転生でゆるく生活したい

ぱゆり

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姉の戦い、その後

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ジクルドが男に負ける姿を、ゲイルは飛ばされた先の木から見ていた。
「くっそっ!・・・動っけよ。動け!動け!!」
初めて男を見た時、その殺気に腰が抜けてしまって動けなくなっていた。
助けようにも足に力が入らない。体の震えが止まらない。
倒れているジクルドに男は近づいて行き、剣を逆手に持ち替えると、とどめを刺そうとした。
ゲイルは動けない自分に対して言葉に出来ないものを抱きながら目を閉じた。
友達が殺される瞬間など見たくなかったのだ。
そしてザクッという音が小さく聞こえた。
次は自分なのだろう。ゲイルはそんな嫌な予感と共に目を開けた。
しかし、男の剣は地面に刺さっており、想像していた胸を貫かれた友達の姿はなかった。
それに一瞬呆けるも、すぐに辺りを見回すと、男の背後の少し先に、怒りを滾らせた一人の女剣士がジクルドを抱えて自らの敵を見ていた。
「リ、リリネアさん。」
ゲイルは、いつも明るい彼女があんな表情をすることを彼は知らなかった。
怒っていることは雰囲気でわかる。しかしリリネアの表情は感情を宿していないかの様に無表情だった。
「・・・ゲイル。」
「はいっ!!」
リリネアの明るい声とは違うように感じる声に反射的に返事をして立ち上がっていた。
「ジークを連れて逃げなさい。」
「はい!!」
今のゲイルに否定するという思考はなかった。指示されたことに対して理解し即座に行動に移す。
そのゲイルの動きに反応してか、男がゲイルに向かって突貫していく。
「・・・させない!」
しかしそれは横から切り込んだリリネアの一撃で、男は木に体を打ち付けられた。
その間にゲイルは剣を鞘に納め、ジクルドを背負うと一目散に避難組が向かった村に走っていった。


ゲイルが去った後、二人は少しの間を置いて一斉に動き出した。
火花が散る、無数の剣戟が向かい合う二人の間に散りばめられる瞬きのように光っては消える。
無表情のままリリネアは剣を振るう。
男は確かに強かった。
二人の剣の腕に差はほとんどない、ほぼ互角の戦い。
しかし、傷を負うのは男だけであった。
それを決定づけているのは、元々の高い素質を備えたリリネアの身体能力とそれを補助する無意識の身体強化である。
男も能力は高いが、リリネアと互角なのは力だけであり、単純な速度も反応速度も劣ってしまっているため、剣を躱され、流されて切られる。
だが、なんとか反応が間に合うため、致命傷は避けれているが敗れるのは時間の問題であることは疑いなかった。
男は距離を取って剣を構える。
リリネアは悠然と近づいてくる。
男は剣を振りかぶりリリネアを斬ろうと姿を一瞬ブレさせた。
しかし、リリネアはそのことなど気にせず剣を薙いだ。
そして剣が通過する場所に男が現れ、そのまま斬られる直前、男がとっさに剣で防ごうとするが剣がぶつかり合い、今まで酷使され続けた男の剣が折れた。
その勢いのまま男は腹を斬られ、倒れ伏した。
「ぐっ、ううぅ。」
「縮地法の応用ね。でもそれならもう少し分からないようにすべきだわ。余りにも分かりやすいわ。」
リリネアはトドメを刺すべく近づくと、急に男に変化が現れた。
「うおおぉ、ぐうっゥ、ウオオオオォォオオオオッ!!!」
男が死に体のまま雄たけびを上げながら、まるで抑えが効かなくなったように魔力を放出し始めた。
すると、次々と倒して来た魔物の死体が持ち上がり、弧を描いてどんどん男に向かって落ちて行く。
それは時間と共に数を増し、次第積み上がった死体の山が、高くそびえる山のようであった。
トドメを刺す前に危険と判断してその場を大きく離れたリリネアがその場で警戒していると左側から村長が合流した。
「お~い!リリは、大丈夫そうだな。今のは何だったんだ?」
「分かりません。でも自分からああしたのは確かだから警戒しておいた方がいい。」
そう言葉を交わしていると村長の奥さんも上から降って来た。
「ゼルス!不味い事になった!あの死体の下で儀式魔法が発動してるわ!」
「何!?ってことは、あれ全部で一つか!?」
そんな言葉の後に死体の山が突然黒く塗り潰された。
そんな山を見ながらゲイルとジクルドを除く全員が集まって来た。
「村長!あれは一体何ですか!?魔物も死体も全部あの場所に持ってかれたみたいですが。」
「ああ、ありゃあな?人が絶対に踏み込んじゃ駄目なやつだ。」
黒い中から生まれ出て来るように山のような黒い巨人が姿を現した。
「なっ!?」
一人が困惑した声を漏らす。
皆が口々にでかいやら何だあれはと言う中リリネアは村長にこう聞いた。
「村長、あれは倒せるかな?」
その返答は、
「倒せるが少し待て、ありゃ見た目は人型だが中身は圧縮された肉と骨の塊だ。しかもそこら中から魔力を取り込んでるから再生能力があると見た方がいいな。」
答えるはずが考えに没頭し始めた村長にソルがこう聞いた。
「つまりはどうすればいいんですか?師匠。」
「回復させずに大火力で一気に仕留める、だな。」
皆がそれを聞き、周りと話しながら覚悟を決めた。
そうしていると巨人が突然咆哮した。
「グウオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォ!!!!」
それは暴風となって全員を襲った。
大半の者たちは吹き飛ばされて空をまった。
吹き飛ばなかった者たちは木に隠れたり、自分の獲物を地面に突き立て持ちこたえた。
「ぐうううぅ、くっ!ほえただけでこれか!」
大剣を地に刺したままソルが文句をこぼす。
その側で木にもたれかかり耐える村長が自分の嫁を見やる。
「さて、・・・ベリル、あいつの体ぶっ壊すのにどんだけかかる?」
「60ちょうだい、それで消し去ってやるから。」
それに対してベリルは、好戦的な笑みを浮かべて自信満々に言った。
それを聞いて村長が声を張り上げる。
「聞いたかお前らぁ、これからあのデカブツを60秒足止めする!!死ぬんじゃねえぞ!!」
そう言いながら村長は巨人に突っ込んでいく。
「やっぱ足止めするなら足から削るよな!」
そして瞬く間に足元にたどり着き、巨人の足に剣を振るった。
ガギィン、という金属がぶつかり合った様な音が響き、村長の剣が半ばで折れた。
しかし巨人の足には少し切れ込みが入っているだけだった。
「げっ!硬いだろうとは予想してたが、魔力結構込めて折れるかよ。」
そんな愚痴を言いつつ村長は一旦距離を取りながら折れた剣の切っ先を拾って折れた箇所に押し当てた。
そして、ほんの少し後に村長が押し当てた場所から手を離した。
すると折れているため手を離せば落ちるはずの切っ先が繋がっており、村長がその繋がってはいるがボロボロになっている剣をひと撫ですると剣は傷のない状態に直っていた。
「応急処置はこれで良し。だが、後一発が限度だな。」
そう呟くと剣を逆手に持って巨人を見据える。
そして、槍を投げるように右手を後ろに引いて左手を前に出し、巨人の足に狙いを定める。
「・・・っ!!」
投げる瞬間、剣を中心に魔力の槍が出現して巨人に向かって飛んでいった。
そして巨人が魔力に気づいて回避しようとするが、巨人の足が動く前に高速で飛来した槍が中の剣と共に巨人の左足に突き立ち、内包した魔力を炸裂させた。
巨人の左足から爆発音が響くと同時に巨人の左足が内側から半ば消し飛んだ。
「割と足全部持ってく気でやったんだが、これでも火力不足か。でもまあ片足は取ったからいい方か。」
巨人には痛みに悶える様子はなく、バランスを崩して両手をついた。
衝撃が地面を揺らし、それを諸共せず何人か斬りかかって行く。
「ぜぇや!!」
ソルが雄叫びと共に手に持つ大剣を残った右足に振り下ろした。
皆の剣が弾かれ、折れる中ズバッという音を伴い、巨人の足に切れ込みを入れ、その肉を切り開いた。
「なっ!?ソル!お前どんだけ力込めた!!?」
村長がソルにそう叫ぶと、
「魔力のほとんどと全力でやりました!!」
と答えた。
「バカか!それじゃ戦えないだろうが!?だが、もう少しだ!てめぇらちゃんと生きろよ!!」
しかし、ぐしゃぐしゃと音を立てながら巨人の両足は再生を始めており、消しとばした左足も膝のあたりまで回復していた。
「うっそだろ、まだぶっ飛ばして40秒ぐらいしか経ってねえだろうが。十何秒で全快するとかマジかよ。」
だんだんと再生し、やがて左足が治りきると巨人は再び立ち上がろうする。
「全員下がりなさい!!!」
そこに突如ベリルの声が響く。それに弾かれたように村長も声を張り上げた。
「全員ヤツから全力で逃げろぉぉぉぉ!!!!」
そう言いながら村長も巨人に背を向けて走り、前にいる者たちを飛び越えるように抜かして行った。
ソルも周囲を見回しながら全力で走り、出遅れた者には手を貸して助けた。
その数秒後、巨人は一気に爆発した。
爆風が木々をさらになぎ倒し、逃げる者たちは皆一様に吹き飛ばされて受け身をとった。
ソルは早く起き上がると、巨人がいた場所に目を向けた。
砂煙が晴れると巨人の姿はなく、小さな黒い浮遊物がゆっくり落ちて行くのが見えた。
それを見てソルは地面を蹴って跳躍し、人がいない場所に着地すると駆け出した。
途中で置いていった大剣を走りながら地面から拾い上げる。
そして巨人がいた場所に到着すると人の顔が埋め込まれたどす黒い肉の塊が宙に浮いていた。
「お前も来たか。奴が再生する前にさっさと片つけるぞ!」
村長が後ろから来てそう言った。
「私もやるわ。」
巨人だったものの右側の方から剣を持ったリリネアが現れた。
「ベリルは少しかかるか。よし、三人でやるぞ。」
見計らったように巨人だったものが肉の塊から触手を出して攻撃してきた。
三人は散るように追ってくる触手を躱し、走り回り、攻撃を始めた。
作戦はもう決めてあった。
村長が攻撃を掻い潜り、突撃すると肉の塊から全方位に鋭利な触手のようなものが生えた。
それを村長は次々と殴り落としながら進み、肉の塊本体にほぼ全魔力を拳に乗せて攻撃を叩き込んだ。
そして、攻撃により塊が飛ばされると塊から人の体になっていく。
それを追うように接近したソルが斬りかかり、それに反応して巨人だったものは、なんと自分の左手から剣を出して反撃して来た。
「ウオオアアァァ!!」
雄叫びと共に振るわれた剣をソルは下に姿勢を落として避けると下に構えていた大剣を一気に振った。
切り上げにより相手の左腕と足を、続けて無理矢理振り下ろし相手の右腕を斬り飛ばした。
「やれ、リリ!!」
最後に胴体と右足しかない相手にソルの背後から前に出たリリネアが速攻で斬りにいく。
「だあぁぁぁ!!!」
リリネアの持つ剣が魔力を帯びて光を放ちながら、男の胸に突き刺さりトドメを刺した。
そして、男の体より黒い何かモヤのようなものが出て、空に飛んでいきすっと姿が搔き消えた。
すると男はうっすらと目を開けて視線を動かしてリリネアに視線を止める。
「・・ぁ・・・・・・」
その後何かを言いかけて息絶えた。

戦いが終わって・・・

後でみんな無事であることがわかり、生きていることを喜び合った。
しかし、村は巻き込まれていて大半の物がボロボロに壊されていた。
「これはしばらく復興作業が忙しくなるなぁ。はあぁあ~。」
と村長が愚痴っていたという噂が立った。
怪我人も多く、ひどい者は片腕が食われた者もいた。
「片腕無くしたのは確かに不自由だけど、会えなくなるよりマシだろ?」
と言って笑っていたが村長に何か言われて泣いていた。
とりあえず、村は立て直すらしいことはわかった。

村長の家(急造)

夜遅く、村長であるゼルスは家の外に出て空を見上げていた。
「あれは、何だったんだ?」
そう呟く中、ゆっくりと音を立ててドアが開いた。
「ベリル・・・。」
「気になってるの?あの巨人を破壊した魔法使いのこと。」
出て来たのは自分の妻であるベリルだった。
ゼルスの考えをあっさり当てていく。
「ああ、あの時お前が魔法を撃つのと同時に一つか二つの攻撃魔法が発動していた。」
「とても強い魔力だったわね。私の全力と同じくらいかしら?」
「それは完全に使いこなしていた場合だろう?一つは無駄がまあまああったから分かりやすかったが、もう一つの方はほとんどと言っていいほど無駄が無くて気づき辛かった。」
「でも、知り合いにあれだけの魔法を使える人も少ないし、魔力もその人たちに似てないから困ってるんでしょ?」
「ああ。しっかし、あれを撃ったのは誰だったんだろうな。」
「さあ、明日も忙しくなるんだからさっさと寝なさいな。」
そう言ってベリルは家の中に戻っていった。
その後に少し下を向いてからゼルスは立ち上がると家に入っていった。
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