前世ポイントッ! ~転生して楽しく異世界生活~

霜月雹花

文字の大きさ
上 下
5 / 192

第5話

しおりを挟む
 爺さんはその後「もう、良いのじゃ先にやってしまったのは儂じゃ」と今度は完全に開き直って次の工程に移る事にした。

「うむ、次の工程なんじゃが【レベル】は向こうの世界で魔物や強敵と戦い経験値を得て上がって行く物じゃから今ここで変更する事は出来ないのじゃ」

「そうですか、分かりました。それじゃ、その次の能力値振り分けですかね?」

「そうじゃ、と言いたいのじゃがスキルか能力値かどっちでもよいのじゃよ。能力値に多めに振ってしまってスキルの方で取りたいスキルが取れないとなるともうどうしようもないしのう」

「成程、なら先にスキルを選ぶ事にします」

「うむ、やり方は今までと同じじゃから」

 爺さんにそう言われ俺は【スキル】と書かれている所をタップした。すると、今までとは比べ物に成らない程の膨大な数の文字が画面いっぱいに表示されていた。

「うわぁ、絶対今迄の転生者の人はここで時間を食ったんだろうな…」

 俺はそう愚痴を言いながらスキルを選ぶ事にした。まず重要な主軸のスキルとして【鑑定・アイテムボックス】は絶対に必要になるスキルだ。この2つは1つ1000Pと安いのか高いのか既に麻痺している俺の感覚を少し怖くなりながらも2000Pを支払い2つのスキルを取る事にした。
 次に俺は、耐性系スキルを全て取った。1つ500Pで【麻痺・毒・魅了・混乱・眠り・耐熱・耐寒】の7つの耐性を取ると何故か1つのスキルに変わり【全状態異常耐性】となった。
 先に属性で得ていた【属性魔法】の7つの属性+いま取得したスキル、それと何故かいつの間にかユニークスキルの所に【無詠唱】と【鬼人化】と言うスキルがあって合計12個スキルをゲットした。ここで俺は1つ疑問に思えた事があった。

「神様、先程選んだ【適正属性】の属性魔法はスキルとして反映されていますが【適正武器】で選んだ剣術等は無いんですか?」

「うむ、適正武器でスキルを得るには一度異世界で手にして扱わないとスキルが反映されないのじゃ」

「成程、それじゃここで選ばずとも向こうで選べるんですね。分かりました」

 俺は1つの疑問が解消され再びスキル選びに戻った。次にスキルの中で1つ見つけていた【知識の書庫】という項目を見ることにした。そこには、他の世界の知識を得る事も出来【地球】の知識も得ることが出来るようだったがポイントの数値が1万と流石に感覚が麻痺している自分でも高いと思ってしまう物があった。

「神様、【知識の書庫】というスキルの事で質問なんですが、何処まで知識として得られるんですか? そして、どのようにして理解するんですか?」

「【知識の書庫】は今現在までの全ての世界の知識を本のような物に詰め込みいつでも見られるようするスキルじゃよ。そのスキルは固有能力に位置付けられるスキルじゃよ」

「成程、それなら1度見て忘れてしまった事もまた見れると言う訳ですね。ありがとうございます」

 俺はそう言って即座に【知識の書庫】のスキルを取りどの世界の知識を取るかで【地球】を選び1万支払って取った。これによって残りのポイントは38100となった。そして、言語が分からなかったら大変なので【全言語】というスキルを1000Pで取って残りポイントは37100になった。ここで俺は一旦、スキル選びを終わり能力値の振り分けをしようと考えた。

「神様、スキル選びは終わりましたので能力値の振り方の説明お願いします」

「分かったのじゃ、能力値は1つのポイントで1上がり持久力を上げれば疲労が溜りにくくなり、精神を上げれば精神攻撃に強くなり、知能を上げれば魔法制御が上手くなるなど1つ1つ役割があるのじゃ、それと一番気を付けるのがHPとMPじゃ、MPはまだ少なく成ったり0になると目眩や吐き気などで済むがHPが0になり死ぬと1日以内に聖属性のレベル8以上の回復魔法言わば蘇生魔法じゃなければ助からないのじゃ、寿命の場合は名前の横に老衰と書かれておるからその場合は生き返りはしない」

 爺さんの説明を受け俺は取りあえずHPとMPに1000ずつ振った。そんな死ぬと言われたらこれ位はしておかないといけないと思ってしまった。MPは、まあどうせ赤ん坊の間は部屋にずっと居るだろうからその間暇にならないために魔法練習する時の為に一緒にあげておいた。次に持久力、精神、知能には500ずつ振った。何処までが平均なのか爺さんに聞くと

「普通の成人男性が大体500~800で冒険者や兵士なんかはそれ以上の者達が居るのう」

 と言われた。それなら、もうバンバンやっていこうと思い全部500にしようと考えた。これだったら、もし貴族の子供だから盗賊なんかに襲われたりしても少しは大丈夫だろう。しかし、やはりポイントは全部使いきれなかったな。残ったポイント31100残ってしまった。

「ふむ、やはり残ってしまったのう」

「はい、スキルも他に取りたいと思うのも特にありませんし…あっ、でも神様何故か【運】だけポイント使えないんですけどどうなってるんですか?」

「それはのう【運】はランダムで決められるものじゃから神でさえ扱う事は出来ないんじゃよ。じゃが、スキルなんかで運を一時的に上げる事は可能じゃよ」

「そうなんですか……それじゃ、この余ったポイントどうしましょう」

「そうじゃのう……ああ、そうじゃった。異世界でも割り振る事が出来るんじゃった」

「そうなんですか? それじゃ、これで異世界に転生します」

「うむ、それじゃ善行ポイントはどちらでも使えるようにしておくぞもし他人見られてしまっても儂が隠しておくから心配しなくてよいぞ」

 最後の爺さんからのその言葉を聞き、俺はこの何処か日本風の部屋から徐々に薄れて行くような感じがして消えた。

★☆★

「ふぅ~、今回は凄い転生者がいったのう。士郎君異世界でも頑張るのじゃよ……」

 儂は今し方消えて行った士郎君の事を考えながら次は儂の準備じゃのうと「よっこらっせ」と言い立ち上がった。

「エルフと人族のハーフで子爵位か……天使たちよ今すぐにそれに当てはまる者を探すのじゃ」

 儂は天使たち、神である儂たちの忠実なる従者達を呼び命令を出した。その中の1人の天使が儂の前に近寄って来て「全能神様、ここなど丁度良いかと」と言って差し出し書類に目を通した。
 そこは、士郎君の転生条件に当てはまり儂達神もよく見ていた者達であった。

「うむ、この子達なら士郎君の事を任せられるのう。士郎君の魂はあの場所へ送るのじゃ」

 儂は新たに命令を出し直ぐに天使達は新たな仕事へ飛び散って行った。

「……さてと、勝手に士郎君に加護を与えた者達の所へ行くかのう」
しおりを挟む
感想 192

あなたにおすすめの小説

公爵家三男に転生しましたが・・・

キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが… 色々と本当に色々とありまして・・・ 転生しました。 前世は女性でしたが異世界では男! 記憶持ち葛藤をご覧下さい。 作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜

青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ 孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。 そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。 これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。 小説家になろう様からの転載です!

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

転生貴族のスローライフ

マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である *基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

処理中です...