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第180話
しおりを挟む闘技場へとやって来た俺達は、多くの人が並んでいる受付の最後尾に並んだ。並んでいる間に大会に出るメンバーを決める事になり、ロック、ルーシェ、アンネ、エレノア姉さん、ミケは参加せずその他のメンバーが参加する事となった。メンバーが決まり順番が来て受付で登録を済ませ俺達は、三日後の大会へ出場する権利を貰ってその場を離れた。登録を済ませた俺達は、移動して今日から泊まる宿を探した。
「う~ん、何処も空いてる部屋が少ないね。やっぱり、別々に泊まる?」
「そうだな、もう少し探して駄目だったらそうしてみようか」
宿探しを始めて1時間程が経ったのだが、何処も大会があるという事で観光客も多く全員で泊れる宿が無い状態だった。それから、俺達は色んな宿を回って宿が空いていないか聞いて回り更に1時間後、少し大通りから離れた宿に全員で泊れる部屋数があったのでそこで一週間程滞在する事にした。
宿が決まった俺達は、各自自由に動くことにし、俺は当初の目的でもあった乳製品を買う為に市場へと向かった。
「おぉ、乳製品以外にも色々とあるな……」
求めていた乳製品以外にも沢山美味しそうな食材が売られていたので、俺はそれぞれの食材を大量に買い込んで行った。俺の買い方に店主さん達が機嫌よくしてくれて少しだけサービスをしてくれたりしてくれたので、後日皆の為に何か料理でも作ってやるかと思いつつ、買い物を続けた。
買い物をしていると、後ろからガルドさんが来たので折角合流したし、一緒に食事をしようという話になって歩いていると、路地裏から女性の悲鳴声が聞こえた。
「ガルドさん」
「おう。助けに行くか」
ガルドさんと俺は悲鳴がした路地裏へと向かうと、犬人族の女性が人族の男3人に囲まれていて、髪を掴まれ口を押さえられ、服を脱がされそうになっていた。
俺とガルドさんは街中で魔法を使うのは駄目だと思い己の身体能力だけで、男達を気絶させ女性を助け出した。
「あ、ありがとうございます」
「いえいえ、しかし女性がこんな路地裏を一人で歩いていますと先程みたいに危ないですよ」
「す、すみません。王都に出てきたのが初めてで道に迷った時にそこの男性に道を尋ねましたら、こんな所につれて来られてしまって……」
女性はそう言うと、気絶していた男達を指を指した。それから、俺達は女性と共に男達を縄で縛って兵士の所へと持って行き強姦未遂として牢に入れてもらった。男達を兵士に預けた俺達は、女性も一緒に食事に誘い一緒の店でご飯を食べる事にした。
そこで女性と互いに自己紹介を行った。女性の名前は、リリアと言って今年で14歳となるらしくて父親が今回の大会に出るらしくて田舎から出て来たらしい。
「成程、そのお父さんとは逸れたんですか?」
「いえ、私が来てる事自体知らないと思います。実は、お父さんこの国の軍人さんでして、中々家に帰ってこなくて今回の大会に出るってのも偶々近くに来ていたお父さんのお知り合いの方に教えてもらって来たんです」
リリアさんはそう言うと続けて「お父さんと合うのは半年振りなので驚かすつもりで黙って来たんです」と笑って言った。それから、俺達は大会の事や旅の事を話して楽しく食事をして、店を出た後リリアさんと別れて俺達は宿に戻った。
宿に戻って来た俺は、リリアさんの父であるルードと言うこの国の軍人について情報を集めてみると、結構有名な人だった。
「まさか、リリアさんの父親がこの国の四天王の一人って驚いたな……」
「そうだな、まあ四天王って事はさぞかし任務で忙しいんだろうな、それで家に帰る事が出来ずにリリアが王都に黙って来たんだろう」
「そうですね。まあ、でもこれで獣人国の四天王も大会に出るって事が分かったので楽しみが増えましたね」
「クリフ。お前、最近少しだけ戦闘狂になってきてないか?」
ガルドさんの言葉に「……自覚はありますね」と言った。それから、アリス達も宿に帰って来たので四天王が大会に出る事を伝えると、アリス達もワクワクした感じで「早く三日経たないかな~」と楽しみにしている様子だった。
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