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第160話
しおりを挟むドラグノフが修行に行き、ルーさんが家に来てから数日が経った。あれから、ドラグノフは一度も帰ってこず連絡も取れていないのだがルーさん曰く「ドラグノフが死ぬ時はこの世界が終わる時だろうし、心配せずに待ってればいいのよ」と心配していた俺にそう言ってくれた。
まあ、確かにドラグノフが死ぬような事は無いと思うがやっぱり長く一緒に居た家族の様な奴が居なくなって少し寂しい気持ちがある。寂しい序でに言うと、アーリンもあれから妖精界の方へ帰っていてルシアの連れて来た妖精に仕事を教える為ここ数日帰ってきていなかった。
「う~ん、ゴレ助。本当に強くなったな……」
数日の間、暇さえあればゴレ助とリバーシーやトランプで遊んで暇をつぶしていた。ルーさんの話を聞くのも楽しいのだが、やっぱり楽しみはいつか自分で外に行く時の為に取っておこうと思い余り聞かない様にしている。
朝食を食べた後、爺ちゃんから貰った本の続きを読みながらゴレ助とリバーシーをやっていると部屋の扉をノックする音が聞こえ、返事をするとメイドさんが入って来た。
「失礼します。クリフ様、お友達が来ております」
「友達? アリス達かな、ありがとう。今行くよ」
そう言って、俺はリバーシーの道具をアイテムボックスの中に入れゴレ助を胸ポケットに入れて部屋からメイドさんと一緒に出て玄関に向かった。
玄関を開け外に出ると、アリスとミケ。そして、珍しくルーシェ達も一緒だった。
「わぁ~、クリフ君って本当に貴族の子だったんだ……」
「その驚き方は俺に失礼じゃないかな、ルーネ?」
「もう! ルーネ、クリフ君に失礼じゃない。ごめんねクリフ君」
「いいよ。それより、今日はどうしたんだ? 皆揃って」
そう言うと、真ん中に居たアリスが「ここじゃ、何だしクリフ君の部屋に行っても良い?」と聞かれたので、「ああ、じゃあ地下室で良いか?」と聞いていつもの地下室の部屋に移動した。
移動した部屋には俺、アリス、ミケ、ルーネ、ルーシェ、アンネの計6人がテーブルを囲む様に座った。余分に買っておいた椅子が役に立って良かったと思った。
「それで、今日はどうして皆揃ってるんだ?」
「えっと、ほら僕達さダンジョン攻略した後休み期間にしたでしょ? 僕とミケ、クリフ君には内緒でクエスト受けて少しでもクリフ君に追いつこうかなって思ってたらルーネちゃん達が協力してくれるって言ってくれて一緒にクエストに行ったりしてたんだよね」
「ふむふむ、成程……って、もしかして今日は俺だけのけ者にされてた話か?」
「ち、違うよ! 本題は次、それで皆で一緒受ける様になって思ったんだよ。クリフ君合わせると6人で結構人数も多いし、クラン作らないかって話になって今日クリフ君の所に来たんだ」
アリスがそう言い切ると、横に座っていたミケが「パーティより、クランの方が響きがカッコいいってアリスちゃんがはしゃいで止めれませんでした」と謝って来たのを「いや、俺も一度考えた事があるから別に良いよ」と言うとアリスが驚いていた。
「クリフ君も考えてたの?!」
「ああ、まあ確かに考えた事はあるよ。でも、俺達って基本このメンバー意外とクエストにもいかないだろ? 少数でそんなの作っても意味あるかなって言わなかったんだよ。まあ、ルーネ達も参加するならそれなりの人数だし、俺は良いと思うぞ」
「そうね。私達も面白そうだし、なによりクリフ君の近くに居たらおこぼれで何かありそうだしね~」
ルーネの言葉にルーシェが「こら、そんな事言わないの!」と怒ってルーネの頭に拳骨をした。涙目になったルーネは「それで、クランってこのメンバーで作るの?」と言った。
「いや、流石にこの人数で作っても意味が無いだろう。後数人、出来れば鍛冶系の人とか居ればクラン内で装備の修理を頼めるんだけどな……」
「……あっ、そう言えばクリフ君。確か、僕達と一緒で高等部に行かずに卒業した鍛冶師の子居たよ! 確か、王都の鍛冶屋の息子って言ってた筈だよ」
「本当か? なら、一度会って見るか」
その後余り大勢で行くのも迷惑だろうし、面識があるアリスと何故かクランのリーダー(仮)になっている俺の二人でその子の家に向かう事になった。その間、ミケとルーネ達はギルドに行ってクランの事を聞いて来てもらう様に頼み、後で合流することにした。
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