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第64話
しおりを挟むレインさんの受付に着いた俺達は、レインさんに挨拶をするとレインさんも俺達に挨拶を返してくれた。
「昨日、お持ちして貰いました素材の鑑定が終わっております。今からその素材をお持ちしてもよろしいでしょうか?」
「はい、お願いします」
レインさんは、「分かりました。すみませんが、少しの間お待ちください」と言っていつも通り奥の部屋に消えた。そして、数分後レインさんは大きな箱を他の職員の人一緒に持ってきた。
「クリフ様、この中にゴブリンから取れた魔石が入っております。昨日、ギルドに解体依頼した時のゴブリンの数が234体居ました。その中から魔石持ちのゴブリンは約半数の115匹居りました。ゴブリンの死骸は、他に役立つ事がありませんでしたので言っていた通りギルド側で処理させてもらいました」
「解体と死骸の処理、ありがとうございます。あの、レインさん。因みにこの魔石ってギルドに売るとしたらどの位になりますか?」
「そうですね。その前にクリフ様、魔石の知識はありますでしょうか?」
魔石の知識……そう言えば、俺本とか読み漁ってたけど魔石に関しての本は読んだことが無い。学園でも、まだ初等部には授業として教えられる範囲では無かったし、父さんに昔少しだけランク付されている。としか俺の中での魔石に関しての知識は低かった。
「魔石の知識は、ランクが付けられているとしか無いです」と正直にレインさんに言うと、レインさんは「それでは、魔石の説明をさせて貰いますね」と言い。受付の下から本を取り出した。後ろに立って居たアリス達も近くに呼び一緒にレインさんの話を聞く事にした。
「まず、魔石と言う物は主に【魔物】が体内に形成する物とダンジョンや偶に鉱山にて採掘して手に入れれる物です。魔石は、この様に見た目が宝玉の様にキラキラとしていますが中には魔力が込められていまして、魔具等に使われるものです。また、魔石に魔法を封じ込める事も出来るのですがそれには【付与魔法】のスキルが必要になるのですが、魔石に付与した魔法は」
魔具に使われている。と言うのを聞いてそう言えば、昔、母さん達のプレゼントと一緒に父さんにもプレゼント用として買った物に爺ちゃんが「クリフ、そこの宝玉に付与魔法で魔法が込めれるぞ」と教えて貰ったのを思い出した。あの時は、爺ちゃんただ魔法が込められるとしか言わなかったけど、もしかしてあの時のアクセサリーには魔石が付いていたのかもしれない。
「ここまでは、魔石に取得・運用法の説明です。ここからは、魔石についての説明になります。魔石は、下級・中級・上級の三段階で分けられております。下級の魔石には、ゴブリンやウルフなどの低級依頼でも討伐できる様な魔物が形成しております。中級や上級になると上位の魔物達、ドラゴンや魔物の中でも王に就いている者が体内に形成します。また、この王都の中にありますダンジョンの中の最難関のダンジョンでは、中級や上級の魔石が取れますがそれ相応に危険度がありますので中に入れる者は限られております」
レインさんはそう言い切った後、「他に何か質問がありますか?」と俺達に問いかけたが、俺もアリス達も質問は無かったので「また、分からなくなった時はお聞きください。その時は、またご説明しますので」と笑顔で言われた。
魔石の説明を聞き、今の俺達には必要そうじゃないのでアリス達に「売っても良いか?」と聞くと「良いよ」と返って来たので俺はレインさんに向き直り、魔石を売りますと言った。
「はい、分かりました。それでは、合計115個の下級魔石なので銀貨5枚と銅貨75枚になります」
レインさんから告げられた金額に俺は直ぐに計算すると下級魔石1個=5銅貨の計算になった。意外と値段が高い事に少し驚いたが、それ以上に「売ります」と告げた瞬間受付の下から小袋を出したレインさんに驚いた。レインさんは、俺と目が合うとニコッと笑い「売るかなと思っておりましたので用意しておりました」と言われた。
その後、魔石の売ったお金を貰った俺達は3人で割るにはちょっと微妙な値段だったし、今回はアリス達が頑張っていたから俺が銀貨1枚と銅貨75枚を貰いアリス達に2枚ずつ銀貨を渡した。
「ク、クリフ君? 僕達のが多く貰って良いの?!」
「そ、そうですよ。素材も途中の昼食もクリフ君が用意してくれたのにクリフ君がお金が少ないのは、おかしいですよ」
「いや、今回はアリス達が活躍したし、今回の俺のやった事はほぼサポーター見たいな物だったしこれで良いんだよ」
そう言いきってアリス達に銀貨を渡した俺は、今日はちょっとやりたい事があるから2人に「今日は、休みにして良いか?」と聞くと了承してくれたので、また明日なと言って俺はアリス達と別れた。
そして、そのままの足で俺は目的地がある商業区に向かった。
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