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第71話

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 ダンジョンの探索は順調に進み、第19層の休憩ポイントまで来ていた。14層での赤いウルフとの対決以後、それらしき魔物は現れなかった。多分、あれは稀に居るタイプの魔物何だろうな、とアリス達と話をし、一応警戒しつつ探索を進めていた。

「さてと、俺のスキルで今の時刻を確認したんだが外は既に夜になってるみたいだし、今日はここで泊まろうか」

「そうだね。結構潜って来たし、後1層で攻略だから万全の体調で臨みたいし、それでいいよ」

「私も、ちょっと索敵で疲れたのでお休みしたかったので、良いですよ」

「分かった。それじゃ、俺が料理の準備しておくからアリス達はテントの設営頼むね」

 そう言うと、「は~い」と二人は言って俺がアイテムボックスから出したテントを組み立てに行った。俺は、アリス達がテントを組み立てている内に土魔法でテーブルと椅子を作り出し、テーブルの上に今日の晩御飯用として作っておいた。オーク肉の団子スープと一口サイズに切ったサイコロステーキ(オーク肉)を用意し、3人分の皿と箸とスプーン、そして取り皿とお玉をアイテムボックスから出し、3人分のスープを取り分けた。
 スープは、オークの肉の味が他に入れてある野菜にもしみ込んでいて食欲を沸かす味に仕上がっていたので日中動き回ったアリス達なら、直ぐに食べきってしまうんだろうなと思いながら注いだ。


「クリフ君、テント設置して来たよ~」

「お疲れ、アリス、ミケ。料理は、準備したから手拭きで手を拭いたら食べようか」

 アイテムボックスから手拭き用のハンカチをアリスとミケ、そして俺の分を取り出し手を拭き、「いただきます」と言って食べ始めた。
 思っていた通り、アリスとミケはスープを一口飲むと「美味しい~」と言ってものの数秒で注いでいたスープを飲み干し、「おかわり分もちゃんと作ってるよ」と言うと自分達でお玉を使って自分達の更に注いでもう1つのサイコロステーキをパクパクと食べて行った。

「美味しそうに食べて貰えて嬉しいよ」

 俺は小さくそう呟き、自分もお腹が空いているのでアリス達に負けじと料理を自分の胃の中に入れて行った。

 そして、晩御飯を食べた後、見張り役として俺が最初の当番として見張る事になっているのでアリス達は先にテントの中に入って眠った。

「しかし、普通の剣が無いとキツイな……鍛冶って、スキルなのかな?」

 俺は、そんな事を思いステータスを開きスキルの一覧を見る事にした。すると、鍛冶スキルと言う物があった。
 内容は、武具の製造が上手くなり耐熱耐性も能力として付いてくると書いてあった。

「爺ちゃんの本に詳しく載ってないかな?」

 ステータスを閉じ、アイテムボックスから爺ちゃんの本を取り出し【鍛冶】スキルのページを探した。
 探し始めて直ぐに見つけることが出来、内容を確認した。そのページに書かれていたのは、こんな内容だった。

【鍛冶】
・武器・防具を製作する者が絶対に取るスキル
・製作の初期技術を与える
・レベルが上がると製作した武器・防具の品質が上がる
・レベル3になると【職業】に【鍛冶師】が追加される

 と、こんな感じだった。

「この本によると、レベル3以下の鍛冶スキル持ちは【鍛冶師】としては認められてないって感じなのか? まあ、でも取りたいと思っていても今取ったところで材料も道具も無いから、意味ないんだけどな」

 そう言って、俺は【鍛冶】について書かれていたページを閉じた。取るなら、ダンジョンから出て誰か教えてくれそうな人が見つかった時に取ろう。
 その後、昨日途中で読み終わった今読んでいた本とは違う本を取り出し、交代の時間まで読書する事にした。

 交代の時間が来てアリス達が起きて来て俺はアリス達に「見張り宜しく、おやすみ」と言ってテントの中に入って行った。
テントの中に入った俺は、疲労も溜まっていたので直ぐに瞼が閉じグッスリと眠りについた。
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