそ母さん離してほしいんだけど」
そう言うと母さんは「ええ、もう。十分クリフエネルギーは回復したから良いわよ」と言って離してくれた。
「えっと、姉さん達は今の時間は学園かな? 父さんは?」
「クリムは、ちょっと用事があるからって言って出かけたわよ」
「そう? なら、良いや。それじゃ、ダンジョンに居る間、風呂に入れなかったから入って来るね」
そう言って俺は、リビングから出て行き風呂場に向かった。来る時、母さんが「一緒に入る?」と言ってきたが丁寧に断って自分で風呂を沸かして湯船に浸かった。
「ふぅ~、やっぱり風呂は良いな聖魔法で綺麗にしてたとは言え暖かいお湯に浸かって寛ぐのは最高だな~」
俺は、頭にタオルを乗せ口元まで湯に浸かりブクブクと浸かりダンジョンの事を思い出していた。
序盤は、連携に少し雑な所があったが中盤辺りからきちんと修正したけどボス部屋での出来事で自分達の事を過大評価しすぎていた事を再確認した。
「チートポイントで異世界転生した筈の俺より、強い人達が周りに居るのに自分を特別だと思ってた自分が恥ずかしいな……」
その後、風呂から上がった俺はダンジョンでは少しだけ役だった。【全耐性(眠り耐性)】なのだが、風呂に入って気持ちよくなった俺に対して急激な睡魔が襲ってきた。爺ちゃん達に「疲れたから、夜まで寝るね」と言って自室に戻り数日振りのフカフカなベッドに横になり数秒も経たずに眠りについた。
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「クリム様、どうしましょう……」
「困ったね。これは、私でも厳しい問題だよ」
話をしている人物、それはクリフの父であるクリムであった。話し相手は、クリムに仕える文官の1人ヴェルト・メンロット、話し合いをしている場所は王宮の一室である。
「まさか、あの山に竜が住んで居るなんてな……」
「はい。もしかしたら、数年前からの魔物が度々山から下りて来ていたのは竜のせいだったのでしょうか?」
「それだったら、数年前から行っている騎士たちの訓練の時に遭遇していてもおかしくないだろう? ……いや、でも最近下位の竜種であるワイバーンが山で定期的に目撃されていたね。もしかすると、ヴェルトの考えが当たってるかもしれない」
文官の言葉を聞き、少し考えたクリムはここ最近竜種の増加を思い出しその説が当たっているかもしれないと考えた。
「でも、そしたら何故竜は街に襲い掛かってこないのかが疑問に思うね」
「はい、私もこの報告書が上がってくるまで竜が住んで居るとは思ってもいませんでしたから」
ヴェルトが持った報告書には、山から一番近い村からの緊急報告書で【山に竜が住んで居ます】と書かれていた。
「……なあ、ヴェルト。私、この報告書を見た時から疑問に思っている事があるんだが言ってもいいかい?」
「はい、なんでしょう?」
「この報告書、何故【竜が住んで居る】って書かれているんだろう。竜が普通居たら【竜を目撃しました】と書くはずだよね」
そうクリムが言うと、ヴェルトは報告書を見て考え出した。
「村人たちは、もしかすると竜の存在を知っていたんでしようか」
「ああ、私もそう考えた。しかし、何故知っていて今になってこんな報告書を出したのかが分からないんだよ」
そうクリムとヴェルトが話し合いをしていると部屋の扉が開き1人の男性が入って来た。
「待たせてすまんな、少し会議が長引いてしまった」
「いえ、レグルス様。お忙しいなかすみません、少し話したい事が……」
そう切り出し、クリムはレグルスに今回の報告書の件を話をした。そして、結果「村人たちが数年間隠した。と言う事は、数年間害を与えなかったと言う事は友好な竜なのかもしれない。そっち方面で話を進めて行こう」という事になった。
そして、この件は後にクリフにも関わって行くことになった。
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