44 / 192
第44話
しおりを挟む
買い食いをしながら家に帰ると裏庭で父さんが、剣の稽古をしていたので「俺も混ぜて」と言って参加する事にした。稽古の時、今日の事を父さんに話をすると「ガルフさんの店に?!」と驚かれた。
「うん、母さんの話聞いたよ。100本以上、杖を壊したって」
「ああ、あの時は凄かったよ。最初の杖の方は、リサラが杖を持った瞬間「ポキッ」と音と共に折れて、それを見たガルフさんが口を開けて言葉を発しようにも驚き過ぎて固まっていたんだ。私もその時は、持った瞬間に何で壊れたんだ? って言う感じで、ガルフさんと一緒に驚いたのを覚えてるよ」
「やっぱ、母さんって魔力高いの?」
「そうだね。魔力数値だけだったら、多分この国に居る人の中で二番目だと思うよ。一番は、当然の如く義父さんだけど、確か一度だけリサラの魔力が義父さんより高くなった時があって、その時、義父さんも驚いてそれから半年くらいダンジョンに潜ってた時があったんだよ」
父さんの話を聞いて、あの戦闘狂の爺ちゃんより魔力が高くなったって母さんも相当な人なんだろうな……
というか本当に、この世界に生まれて「チートだヒャッホー!」という感情になった事が無いな、こんなチートな家族が揃ってる所だったら俺のチートなんて霞んでしまうしな……
「どうしたんだい。クリフ?」
「いや、何でも無いよ。ただ、家の家族が強すぎて驚いているだけ」
そう言うと、父さんは「クリフは、まだ8歳になったばかりなんだから、これからだよ。ハーフエルフだけど、エルフの魔法の適応力は受け継いでいるんだし、何より転生者っていう特権も持ってるじゃないか」と励まされた。
その後、暫く父さんと稽古をしているとクールベルト家の使用人から「昼食の準備が出来ました」と知らせに来てくれたので俺達は、稽古道具をアイテムボックスの中に入れて家へと入って行った。昼食を食べた後、少し体が汗でベタベタしてて気持ち悪かったので風呂に入る事にした。
「……冒険者にもなったし、これからはレベル上げもしていかないと今のままじゃ、強い相手が現れたら対処できないから、なるべく早く最低でも全部の能力値が1万を超すようにしないとな」
俺は、湯船に浸かりそんな事を考えていた。この世界に転生して来て、まだ8年、だがその8年の内にこの世界の大抵の情報は手に入れた。歴史本や魔法に関する書物を幼少期から読み漁り、読んだ分の知識は【記憶の書庫】にインプットされていて、いつでも読み直しも出来る。
「まあ、流石にこれをテスト中に使う事は出来なかったけど、何処でも暗い所でも頭の中で見たりとかも出来たから便利な魔法には変わりなかったな」
学園のテスト中は、カンニング行為が出来ないように魔法の探知魔法を数人の先生が交代で使って見張っているのでスキルを使おうとしたら先生が飛んで来る。
「さてと、そろそろ上がるか父さんも入らないと汗でベタベタで仕事に精が出ないだろうしな」
そう思い、風呂から出た俺はタオルで体を拭きながら頭を風魔法で乾かし、着替えとして持って来ていた服を着て、父さんの部屋へと向かった。
「父さん、風呂空いたから入ってきたら?」
「んっ? ありがとう。ちょっと、この仕事が終わったら行くよ」
父さんの声は、資料のタワーが出来た机の奥からした。
「大丈夫なの、そんなに仕事溜めて」
「あはは、そうなんだよね。最近、領民から色々と問題が発生しているって報告が来て、それの見直しとかがあって溜まってしまってね」
「手伝おうか? 一応、前世の記憶とそれ以外の知識持ってるから、何か役に立つかもしれないし」
「それなら、そっちの机に置いてあるのをどうにかして欲しいかな」
父さんが奥から手を出して刺した方向は、木箱の中に紙が大量に入っていた。俺は、「ふ~」と少し息を吐き、「やるか」と呟きその木箱から紙を出して仕事にとりかかった。
これでも、貴族としていられるのは領民の人達のおかげでもあるしなるべく力にはなってやらないとな、と思いながら紙を1つ1つ取り問題を1つの紙に纏め上げていった。纏めて行くうえでいくつか同じ問題を抱えている場所があった。
「父さん、問題で一番多かったのは魔物が山から下りて来て畑を荒らしているってのがあるみたい」
「ああ、そうか。もうそんな時期だったか、分かった。兵士を配属しておくよ。他に特に多かったのはあったかい?」
「えっと、次に多いのは、この間の大雨で民家が壊れた所の村が何個かあるみたい」
「分かった。それも、こっちで大工を派遣しておくよ。他には?」
「他は、大体が服の催促とかだから、行商人がそこを通ってもらうしかないから大丈夫かな?」
「一応ね商業ギルドの方に連絡しておくよ。ありがとう、クリフ。後は、父さんがやっておくよ」
父さんから礼を言われた後、俺は「また、何か手伝えることがあったら言ってよ」と言って部屋を出て行き、自分の部屋に戻り途中まで読んでいた本の続きを読むことにした。
「うん、母さんの話聞いたよ。100本以上、杖を壊したって」
「ああ、あの時は凄かったよ。最初の杖の方は、リサラが杖を持った瞬間「ポキッ」と音と共に折れて、それを見たガルフさんが口を開けて言葉を発しようにも驚き過ぎて固まっていたんだ。私もその時は、持った瞬間に何で壊れたんだ? って言う感じで、ガルフさんと一緒に驚いたのを覚えてるよ」
「やっぱ、母さんって魔力高いの?」
「そうだね。魔力数値だけだったら、多分この国に居る人の中で二番目だと思うよ。一番は、当然の如く義父さんだけど、確か一度だけリサラの魔力が義父さんより高くなった時があって、その時、義父さんも驚いてそれから半年くらいダンジョンに潜ってた時があったんだよ」
父さんの話を聞いて、あの戦闘狂の爺ちゃんより魔力が高くなったって母さんも相当な人なんだろうな……
というか本当に、この世界に生まれて「チートだヒャッホー!」という感情になった事が無いな、こんなチートな家族が揃ってる所だったら俺のチートなんて霞んでしまうしな……
「どうしたんだい。クリフ?」
「いや、何でも無いよ。ただ、家の家族が強すぎて驚いているだけ」
そう言うと、父さんは「クリフは、まだ8歳になったばかりなんだから、これからだよ。ハーフエルフだけど、エルフの魔法の適応力は受け継いでいるんだし、何より転生者っていう特権も持ってるじゃないか」と励まされた。
その後、暫く父さんと稽古をしているとクールベルト家の使用人から「昼食の準備が出来ました」と知らせに来てくれたので俺達は、稽古道具をアイテムボックスの中に入れて家へと入って行った。昼食を食べた後、少し体が汗でベタベタしてて気持ち悪かったので風呂に入る事にした。
「……冒険者にもなったし、これからはレベル上げもしていかないと今のままじゃ、強い相手が現れたら対処できないから、なるべく早く最低でも全部の能力値が1万を超すようにしないとな」
俺は、湯船に浸かりそんな事を考えていた。この世界に転生して来て、まだ8年、だがその8年の内にこの世界の大抵の情報は手に入れた。歴史本や魔法に関する書物を幼少期から読み漁り、読んだ分の知識は【記憶の書庫】にインプットされていて、いつでも読み直しも出来る。
「まあ、流石にこれをテスト中に使う事は出来なかったけど、何処でも暗い所でも頭の中で見たりとかも出来たから便利な魔法には変わりなかったな」
学園のテスト中は、カンニング行為が出来ないように魔法の探知魔法を数人の先生が交代で使って見張っているのでスキルを使おうとしたら先生が飛んで来る。
「さてと、そろそろ上がるか父さんも入らないと汗でベタベタで仕事に精が出ないだろうしな」
そう思い、風呂から出た俺はタオルで体を拭きながら頭を風魔法で乾かし、着替えとして持って来ていた服を着て、父さんの部屋へと向かった。
「父さん、風呂空いたから入ってきたら?」
「んっ? ありがとう。ちょっと、この仕事が終わったら行くよ」
父さんの声は、資料のタワーが出来た机の奥からした。
「大丈夫なの、そんなに仕事溜めて」
「あはは、そうなんだよね。最近、領民から色々と問題が発生しているって報告が来て、それの見直しとかがあって溜まってしまってね」
「手伝おうか? 一応、前世の記憶とそれ以外の知識持ってるから、何か役に立つかもしれないし」
「それなら、そっちの机に置いてあるのをどうにかして欲しいかな」
父さんが奥から手を出して刺した方向は、木箱の中に紙が大量に入っていた。俺は、「ふ~」と少し息を吐き、「やるか」と呟きその木箱から紙を出して仕事にとりかかった。
これでも、貴族としていられるのは領民の人達のおかげでもあるしなるべく力にはなってやらないとな、と思いながら紙を1つ1つ取り問題を1つの紙に纏め上げていった。纏めて行くうえでいくつか同じ問題を抱えている場所があった。
「父さん、問題で一番多かったのは魔物が山から下りて来て畑を荒らしているってのがあるみたい」
「ああ、そうか。もうそんな時期だったか、分かった。兵士を配属しておくよ。他に特に多かったのはあったかい?」
「えっと、次に多いのは、この間の大雨で民家が壊れた所の村が何個かあるみたい」
「分かった。それも、こっちで大工を派遣しておくよ。他には?」
「他は、大体が服の催促とかだから、行商人がそこを通ってもらうしかないから大丈夫かな?」
「一応ね商業ギルドの方に連絡しておくよ。ありがとう、クリフ。後は、父さんがやっておくよ」
父さんから礼を言われた後、俺は「また、何か手伝えることがあったら言ってよ」と言って部屋を出て行き、自分の部屋に戻り途中まで読んでいた本の続きを読むことにした。
101
お気に入りに追加
6,402
あなたにおすすめの小説

公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

転生先ではゆっくりと生きたい
ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。
事故で死んだ明彦が出会ったのは……
転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた
小説家になろうでも連載中です。
なろうの方が話数が多いです。
https://ncode.syosetu.com/n8964gh/

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡
サクラ近衛将監
ファンタジー
女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。
シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。
シルヴィの将来や如何に?
毎週木曜日午後10時に投稿予定です。

いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる