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第44話
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買い食いをしながら家に帰ると裏庭で父さんが、剣の稽古をしていたので「俺も混ぜて」と言って参加する事にした。稽古の時、今日の事を父さんに話をすると「ガルフさんの店に?!」と驚かれた。
「うん、母さんの話聞いたよ。100本以上、杖を壊したって」
「ああ、あの時は凄かったよ。最初の杖の方は、リサラが杖を持った瞬間「ポキッ」と音と共に折れて、それを見たガルフさんが口を開けて言葉を発しようにも驚き過ぎて固まっていたんだ。私もその時は、持った瞬間に何で壊れたんだ? って言う感じで、ガルフさんと一緒に驚いたのを覚えてるよ」
「やっぱ、母さんって魔力高いの?」
「そうだね。魔力数値だけだったら、多分この国に居る人の中で二番目だと思うよ。一番は、当然の如く義父さんだけど、確か一度だけリサラの魔力が義父さんより高くなった時があって、その時、義父さんも驚いてそれから半年くらいダンジョンに潜ってた時があったんだよ」
父さんの話を聞いて、あの戦闘狂の爺ちゃんより魔力が高くなったって母さんも相当な人なんだろうな……
というか本当に、この世界に生まれて「チートだヒャッホー!」という感情になった事が無いな、こんなチートな家族が揃ってる所だったら俺のチートなんて霞んでしまうしな……
「どうしたんだい。クリフ?」
「いや、何でも無いよ。ただ、家の家族が強すぎて驚いているだけ」
そう言うと、父さんは「クリフは、まだ8歳になったばかりなんだから、これからだよ。ハーフエルフだけど、エルフの魔法の適応力は受け継いでいるんだし、何より転生者っていう特権も持ってるじゃないか」と励まされた。
その後、暫く父さんと稽古をしているとクールベルト家の使用人から「昼食の準備が出来ました」と知らせに来てくれたので俺達は、稽古道具をアイテムボックスの中に入れて家へと入って行った。昼食を食べた後、少し体が汗でベタベタしてて気持ち悪かったので風呂に入る事にした。
「……冒険者にもなったし、これからはレベル上げもしていかないと今のままじゃ、強い相手が現れたら対処できないから、なるべく早く最低でも全部の能力値が1万を超すようにしないとな」
俺は、湯船に浸かりそんな事を考えていた。この世界に転生して来て、まだ8年、だがその8年の内にこの世界の大抵の情報は手に入れた。歴史本や魔法に関する書物を幼少期から読み漁り、読んだ分の知識は【記憶の書庫】にインプットされていて、いつでも読み直しも出来る。
「まあ、流石にこれをテスト中に使う事は出来なかったけど、何処でも暗い所でも頭の中で見たりとかも出来たから便利な魔法には変わりなかったな」
学園のテスト中は、カンニング行為が出来ないように魔法の探知魔法を数人の先生が交代で使って見張っているのでスキルを使おうとしたら先生が飛んで来る。
「さてと、そろそろ上がるか父さんも入らないと汗でベタベタで仕事に精が出ないだろうしな」
そう思い、風呂から出た俺はタオルで体を拭きながら頭を風魔法で乾かし、着替えとして持って来ていた服を着て、父さんの部屋へと向かった。
「父さん、風呂空いたから入ってきたら?」
「んっ? ありがとう。ちょっと、この仕事が終わったら行くよ」
父さんの声は、資料のタワーが出来た机の奥からした。
「大丈夫なの、そんなに仕事溜めて」
「あはは、そうなんだよね。最近、領民から色々と問題が発生しているって報告が来て、それの見直しとかがあって溜まってしまってね」
「手伝おうか? 一応、前世の記憶とそれ以外の知識持ってるから、何か役に立つかもしれないし」
「それなら、そっちの机に置いてあるのをどうにかして欲しいかな」
父さんが奥から手を出して刺した方向は、木箱の中に紙が大量に入っていた。俺は、「ふ~」と少し息を吐き、「やるか」と呟きその木箱から紙を出して仕事にとりかかった。
これでも、貴族としていられるのは領民の人達のおかげでもあるしなるべく力にはなってやらないとな、と思いながら紙を1つ1つ取り問題を1つの紙に纏め上げていった。纏めて行くうえでいくつか同じ問題を抱えている場所があった。
「父さん、問題で一番多かったのは魔物が山から下りて来て畑を荒らしているってのがあるみたい」
「ああ、そうか。もうそんな時期だったか、分かった。兵士を配属しておくよ。他に特に多かったのはあったかい?」
「えっと、次に多いのは、この間の大雨で民家が壊れた所の村が何個かあるみたい」
「分かった。それも、こっちで大工を派遣しておくよ。他には?」
「他は、大体が服の催促とかだから、行商人がそこを通ってもらうしかないから大丈夫かな?」
「一応ね商業ギルドの方に連絡しておくよ。ありがとう、クリフ。後は、父さんがやっておくよ」
父さんから礼を言われた後、俺は「また、何か手伝えることがあったら言ってよ」と言って部屋を出て行き、自分の部屋に戻り途中まで読んでいた本の続きを読むことにした。
「うん、母さんの話聞いたよ。100本以上、杖を壊したって」
「ああ、あの時は凄かったよ。最初の杖の方は、リサラが杖を持った瞬間「ポキッ」と音と共に折れて、それを見たガルフさんが口を開けて言葉を発しようにも驚き過ぎて固まっていたんだ。私もその時は、持った瞬間に何で壊れたんだ? って言う感じで、ガルフさんと一緒に驚いたのを覚えてるよ」
「やっぱ、母さんって魔力高いの?」
「そうだね。魔力数値だけだったら、多分この国に居る人の中で二番目だと思うよ。一番は、当然の如く義父さんだけど、確か一度だけリサラの魔力が義父さんより高くなった時があって、その時、義父さんも驚いてそれから半年くらいダンジョンに潜ってた時があったんだよ」
父さんの話を聞いて、あの戦闘狂の爺ちゃんより魔力が高くなったって母さんも相当な人なんだろうな……
というか本当に、この世界に生まれて「チートだヒャッホー!」という感情になった事が無いな、こんなチートな家族が揃ってる所だったら俺のチートなんて霞んでしまうしな……
「どうしたんだい。クリフ?」
「いや、何でも無いよ。ただ、家の家族が強すぎて驚いているだけ」
そう言うと、父さんは「クリフは、まだ8歳になったばかりなんだから、これからだよ。ハーフエルフだけど、エルフの魔法の適応力は受け継いでいるんだし、何より転生者っていう特権も持ってるじゃないか」と励まされた。
その後、暫く父さんと稽古をしているとクールベルト家の使用人から「昼食の準備が出来ました」と知らせに来てくれたので俺達は、稽古道具をアイテムボックスの中に入れて家へと入って行った。昼食を食べた後、少し体が汗でベタベタしてて気持ち悪かったので風呂に入る事にした。
「……冒険者にもなったし、これからはレベル上げもしていかないと今のままじゃ、強い相手が現れたら対処できないから、なるべく早く最低でも全部の能力値が1万を超すようにしないとな」
俺は、湯船に浸かりそんな事を考えていた。この世界に転生して来て、まだ8年、だがその8年の内にこの世界の大抵の情報は手に入れた。歴史本や魔法に関する書物を幼少期から読み漁り、読んだ分の知識は【記憶の書庫】にインプットされていて、いつでも読み直しも出来る。
「まあ、流石にこれをテスト中に使う事は出来なかったけど、何処でも暗い所でも頭の中で見たりとかも出来たから便利な魔法には変わりなかったな」
学園のテスト中は、カンニング行為が出来ないように魔法の探知魔法を数人の先生が交代で使って見張っているのでスキルを使おうとしたら先生が飛んで来る。
「さてと、そろそろ上がるか父さんも入らないと汗でベタベタで仕事に精が出ないだろうしな」
そう思い、風呂から出た俺はタオルで体を拭きながら頭を風魔法で乾かし、着替えとして持って来ていた服を着て、父さんの部屋へと向かった。
「父さん、風呂空いたから入ってきたら?」
「んっ? ありがとう。ちょっと、この仕事が終わったら行くよ」
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「大丈夫なの、そんなに仕事溜めて」
「あはは、そうなんだよね。最近、領民から色々と問題が発生しているって報告が来て、それの見直しとかがあって溜まってしまってね」
「手伝おうか? 一応、前世の記憶とそれ以外の知識持ってるから、何か役に立つかもしれないし」
「それなら、そっちの机に置いてあるのをどうにかして欲しいかな」
父さんが奥から手を出して刺した方向は、木箱の中に紙が大量に入っていた。俺は、「ふ~」と少し息を吐き、「やるか」と呟きその木箱から紙を出して仕事にとりかかった。
これでも、貴族としていられるのは領民の人達のおかげでもあるしなるべく力にはなってやらないとな、と思いながら紙を1つ1つ取り問題を1つの紙に纏め上げていった。纏めて行くうえでいくつか同じ問題を抱えている場所があった。
「父さん、問題で一番多かったのは魔物が山から下りて来て畑を荒らしているってのがあるみたい」
「ああ、そうか。もうそんな時期だったか、分かった。兵士を配属しておくよ。他に特に多かったのはあったかい?」
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「分かった。それも、こっちで大工を派遣しておくよ。他には?」
「他は、大体が服の催促とかだから、行商人がそこを通ってもらうしかないから大丈夫かな?」
「一応ね商業ギルドの方に連絡しておくよ。ありがとう、クリフ。後は、父さんがやっておくよ」
父さんから礼を言われた後、俺は「また、何か手伝えることがあったら言ってよ」と言って部屋を出て行き、自分の部屋に戻り途中まで読んでいた本の続きを読むことにした。
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