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閑話 日課

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俺の朝は早い。朝6時には目を覚まし、コップ一杯の麦茶を飲んで、トレーニングウェアに着替えて外に出る。12月だと日が出るのは7時頃になるので、6時でもまだ外は真っ暗だ。10分ほどウォームアップを行い、ジョギングを始める。

手首足首を回し、膝を回し、伸脚を行う。肩甲骨の動きも重要になるため、肩も回しておく。その後、お尻や股関節の大きな筋肉で走れるようにランジ(わからない人は調べてね)を行い、体の動きを確認する。ここまでがウォーミングアップだ。

ジョギングは姿勢をまっすぐ、頭の上に紐がついているような感覚で立ち、体を前に前傾させることで自然と走り出す。普段のジョギングでは息が荒れるほど速く走らない。自分のエンジンとなる最大酸素摂取量(VO2Max)を増やすにはそれで十分だからだ。

スピードを上げたいときには、2分程度、時間を決めて速く走る。全力ではなく、80%ぐらいのスピードだ。スピード持久力を上げたいときには5分間の疾走区間とレスト2分間など、インターバルを行う。何が言いたいかというと、その時々でしっかり狙いを決めてトレーニングをするのが効果的ということだ。

さらに、週3回、45分以上のランニングを続けることによって、脳の老化を防ぐ、集中力が高まる、ストレスが減るなど嬉しいこと尽くしだ。

これは運動不足になった40代の時に作ったルーティンで、体を動かすほどにタイムが上がったので、これを若いころから続けると大きな力になると思い、続けている。

1時間ほど走りこんだら家に帰り、シャワーを浴びてから学校へ行く準備をする。学校までは自転車通学だ。通学途中でたまにリナに会う。彼女も自転車通学なのだ。

過去にはリナのような美少女に会えるのは歓迎だったため、喜ばしいことだったが、今はアズサ絡みで苦言ばかりいただくので、歓迎はできない。と思っていると、遭遇するものだ。

「おはよ。」
信号待ちで後ろからリナに声を掛けられる。

俺はチラッと後ろを振り返り、答える。
「おはよ。」

リナは何やらニヤニヤしている。
「アズサとクリスマスデートなんだってぇ?」

もう聞いたのか。いつものような責めるトーンではなく、今日はからかうようなトーンになっている。

「なんかうまく言質を取られた感じやけど、まぁ、そうやな。」

「ま、あの子は嬉しそうだったからいいけど、適当なことはしないでよね。」

「わかってるよ。」
しっかり釘は刺された。

こうして、なんだかんだと話をしながら、リナと合流してから数分で学校につく。家から学校まではトータルで20分弱の距離だ。

学校につくと、自転車置き場に自転車を止め、校舎へと向かう。校舎は古い校舎のため、特に上履きに履き替えるということはない。普通に教室まで土足で入るタイプだ。

教室では普通にクラスメイトに挨拶をし、大体タクミとヨウスケと一緒に何らか話をしていることが多い。そういえば、タクミとアズサが付きあう未来はどこにいったんだろう。俺がしっかりフラグを折ってやらねばならないのかもしれないが、うまくいかずに本当に申し訳ない。

小声でタクミに伝えておく。
「すまん。なりゆきでアズサと24日に遊ぶことになった。」

「え、ついにお前ら付き合うん!?」
タクミはショックを受けたでもなく、純粋に驚いたような様子だ。

「いや、そういうわけじゃないけど、色々あって断り切れんかった。」

「へー。そっか。ふーん…あ、俺には気ぃまわさなくて大丈夫やからな。もうなんかある程度吹っ切れたっていうかな。」
タクミに嘘をついている様子はない。こちらのフラグが先に折れてしまったのか。やはり俺が知っている未来はどんどん遠くなっているようだ。

4時限目までが午前中、午後から5限、6限と続き、放課後となる。〇時間目という学校と、〇時限目という学校があると思うが、この学校は時限のほうだ。

各科目の授業は進学校だけあって、ハイレベルかつハイスピード。体育も割と容赦なく、男女別で、この寒い時期には持久走と縄跳びがメインとなる。2月には恒例行事である河川敷10㎞走がある。(女子は7㎞)

そんな何気ない一日だが、懐かしくもあり、かけがえない一日を過ごしている。この気持ちだけは忘れたくないものだ。

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ランニングの効果は『運動脳』より拝借。
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