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第二章
第85話 【騒動のその後・4】
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「兄さん、本当に剣術はこっちに来てから訓練を始めたの? 家でこっそり、謹慎生活中にやってたりしてたんじゃない?」
「俺が謹慎していた部屋に、そんな道具無いのはクラリスも知ってるだろ? よくて身体の動かし方を忘れない為、少し動く事しか出来ない部屋で、どうやって剣術を訓練するんだ?」
俺はクラリスの言葉に少し笑いながらそう言うと、クラリスは「それはそうだけど……」と言った。
「まあ、こっちに来てから剣術はずっと訓練をしてるってのもあるけど、殆どは【経験値固定】のおかげだよ。スキルレベルが上がる事でキレとかが増すからね」
「実際、兄さんの【経験値固定】ってどの程度凄いの?」
「そうだね。新しいスキルを集中度にもよるけど、意識して訓練をすれば一日で手に入れられる位には凄いと思うよ」
「兄さんのそのスキル。壊れてるよ……」
クラリスは驚いた表情でそう言い、俺もそれに関しては同意見だと頷きながら言った。
「ちなみにこのスキルの力だけど、一緒に訓練すればその人にも適用されるスキルなんだよ」
「……えっ? それが本当なら、兄さんって沢山スキルを持った人達を量産できるの?」
「本人の努力次第ではあるけど、可能ではあるね」
「話では兄さんのスキルは凄い物だったとは聞いてたけど、そこまでとは思わなかったよ。益々、ノルゼニア家は馬鹿な選択をしたんだなって感じたかも」
クラリスは溜息交じりにそう言うと、ポンッと手を叩き。
「でもあの家が無くなった方が自由だったし、良かったと言えば良かったね」
と、そんな事を言った。
実際、俺やクラリスからしてみたらそうで、あの家に居たからといっていい事は特にそんな感じられなかった。
今の方が断然凄く良いし、生きる目標も色々と立てる事が出来た。
その後、広場から部屋へと移動して、夕食まで適当にクラリスと一緒に時間を潰す事にした。
「クラリス。受付になるって言ってたけど、いつから受付をするんだ?」
「最初の一ヵ月間は勉強して、勉強期間が終わったら実際に受付に立つって言われたよ。最初から給金は払われるみたいだけど、私としてはこんな凄い寮にも住まわせてもらう事になったから要らないって言ったんだけど……」
「それを断られたんだろ? エルドさんらしいな、俺も何度もエルドさんの決定に納得できずに反対しようとしたけど、全部結局意味が無かったからな……」
クラリスも俺と同じで、エルドさんの決定に抵抗しようとしたみたいだが、無理だったみたいだ。
「時期に慣れるよ……まあ、俺は未だに突然の決定に驚かされたりするけどね」
「兄さんの場合、活躍が大きすぎてエルドさんもそれ相応の対価を払おうとしてると思うから、兄さんが悪い時もありそうだけどね。今までの兄さんの功績を聞いた限りだと、私はそう思うよ」
「そ、そうかな?」
「うん。だって、ルクリア家の悩みの種を解決したり、普通は何年もかけてやるものを直ぐに解決したって聞いたよ?」
クラリスの耳にも、アリスの成績向上についての話は言っているみたいだ。
「それに関しては、俺が教えていたアリスの頑張りのおかげだと俺は思ってるけどな」
「今までも教える人は居たけど、無理だったんでしょ? という事は、兄さんの力によって変わる事が出来たって言うのは、兄さんに大きな恩を感じて凄い贈り物を渡すって心理は私は分かるよ?」
クラリスからそう言われた俺は、このままだと納得させられてしまうと思い、話題を変える事にした。
その後、暫く色んな話をした俺達は夕食の時間となり、一緒に食堂へと食事をしに来た。
そしてクラリスと一緒に食事をしていると、今日はお休みの師匠が食堂へとやって来た。
「アルフ。その子が妹か?」
「はい。妹のクラリスです。クラリス、この方は俺の師匠で魔法使いの冒険者として有名なアレンさんだよ」
そう師匠とクラリスに互いを紹介すると、クラリスは師匠に対して「兄がお世話になっております」と外行用の口調でそう言った。
「俺の前だからって口調を変えなくても大丈夫だぞ。今後は多分、一緒に過ごす時間が増えると思うからな」
「えっ、それってどういうことですか?」
「さっき、エルドさんから頼まれたんだよ。アルフの妹のクラリスは魔法使いとしての才能があるから、その子の魔法も見てやって欲しいって、実際に見て決めますと言って来たが……魔法の才能は確かにあるみたいだな」
師匠からそう言われたクラリスは、嬉しそうな表情をして「ありがとうございます」と言った。
「という事は、クラリスも師匠の弟子って事になるんですね。クラリス、良かったな」
「うん。兄さんの師匠がアレンさんって聞いた時、羨ましいと思ってたけど、まさか私も弟子に取ってもらえるなんて……本当に嬉しいです」
「俺もまさか、こんなに才能あふれる弟子達に恵まれるとは思わなったよ。取り合えず、訓練の日程はクラリスの商会での暮らしが落ち着いてからにしようと思う。それまでは、基本的に見学か受付の方の勉強をしておくように」
そう師匠から言われたクラリスは「分かりました」と返事をした。
それから師匠も一緒に夕食を食べ、明日からは訓練を再開するから用意しておくんだぞと言って去って行った。
「それにしても、まさかクラリスもアレンさんの弟子になるとはな……明日からが、本当に楽しみだな」
食後、風呂に入って部屋に戻って来た俺はベッドに横になりながらそんな事を思った。
それから、これから先はクラリスとも暮らせる喜びから、少し寝るのに時間が掛った俺だったが翌日、寝不足にはならなかった。
「俺が謹慎していた部屋に、そんな道具無いのはクラリスも知ってるだろ? よくて身体の動かし方を忘れない為、少し動く事しか出来ない部屋で、どうやって剣術を訓練するんだ?」
俺はクラリスの言葉に少し笑いながらそう言うと、クラリスは「それはそうだけど……」と言った。
「まあ、こっちに来てから剣術はずっと訓練をしてるってのもあるけど、殆どは【経験値固定】のおかげだよ。スキルレベルが上がる事でキレとかが増すからね」
「実際、兄さんの【経験値固定】ってどの程度凄いの?」
「そうだね。新しいスキルを集中度にもよるけど、意識して訓練をすれば一日で手に入れられる位には凄いと思うよ」
「兄さんのそのスキル。壊れてるよ……」
クラリスは驚いた表情でそう言い、俺もそれに関しては同意見だと頷きながら言った。
「ちなみにこのスキルの力だけど、一緒に訓練すればその人にも適用されるスキルなんだよ」
「……えっ? それが本当なら、兄さんって沢山スキルを持った人達を量産できるの?」
「本人の努力次第ではあるけど、可能ではあるね」
「話では兄さんのスキルは凄い物だったとは聞いてたけど、そこまでとは思わなかったよ。益々、ノルゼニア家は馬鹿な選択をしたんだなって感じたかも」
クラリスは溜息交じりにそう言うと、ポンッと手を叩き。
「でもあの家が無くなった方が自由だったし、良かったと言えば良かったね」
と、そんな事を言った。
実際、俺やクラリスからしてみたらそうで、あの家に居たからといっていい事は特にそんな感じられなかった。
今の方が断然凄く良いし、生きる目標も色々と立てる事が出来た。
その後、広場から部屋へと移動して、夕食まで適当にクラリスと一緒に時間を潰す事にした。
「クラリス。受付になるって言ってたけど、いつから受付をするんだ?」
「最初の一ヵ月間は勉強して、勉強期間が終わったら実際に受付に立つって言われたよ。最初から給金は払われるみたいだけど、私としてはこんな凄い寮にも住まわせてもらう事になったから要らないって言ったんだけど……」
「それを断られたんだろ? エルドさんらしいな、俺も何度もエルドさんの決定に納得できずに反対しようとしたけど、全部結局意味が無かったからな……」
クラリスも俺と同じで、エルドさんの決定に抵抗しようとしたみたいだが、無理だったみたいだ。
「時期に慣れるよ……まあ、俺は未だに突然の決定に驚かされたりするけどね」
「兄さんの場合、活躍が大きすぎてエルドさんもそれ相応の対価を払おうとしてると思うから、兄さんが悪い時もありそうだけどね。今までの兄さんの功績を聞いた限りだと、私はそう思うよ」
「そ、そうかな?」
「うん。だって、ルクリア家の悩みの種を解決したり、普通は何年もかけてやるものを直ぐに解決したって聞いたよ?」
クラリスの耳にも、アリスの成績向上についての話は言っているみたいだ。
「それに関しては、俺が教えていたアリスの頑張りのおかげだと俺は思ってるけどな」
「今までも教える人は居たけど、無理だったんでしょ? という事は、兄さんの力によって変わる事が出来たって言うのは、兄さんに大きな恩を感じて凄い贈り物を渡すって心理は私は分かるよ?」
クラリスからそう言われた俺は、このままだと納得させられてしまうと思い、話題を変える事にした。
その後、暫く色んな話をした俺達は夕食の時間となり、一緒に食堂へと食事をしに来た。
そしてクラリスと一緒に食事をしていると、今日はお休みの師匠が食堂へとやって来た。
「アルフ。その子が妹か?」
「はい。妹のクラリスです。クラリス、この方は俺の師匠で魔法使いの冒険者として有名なアレンさんだよ」
そう師匠とクラリスに互いを紹介すると、クラリスは師匠に対して「兄がお世話になっております」と外行用の口調でそう言った。
「俺の前だからって口調を変えなくても大丈夫だぞ。今後は多分、一緒に過ごす時間が増えると思うからな」
「えっ、それってどういうことですか?」
「さっき、エルドさんから頼まれたんだよ。アルフの妹のクラリスは魔法使いとしての才能があるから、その子の魔法も見てやって欲しいって、実際に見て決めますと言って来たが……魔法の才能は確かにあるみたいだな」
師匠からそう言われたクラリスは、嬉しそうな表情をして「ありがとうございます」と言った。
「という事は、クラリスも師匠の弟子って事になるんですね。クラリス、良かったな」
「うん。兄さんの師匠がアレンさんって聞いた時、羨ましいと思ってたけど、まさか私も弟子に取ってもらえるなんて……本当に嬉しいです」
「俺もまさか、こんなに才能あふれる弟子達に恵まれるとは思わなったよ。取り合えず、訓練の日程はクラリスの商会での暮らしが落ち着いてからにしようと思う。それまでは、基本的に見学か受付の方の勉強をしておくように」
そう師匠から言われたクラリスは「分かりました」と返事をした。
それから師匠も一緒に夕食を食べ、明日からは訓練を再開するから用意しておくんだぞと言って去って行った。
「それにしても、まさかクラリスもアレンさんの弟子になるとはな……明日からが、本当に楽しみだな」
食後、風呂に入って部屋に戻って来た俺はベッドに横になりながらそんな事を思った。
それから、これから先はクラリスとも暮らせる喜びから、少し寝るのに時間が掛った俺だったが翌日、寝不足にはならなかった。
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