65 / 91
閑話 日課
しおりを挟む
俺の朝は早い。朝6時には目を覚まし、コップ一杯の麦茶を飲んで、トレーニングウェアに着替えて外に出る。12月だと日が出るのは7時頃になるので、6時でもまだ外は真っ暗だ。10分ほどウォームアップを行い、ジョギングを始める。
手首足首を回し、膝を回し、伸脚を行う。肩甲骨の動きも重要になるため、肩も回しておく。その後、お尻や股関節の大きな筋肉で走れるようにランジ(わからない人は調べてね)を行い、体の動きを確認する。ここまでがウォーミングアップだ。
ジョギングは姿勢をまっすぐ、頭の上に紐がついているような感覚で立ち、体を前に前傾させることで自然と走り出す。普段のジョギングでは息が荒れるほど速く走らない。自分のエンジンとなる最大酸素摂取量(VO2Max)を増やすにはそれで十分だからだ。
スピードを上げたいときには、2分程度、時間を決めて速く走る。全力ではなく、80%ぐらいのスピードだ。スピード持久力を上げたいときには5分間の疾走区間とレスト2分間など、インターバルを行う。何が言いたいかというと、その時々でしっかり狙いを決めてトレーニングをするのが効果的ということだ。
さらに、週3回、45分以上のランニングを続けることによって、脳の老化を防ぐ、集中力が高まる、ストレスが減るなど嬉しいこと尽くしだ。
これは運動不足になった40代の時に作ったルーティンで、体を動かすほどにタイムが上がったので、これを若いころから続けると大きな力になると思い、続けている。
1時間ほど走りこんだら家に帰り、シャワーを浴びてから学校へ行く準備をする。学校までは自転車通学だ。通学途中でたまにリナに会う。彼女も自転車通学なのだ。
過去にはリナのような美少女に会えるのは歓迎だったため、喜ばしいことだったが、今はアズサ絡みで苦言ばかりいただくので、歓迎はできない。と思っていると、遭遇するものだ。
「おはよ。」
信号待ちで後ろからリナに声を掛けられる。
俺はチラッと後ろを振り返り、答える。
「おはよ。」
リナは何やらニヤニヤしている。
「アズサとクリスマスデートなんだってぇ?」
もう聞いたのか。いつものような責めるトーンではなく、今日はからかうようなトーンになっている。
「なんかうまく言質を取られた感じやけど、まぁ、そうやな。」
「ま、あの子は嬉しそうだったからいいけど、適当なことはしないでよね。」
「わかってるよ。」
しっかり釘は刺された。
こうして、なんだかんだと話をしながら、リナと合流してから数分で学校につく。家から学校まではトータルで20分弱の距離だ。
学校につくと、自転車置き場に自転車を止め、校舎へと向かう。校舎は古い校舎のため、特に上履きに履き替えるということはない。普通に教室まで土足で入るタイプだ。
教室では普通にクラスメイトに挨拶をし、大体タクミとヨウスケと一緒に何らか話をしていることが多い。そういえば、タクミとアズサが付きあう未来はどこにいったんだろう。俺がしっかりフラグを折ってやらねばならないのかもしれないが、うまくいかずに本当に申し訳ない。
小声でタクミに伝えておく。
「すまん。なりゆきでアズサと24日に遊ぶことになった。」
「え、ついにお前ら付き合うん!?」
タクミはショックを受けたでもなく、純粋に驚いたような様子だ。
「いや、そういうわけじゃないけど、色々あって断り切れんかった。」
「へー。そっか。ふーん…あ、俺には気ぃまわさなくて大丈夫やからな。もうなんかある程度吹っ切れたっていうかな。」
タクミに嘘をついている様子はない。こちらのフラグが先に折れてしまったのか。やはり俺が知っている未来はどんどん遠くなっているようだ。
4時限目までが午前中、午後から5限、6限と続き、放課後となる。〇時間目という学校と、〇時限目という学校があると思うが、この学校は時限のほうだ。
各科目の授業は進学校だけあって、ハイレベルかつハイスピード。体育も割と容赦なく、男女別で、この寒い時期には持久走と縄跳びがメインとなる。2月には恒例行事である河川敷10㎞走がある。(女子は7㎞)
そんな何気ない一日だが、懐かしくもあり、かけがえない一日を過ごしている。この気持ちだけは忘れたくないものだ。
-----------------------
ランニングの効果は『運動脳』より拝借。
手首足首を回し、膝を回し、伸脚を行う。肩甲骨の動きも重要になるため、肩も回しておく。その後、お尻や股関節の大きな筋肉で走れるようにランジ(わからない人は調べてね)を行い、体の動きを確認する。ここまでがウォーミングアップだ。
ジョギングは姿勢をまっすぐ、頭の上に紐がついているような感覚で立ち、体を前に前傾させることで自然と走り出す。普段のジョギングでは息が荒れるほど速く走らない。自分のエンジンとなる最大酸素摂取量(VO2Max)を増やすにはそれで十分だからだ。
スピードを上げたいときには、2分程度、時間を決めて速く走る。全力ではなく、80%ぐらいのスピードだ。スピード持久力を上げたいときには5分間の疾走区間とレスト2分間など、インターバルを行う。何が言いたいかというと、その時々でしっかり狙いを決めてトレーニングをするのが効果的ということだ。
さらに、週3回、45分以上のランニングを続けることによって、脳の老化を防ぐ、集中力が高まる、ストレスが減るなど嬉しいこと尽くしだ。
これは運動不足になった40代の時に作ったルーティンで、体を動かすほどにタイムが上がったので、これを若いころから続けると大きな力になると思い、続けている。
1時間ほど走りこんだら家に帰り、シャワーを浴びてから学校へ行く準備をする。学校までは自転車通学だ。通学途中でたまにリナに会う。彼女も自転車通学なのだ。
過去にはリナのような美少女に会えるのは歓迎だったため、喜ばしいことだったが、今はアズサ絡みで苦言ばかりいただくので、歓迎はできない。と思っていると、遭遇するものだ。
「おはよ。」
信号待ちで後ろからリナに声を掛けられる。
俺はチラッと後ろを振り返り、答える。
「おはよ。」
リナは何やらニヤニヤしている。
「アズサとクリスマスデートなんだってぇ?」
もう聞いたのか。いつものような責めるトーンではなく、今日はからかうようなトーンになっている。
「なんかうまく言質を取られた感じやけど、まぁ、そうやな。」
「ま、あの子は嬉しそうだったからいいけど、適当なことはしないでよね。」
「わかってるよ。」
しっかり釘は刺された。
こうして、なんだかんだと話をしながら、リナと合流してから数分で学校につく。家から学校まではトータルで20分弱の距離だ。
学校につくと、自転車置き場に自転車を止め、校舎へと向かう。校舎は古い校舎のため、特に上履きに履き替えるということはない。普通に教室まで土足で入るタイプだ。
教室では普通にクラスメイトに挨拶をし、大体タクミとヨウスケと一緒に何らか話をしていることが多い。そういえば、タクミとアズサが付きあう未来はどこにいったんだろう。俺がしっかりフラグを折ってやらねばならないのかもしれないが、うまくいかずに本当に申し訳ない。
小声でタクミに伝えておく。
「すまん。なりゆきでアズサと24日に遊ぶことになった。」
「え、ついにお前ら付き合うん!?」
タクミはショックを受けたでもなく、純粋に驚いたような様子だ。
「いや、そういうわけじゃないけど、色々あって断り切れんかった。」
「へー。そっか。ふーん…あ、俺には気ぃまわさなくて大丈夫やからな。もうなんかある程度吹っ切れたっていうかな。」
タクミに嘘をついている様子はない。こちらのフラグが先に折れてしまったのか。やはり俺が知っている未来はどんどん遠くなっているようだ。
4時限目までが午前中、午後から5限、6限と続き、放課後となる。〇時間目という学校と、〇時限目という学校があると思うが、この学校は時限のほうだ。
各科目の授業は進学校だけあって、ハイレベルかつハイスピード。体育も割と容赦なく、男女別で、この寒い時期には持久走と縄跳びがメインとなる。2月には恒例行事である河川敷10㎞走がある。(女子は7㎞)
そんな何気ない一日だが、懐かしくもあり、かけがえない一日を過ごしている。この気持ちだけは忘れたくないものだ。
-----------------------
ランニングの効果は『運動脳』より拝借。
0
お気に入りに追加
206
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
思い出を売った女
志波 連
ライト文芸
結婚して三年、あれほど愛していると言っていた夫の浮気を知った裕子。
それでもいつかは戻って来ることを信じて耐えることを決意するも、浮気相手からの執拗な嫌がらせに心が折れてしまい、離婚届を置いて姿を消した。
浮気を後悔した孝志は裕子を探すが、痕跡さえ見つけられない。
浮気相手が妊娠し、子供のために再婚したが上手くいくはずもなかった。
全てに疲弊した孝志は故郷に戻る。
ある日、子供を連れて出掛けた海辺の公園でかつての妻に再会する。
あの頃のように明るい笑顔を浮かべる裕子に、孝志は二度目の一目惚れをした。
R15は保険です
他サイトでも公開しています
表紙は写真ACより引用しました
九龍城砦奇譚
菰野るり
ライト文芸
舞台は返還前の香港九龍城。
極彩色の洗濯物なびかせながら
飛行機が啓徳空港へ降りてゆく。
何でも屋のジョニーに育てられたアンディは10才。国籍も名字もない。
少年と少女の出逢いと青春を
西洋と東洋の入り混じる香港を舞台に
雑多な異国の風俗や景色
時代の波と絡めながら描く
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる