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第183話
しおりを挟む翌日、試合当日となって最終確認を済ませた俺達は皆と共に大会の会場に移動した。そこで出場する俺達はミケ達別れて待合室に移動した。移動した先の待合室には、沢山の出場者が居てその中に昨日会ったルードさんは見当たらないのを確認して、四天王は別室何だろうと思いガルドさん達と呼ばれるまで雑談をして時間を潰す事にした。
待合室に入って1時間程して、入ってくる人落ち着いて来たなと思っていると闘技場の運営の一人が入って来ると「今から移動します。私についてきてください」と言って部屋からゾロゾロと出場者がその人に付いて行った。
「おぉ、会場の作りってこんな感じになってんだな」
「何だクリフは、事前に見に来なかったのか? 試合前に会場に入れて、俺達は事前に見てたぜ?」
「えっ、マジですか?」
俺が会場の広さに驚いていると、ガルドさんにそう言われてアリス達の方を見ると「クリフ君の事、誘おうと思ったら部屋に居なかったから」と言われてしまった。まあ、確かにこの3日間は大体一人で街の外に出てたし仕方ないかと思っていると、出場者達の騒がしい声が止み、全員がある方向を見ていたので俺達も見ると、そこには2mはありそうな巨体を持つ獣人が居た。
「皆の者、我は獣王グラド・ジィファードだ」
獣王は自らの名と共に俺達に向けて強い圧を仕掛けてきた。その威圧に半数以上の出場者が倒れ、頭を抱えて何とか耐えている者も居た。
「ふむ、此度の大会には中々強い者達が残っているようだな……今の我の挨拶に耐えた者達よ。主らには改めて今回の大会に出場する権利をやろう。そして、倒れた者達よ。次回の大会までに精神力を鍛える様に」
獣王はそう言うと、出てきた所から去っていき新しく一人の男性が出てくると、俺達が入って来た門から兵士が入って来て倒れた者達を担架に乗せて何処かに連れて行った。
「皆居るか?」
「無事だよ~」
「あぁ、無事だ」
俺はガルドさん達が無事か聞くと、全員生き残っている感じだったので安心して、新しく出てきた人の話を聞く事にした。
「え~、それではこれから大会についてご説明します。今まで通り、本大会ではトーナメント方式でやる為に、ここから更に人数を絞ります。その為に今居る出場者の皆様には4グループに分かれてもらいまして、その中から2人を選び抜きます。その際に使用します戦い方は生き残り戦です。殺す以外でしたら何でもやって良いです。召喚者であれば、魔物を召喚し対戦相手を蹴散らすのも良いですし、魔法使いの人でしたら魔法で吹き飛ばしても構いません」
大会の説明を終えると、兵士さん達がいくつかの箱を持ってきて今居る出場者に中から番号札を取る様に言われた。俺達は、その番号札を取る列に並び、自分達の番が来たら一枚とり、それぞれの番号の所に分かれた。
その結果、俺とアリエス姉さんが〝1〟のグループ。ガルドさん、アリスが〝2〟のグループ。ルーネが〝3〟のグループとなった。意外と偏った組み合わせとなった俺達だったが〝何でもあり〟と言われた戦い方なので、ルーネには悪いが同じグループに居る仲間同士で助け合う事にした。
「うぅ、私一人か……」
「心配するなって、ルーネも実力は上がってるんだ」
そう剥げますが、一人で戦う事に慣れていない様子のルーネは番号別に別れるまで落ち込んでいた。それから、番号順に試合を行うと言われた俺達は、一度待合室に行き、第一試合の俺と姉さんは会場に再び向かった。
「姉さん。危ないから、俺にひっついていてね」
「クリフ君公認でくっついていていいの!?」
試合が始まる前に姉さんにそう言うと、姉さんは興奮した様に俺の左腕に抱き着いた。その行為に周りにいた男性出場者から視線を感じたが、どれも俺の敵になりそうに無い感じだったので、俺はそれらを無視して試合が始まるのを待った。
「それでは、今から第一試合を始めます」
司会の人がそう言うと、後ろに用意していた太鼓で「ドンッ」と音を鳴らすと一斉に出場者達が試合を始めた。
「姉さん、浮くよ」
「うん!」
俺は姉さんに空に浮く事を先に言って【空歩】を使用して、空中に浮き試合会場の地面に向かって最大風力の【風属性魔法】を使用した。
「「うわぁぁぁ!!」」
その魔法に出場者の人達は誰も耐えきらず、試合開始経った数秒で試合が終わった。その結果に観客、そして司会の人達もポカーンとしていた。
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