前世ポイントッ! ~転生して楽しく異世界生活~

霜月雹花

文字の大きさ
上 下
46 / 192

第46話

しおりを挟む
次の日の朝、メイドさんに起こされる前に起きた。

「って、結局俺何もしないで眠っちまった。考えこどしてるだけで眠るって……ほんと、この世界に転生して一番役に立ってないのって【睡眠耐性】な気がする」

 そんな事を思いながら、まだ朝食前出し昨日の続きをしようと思い。ベッドから起き上がり椅子に座りステータスを開いた。

「んっ? なんか、加護増えてない?」

 ステータスを確認しようと思い上から眺めていると加護の欄に新しく、【妖精王の加護】と言う物が付いていた。

「えっと、俺妖精とか見た事ないのに何で妖精王の加護とか付いてんの? ってか、俺なんでこう神様とかの加護知らない内に取得してるけどどうなってるんだ?」

 俺は少し驚きながら、一応加護の内容を見てみようと思い。妖精王の加護を確認した。

【妖精王の加護】
妖精王【アーリン】の加護、名の通り妖精の王
【加護の能力】
・妖精との交友関係が深まりやすくなる。
・妖精王に謁見する権利が与えられる。
・妖精魔法を疑似的に使用する事が出来る。

「……えっと、これまで見た中で一番意味が分からない。まず、妖精ってこの世界に居るの?」

 加護の内容を見て、一層意味が分からなくなり混乱していた。すると、部屋の扉をノックされ爺ちゃんが部屋に入って来た。

「どうしたんじゃ、クリフ? 部屋の外まで唸り声が聞こえていたぞ?」

「いや、ちょっと意味が分からない事が起こってさ……そうだ! 爺ちゃん、爺ちゃんって妖精見た事ある?」

「妖精? 見た事はあるが、契約はしてないのう。それが、どうしたんじゃ?」

「いやさ、朝起きたら何故か【妖精王の加護】を貰ってたんだよ」

 そう言うと、爺ちゃんは「【妖精王の加護】?!」と驚いてた。

「ど、どうしたの? 爺ちゃんが驚くって珍しいね」

「いや、クリフ。流石の儂でも、それは驚くわい……」

 爺ちゃんは、「ふ~」と一息つき妖精の事を話してくれた。しかし、妖精は未だに未知の事が多いらしく今分かっているのは、魔法の属性の種類と同じ種類の妖精が居る事くらいらしい。

「クリフ。妖精と契約をもししたらでいいんじゃが、儂にも一度見せて欲しいのじゃが」

「うん、その時は爺ちゃんにも見せるよ」

「ほんとか?! 絶対じゃぞッ!」

 興奮した爺ちゃんは、俺の肩を掴み目をカッと開けてそう叫んだ。「わ、分かったから、肩掴むの止めて!」と叫ぶと、爺ちゃんは「す、すまん」と言って離してくれた。

「ちと、興奮してしもうた。すまん、クリフ」

「いや、いいよ。まあ、妖精に出会えたら爺ちゃんに報告するよ。ってか、そう言えば爺ちゃん何で俺の部屋の前通ったの?」

「あっ! そうじゃったわい、もう朝食の準備が出来てるから呼びに来たんじゃ」

「ちょっ! 母さんは、時間守らないと怒るんだから先に言ってよ!」

 俺は、急いで部屋から爺ちゃんと出て走ってリビングへと向かった。ギリギリで母さんの怒りラインは超えてなかったようで席に着き朝食を食べた。その後、今日もアリスと待ち合わせしてるからと言って家を出て行き待ち合わせ場所へと向かった。

「今日は、アリスのが早かったか」

「えへへ、昨日はクリフ君より遅かったからね。父さんが僕より起きる前から準備して、早めに家を出て来たんだ」

「それじゃ、結構待ったんじゃないのか?」

「ううん、ここに来る前に雑貨屋さんで品物見てたから、僕もついさっき来たばかりなんだ」

「そうなのか、んじゃ今日も冒険者活動頑張ろうか」

「うん、頑張ろう!」

 そう言って、俺達はギルドへと向かった。ギルドの中に入ると、いつもより早めに着たせいで依頼争奪戦争がやってる最中に来てしまった。俺達は、まだEランクなので討伐依頼も常設の物しか受けれないし、今日は少し王都周りの探索を兼ねて採取系の依頼にしようと昨日の内に決めていたのでギルドの端の休憩スペースで落ち着くのを待った。

 待つ事十数分、依頼争奪戦争に勝った冒険者の人達はパーティーメンバーと共にギルドから出て行き、負けた人達は残った依頼を眺めたり、ギルドの中にある酒場で朝から酒を飲みだしていた。そんな中、俺達は依頼ボードの所へ行き採取系で常設では無い物が無いか確認する事にした。

「えっと……うん、やっぱ採取系は【薬草採取】しか無いみたいだな、アリスどうする?」

「う~ん、昨日決めた通り探索も含めて薬草採取に行こう」

 アリスの返答を聞き、「オーケー、んじゃ出発するか」と言って依頼ボードから離れギルドから出て行こうとした。

「あ、あの!」

「んっ? なんだ?」

「どうしたの~?」

 ギルドから出て行こうとすると、後ろから声を掛けられた俺達は、後ろを振り向くとそこには、頭にはピンっと立っている猫耳とちょろちょろと動いている尻尾を生やした女の子が立って居た。

「あの! よ、よければで良いのですが、私も一緒に行かせてもらえないでしようか」

 そう言って、その子は俺達に頭を下げて来た。

「えっと、すまんがまず最初に俺達、初めてだよな? 自己紹介をしてくれないか?」

「あっ、す、すみません! 私、ミケ・シキットと言います。見た目通り、猫族の獣人です」

 自己紹介をしてくれと頼むと女の子は勢いよく、言ってくれた。一応、俺達も自分の名前と軽い自己紹介をした。

「それでミケさんは、何で俺達に着いて来たいんですか?」

「その、私もクリフ君達が冒険者登録した日に登録したんですが、1人じゃ難しいなと思い。パーティーメンバーを募集してる所を探したんですが、何処も募集してなくて、私が募集しようにもまだ冒険者なりたての所に来てくれるような人が居なくて……」

「それなら、一緒の日に登録した俺達に、って事ですか?」

「はい」

 俺の言葉に返事をしたミケさんは、続けて「お願いします」と言って頭を下げた。俺は、アリスの方を見ると、アリスは頷いていたのでメンバーになる事を了承した。

「あ、有難うございます!」

「いえ、俺達も初心者ですし、初心者同士頑張りましょう」

「僕も、女の子のメンバーが増えて嬉しいよ。よろしくねミケちゃん」

「はい、よろしくお願いします。クリフ君、アリスちゃん」

 その後、一旦受付の所に寄りミケのパーティー登録をした。すると、レインさんから3人からだとパーティーのリーダーを決めないといけませんが、誰にしますか? と聞かれ、アリスが「クリフ君で良いんじゃない?」と言い、ミケもそれに乗っかり俺がパーティーリーダーになる事になった。
 そして、俺達はギルドから出て行きある程度離れた所で、薬草採取を始めた。
しおりを挟む
感想 192

あなたにおすすめの小説

公爵家三男に転生しましたが・・・

キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが… 色々と本当に色々とありまして・・・ 転生しました。 前世は女性でしたが異世界では男! 記憶持ち葛藤をご覧下さい。 作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?

たまご
ファンタジー
 アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。  最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。  だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。  女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。  猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!! 「私はスローライフ希望なんですけど……」  この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。  表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜

青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ 孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。 そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。 これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。 小説家になろう様からの転載です!

転生先ではゆっくりと生きたい

ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。 事故で死んだ明彦が出会ったのは…… 転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた 小説家になろうでも連載中です。 なろうの方が話数が多いです。 https://ncode.syosetu.com/n8964gh/

処理中です...