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第31話
しおりを挟む聖属性へと進化した魔法の効き目は、直ぐに効果を現した。婆ちゃんが、回復魔法を使っている時は、凄く苦しそうだった父さんも、今は「す~す~」と寝息たてながら眠っている。
「良かった。成功したみたいだ……」
「……これは、凄いな、母より強力な属性魔法を使うとは、流石は転生者だな」
父さんが苦しそうな姿から回復した姿を見て、リヒトさんは、俺を見て驚いていた。
「クリフ、よくやったぞ!」
「うん、爺ちゃん。でも、流石にちょっと疲れたかな、このままあの場所に戻ったら俺、倒れそう」
「ふむ、ならば館の方へ送ろう。父よ、母やリサラには最もらしい言い訳をしておいてくださいね」
「あっ、ちょっと待つのじゃ、儂じゃあ奴等を説得は……」
何か爺ちゃんが言い終わる前に、爺ちゃんは結界の中から放りだされ、魔法が少し流れたと思ったら、いつの間にか王都の家のリビングに俺は居た。
「こ、これは?」
「これは、私の結界術の1つ【転移結界】という物だよ。日に何度も使用する事は、出来ないけど結界内の物・者を転移したい所へ一瞬で転移する結界魔法だよ」
「転移魔法とは、また別なんですか?」
「そうだね。転移魔法は、【身に着けている物・転移させたい者】に魔法を使うけど、転移結界は中の物をそのまま転移する魔法、似てはいるけど少し違うってだけだよ」
俺の質問にそう答えてくれたリヒトさんは、「クリム君を寝室まで運ぶの手伝ってくれるかい? 私より、身体能力は君のが上の様だし」と言われ、リヒトさんは父さんの頭を俺は足を持って寝室へと移動し、ベッドの上に寝かせた。
その後、俺達はリビングに戻って来てソファに座って、一息ついた所で先程、リヒトさんが俺の事を「転生者」と言った事を聞いた。
「まあ、そうだね。実際の所、初めて会った時、王達と話してた時は気が付かなかったけど、私にも父さんとは違って色々とそう言った物を調べる能力は持ってるから、この一カ月近くを使って、君の事を色々と調べたんだよ」
「……それって、誰でも使える物なんですか?」
「いや、違うよ。父の様に進化した【目】を持つ人が少ない様に、他人の素性を調べる魔法は、殆どないんだよ。私の持つ、調べる魔法も研究している時に偶然出来た物なだけあって、他の人にそれを教えれるのか? と聞かれたら、まず無理だと言う。これは、私だけの魔法と言ってもいいくらいの代物だから、安心していいよ」
それを聞いて、確か前にスキルを調べてた時にそういった他人を見るスキルがあったけど、ポイントが1つ1つ高かったから、余り転生者だとはバレる危険性は低いかもしれないけど、念の為に偽装のレベルも上げるか考えておかないといけないな……
「さてと、父は上手く誤魔化せたかな」
「リヒトさんは、爺ちゃんがあの母さん達を誤魔化せると思っているの?」
「無理だね。まあ、最悪、私の力で呪いを消し去ったとでも言うよ。母や、リサラは私の力を知ってるからね。他人に見せていいものでもないから、転移させたとも思わせれるから」
その後、案の定、説得が失敗した爺ちゃんが母さん達と共に家に帰って来て、リヒトさんは、先程行ってたように「私の力で、クリム君の呪いを解いたよ」と母さん達に言うとその言葉を信じて、寝ている父さんの部屋へと行った。リビングに残ったのは、俺、爺ちゃん、リヒトさんで爺ちゃんはリヒトさんに恨みがましそうに睨んでいた。
「最初から、そう言えばあ奴等も、あそこまで儂を責めなかったんじゃないか?」
「は? 私は、ただ父が痛い目に遭えば良かっただけですから、元々言うつもりでしたよ」
爺ちゃんの言葉にそう返したリヒトさんに対し、爺ちゃんは「息子に、嫌われ過ぎじゃ……」と落ち込んでいた。
「当り前ですよ。寝ている私に、無理矢理、継承の儀式をし起ると父も母も既に旅立った後、何も聞かされてない私に皆の者が1から説明してくれました。本当に、あの時は父よ殺意が湧きましたよ。禁忌の魔法として封じた1つの魔法を使おうと思いましたよ」
「ッ! そ、それだけは止めてくれ!」
「ええ、流石に実の親の頭の上が寂しくなるのは、私も気が引けましたからね」
「リヒトさん、その魔法ってどんなの、何ですか?」
そう聞くと、「それはね、人間族で言うと大体30年から40年生まれて立つと過半数の者が自然と起きる現象を発動させる。危険性は、殆どないけど、その後の余生に多大なるダメージを与える魔法だよ」と教えられた。
その後、父さんの安否を確認した母さん達が戻って来て、リヒトさんにお礼をし、今日はそのままリヒトさんが家に泊って行くことになった。
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