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モブ、体育祭は嫌い
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「あ、俺今日から放課後毎日委員会だから」
とある日ひーわが言い出して、私と夢は「ああもうそんな時期か」と顔を見合わせ歪める。
「何それ? てかこの学校委員会なんてあるの?」
と一人置いていかれているのは五央だ。まあ五央が転入してきた時はもうとっくに委員会決めなんて終わってたし、正直なところこの学校ときたら、委員会とか部活動とか、そういう課外活動の類は全然活発じゃないのだ。
「あるにはあるんだよー、でもみんな省エネ化にしか力を入れてないから、特にやることないんだけどね。月一の委員会議も基本ラインのグループかグーグルフォームよ」
夢がそう言いながら見せたスマホの画面の中には『第25期保健委員』のライングループ。夢は今年は私と一緒に学祭委員になったのでこれは去年のものだが、恐らく今年も運営にはそう大差ないだろう。ちなみに保健委員の活動は自分のクラスの近くの流しの備品補充だが、数年前に石鹸からハンドソープに変えた際、誰かが百均でシャンプー用のポンプボトルを買い設置したらしく、ハンドソープが切れることは滅多にないので、殆どやることはない。
「てか夢も入ってるって、じゃあみんな何かしらの委員会に入ってんのか?」
「まあ私も夢も今年は学祭委員だし、その時期になれば仕事するよ」
「うん、でも正直イベント前の学祭体育祭……後選管委員、それと学級委員以外は殆ど何もしてないから、委員会なんてあってないようなもんだよ」
「そう考えると体育祭と学祭委員やってる俺らってめっちゃ働いてない?」
「確かに~!」
「えらっ!」
そうやって私と夢とひーわで盛り上がっていると、一人置いていかれた五央は「いや流石に無所属はやばくないか?」と一人神妙な面持ちで唸っている。「五央は真面目だからなあ」とひーわが優しい目で見つめていて、その二人を夢がまた優しい目で見つめていて、多分私はそんな三人をおんなじような顔で見つめているんだろう。平和だなあ……ともう殆ど夏の日差しを肩に浴びながら、ふと思った。
◆
しかし人生において瞬間噛み締められるような平和は早々続かない。大抵のことは後々思い返せば「あの頃は平和だったな」でひとまとめにされるだろうが、にしたって今の私からすればそれらの大半は必死で、どうにかしなくてはならないことだ。
で、その必死でどうにかしなくてはならないこと、がしっかり起きてしまったのである。
「俺も体育祭委員になったわ」
とその日の放課後、五央が突然言い出したのである。
「先生に俺の委員会どうしたら良いですかって言ったら、『あっじゃあ樋渡と一緒に体育祭委員で』って言われた」
「もう『あっじゃあ』にこの学校の良いところと悪いところ全部詰まってるよね」
とひーわが苦笑する。確かに、どんだけいい加減なんだ。ただこのいい加減さがあるからこそ、ハンドソープをあんな馬鹿でかいボトルに入れても見逃してくれているのだろうけど。
「でも結果オーライ、良かったじゃん? 委員会無事入れたし、体育祭委員ならひーわと真麟だから楽しそう! 他のクラスの委員も……あ」
夢も私の危惧している点に気付いたようだ。そう、他のクラス、六組の体育祭委員には、私の元彼である真中颯が居るのだ。しかも五央のことを私のこととひーわの親友の座を奪おうとしている男だと、一方的にライバル視しながら。
「まあ大丈夫だって、俺も案外そういうの上手いことやれるし、他のサッカー部のやつも居るから」
とひーわが中間管理職みたいな可哀想な発言をして、そこでやっと五央も、
「あ、ひかるの元彼」
と颯の存在に思い当たったようだった。
「うわ普通に保健委員にして貰えば良かった……ひーわと一緒に放課後委員会活動って楽しそうってそれしか考えてなかったわ」
「五央そういうとこ可愛いけど、それ言ったら颯ピキピキするだろうなあ」
「ひーわの可愛いけど、とか言っちゃうとこにも真中くんはピキると思うよ」
「うわああ」
と三人が頭を抱えて大袈裟なポーズでケラケラやっているのを見ながら、私はこうやって笑い話にしてくれるの有難いけど、颯にもみんなにも本当に申し訳ない、と内心反省をする。別れること自体は仕方のないことだとしても、私が颯としっかりとコミュニケーションをとれていて、私が彼を納得させられていれば……と思うのだ。
この日の帰り道、ひーわと五央を委員会へ見送った私と夢は二人で帰ることになったので、そんな話をしてみた。そうすると夢は、「それって何気にすごいエゴだね」と笑った。
◆
それからの毎日、私はそれなりに不安に思いながら過ごしていたのだが、目に見える範囲では特に何かが起こることもなく、一見平穏そうに日々は流れていく。
昼休み、いつものように四人でお弁当を食べながら、どうでもいい話をしたりして、それはまるで平和そのものだ。
「あ、やば、今日の世界史って地図帳要るんだっけか?」
と珍しく五央がらしからぬことを言う。
「そうだよ、五央が忘れ物なんてウルトラ珍しくない?」
と夢が心配そうに五央を見つめる。すっかりみんな忘れかけているが、五央はなんだかんだ転入生なので、このクラス以外に知り合いは殆ど居ない。なので何かを忘れたりしても気軽に借りに行けるわけではないのである。多分夢はそれを心配しているのだろう。
「あー違う違う、貸してんの。今日使うって忘れてたから昼休みに返してって言うの忘れてたわ。ちょっと取り行ってくる」
「なんだ、まあ五央が忘れ物なんてそんなレアな事案、なかなか起きないか。いってらー」
と夢がひらひらを手を振るので、私も合わせて「いってらー」と手を振り五央を送り出す。そうして五央の姿が見えなくなったのを確認してから、私と夢は「誰?」とひーわに詰め寄った。
「お前らこっわ」
「いや五央が他のクラスに知り合いって絶対体育祭委員じゃん」
「もしかしてサッカー部?」
「いやサッカー部っていうか、サッカー部だけど」
あーこのぼやかし方は、絶対そうじゃん。
夢も同じことを思ったらしく、私が言う前に
「真中くんってこと?」
と単刀直入にぶっ放していた。
「そう……なるね」
とひーわが弱々しい声で肯定する。一体颯、何を考えているんだ。
「五央はあれでいて人間の機微には疎いというか、性善説のもと生きてるって感じだから置いておいて、いくらなんでも颯は単純にいざ絡んでみたら五央のことめっちゃ気に入って……とか……だったら良いけども」
私が眉間に皺を寄せながらひーわに詰め寄ると、夢に「顔、顔」と嗜められてしまう。おっと失礼、と眉間の皺を指で無理矢理ほぐしながら私は再びひーわの方へ視線を向ける。
「それが颯、なんも言ってこないんだよね。多分どんな奴か見極めてやる! ってつもりでガンガン話しかけてたら、五央が懐いちゃってなんだかんだ颯も悪い気しなくて……でもまだ認めたくない! って状況なのかなあって思ってる」
「馬鹿なんか二人とも」
私が思わず毒を吐くと、
「五央って人見知りとは違うけど、自分から先手打って、ってよりは受け身タイプだもんねぇ。だからこそ私とひーわも五央と仲良くなれたんだと思うし」
と夢がしみじみ、と言った風に語る。言われてみれば夢は五央の転入初日から隣の席だからとしつこいくらい話しかけていた。
「何にせよ颯がそんな悪いことできるやつじゃないっていうのは、ひかるが一番わかってるでしょ? 俺も本人の気持ちの整理が付くまで五央のことは触れないでおくけど、でも多分あの二人も仲良くなれると思うし、なってくれたら嬉しいなって思ってる」
ひーわがそう言うと、夢も、
「確かに五央もそろそろ他の世界も見るべきかもしれないね、巣立ちの時、みたいな」
と勝手に保護者面してうんうん、と語り出したので、私は思わず笑った。
そうして結局、颯の気持ちは誰にもわからないまま(ひーわ曰く、本人にもよくわかってないんじゃない、とのこと)、私たちはもう夏休み前の期末テストを迎えようとしていた。
とある日ひーわが言い出して、私と夢は「ああもうそんな時期か」と顔を見合わせ歪める。
「何それ? てかこの学校委員会なんてあるの?」
と一人置いていかれているのは五央だ。まあ五央が転入してきた時はもうとっくに委員会決めなんて終わってたし、正直なところこの学校ときたら、委員会とか部活動とか、そういう課外活動の類は全然活発じゃないのだ。
「あるにはあるんだよー、でもみんな省エネ化にしか力を入れてないから、特にやることないんだけどね。月一の委員会議も基本ラインのグループかグーグルフォームよ」
夢がそう言いながら見せたスマホの画面の中には『第25期保健委員』のライングループ。夢は今年は私と一緒に学祭委員になったのでこれは去年のものだが、恐らく今年も運営にはそう大差ないだろう。ちなみに保健委員の活動は自分のクラスの近くの流しの備品補充だが、数年前に石鹸からハンドソープに変えた際、誰かが百均でシャンプー用のポンプボトルを買い設置したらしく、ハンドソープが切れることは滅多にないので、殆どやることはない。
「てか夢も入ってるって、じゃあみんな何かしらの委員会に入ってんのか?」
「まあ私も夢も今年は学祭委員だし、その時期になれば仕事するよ」
「うん、でも正直イベント前の学祭体育祭……後選管委員、それと学級委員以外は殆ど何もしてないから、委員会なんてあってないようなもんだよ」
「そう考えると体育祭と学祭委員やってる俺らってめっちゃ働いてない?」
「確かに~!」
「えらっ!」
そうやって私と夢とひーわで盛り上がっていると、一人置いていかれた五央は「いや流石に無所属はやばくないか?」と一人神妙な面持ちで唸っている。「五央は真面目だからなあ」とひーわが優しい目で見つめていて、その二人を夢がまた優しい目で見つめていて、多分私はそんな三人をおんなじような顔で見つめているんだろう。平和だなあ……ともう殆ど夏の日差しを肩に浴びながら、ふと思った。
◆
しかし人生において瞬間噛み締められるような平和は早々続かない。大抵のことは後々思い返せば「あの頃は平和だったな」でひとまとめにされるだろうが、にしたって今の私からすればそれらの大半は必死で、どうにかしなくてはならないことだ。
で、その必死でどうにかしなくてはならないこと、がしっかり起きてしまったのである。
「俺も体育祭委員になったわ」
とその日の放課後、五央が突然言い出したのである。
「先生に俺の委員会どうしたら良いですかって言ったら、『あっじゃあ樋渡と一緒に体育祭委員で』って言われた」
「もう『あっじゃあ』にこの学校の良いところと悪いところ全部詰まってるよね」
とひーわが苦笑する。確かに、どんだけいい加減なんだ。ただこのいい加減さがあるからこそ、ハンドソープをあんな馬鹿でかいボトルに入れても見逃してくれているのだろうけど。
「でも結果オーライ、良かったじゃん? 委員会無事入れたし、体育祭委員ならひーわと真麟だから楽しそう! 他のクラスの委員も……あ」
夢も私の危惧している点に気付いたようだ。そう、他のクラス、六組の体育祭委員には、私の元彼である真中颯が居るのだ。しかも五央のことを私のこととひーわの親友の座を奪おうとしている男だと、一方的にライバル視しながら。
「まあ大丈夫だって、俺も案外そういうの上手いことやれるし、他のサッカー部のやつも居るから」
とひーわが中間管理職みたいな可哀想な発言をして、そこでやっと五央も、
「あ、ひかるの元彼」
と颯の存在に思い当たったようだった。
「うわ普通に保健委員にして貰えば良かった……ひーわと一緒に放課後委員会活動って楽しそうってそれしか考えてなかったわ」
「五央そういうとこ可愛いけど、それ言ったら颯ピキピキするだろうなあ」
「ひーわの可愛いけど、とか言っちゃうとこにも真中くんはピキると思うよ」
「うわああ」
と三人が頭を抱えて大袈裟なポーズでケラケラやっているのを見ながら、私はこうやって笑い話にしてくれるの有難いけど、颯にもみんなにも本当に申し訳ない、と内心反省をする。別れること自体は仕方のないことだとしても、私が颯としっかりとコミュニケーションをとれていて、私が彼を納得させられていれば……と思うのだ。
この日の帰り道、ひーわと五央を委員会へ見送った私と夢は二人で帰ることになったので、そんな話をしてみた。そうすると夢は、「それって何気にすごいエゴだね」と笑った。
◆
それからの毎日、私はそれなりに不安に思いながら過ごしていたのだが、目に見える範囲では特に何かが起こることもなく、一見平穏そうに日々は流れていく。
昼休み、いつものように四人でお弁当を食べながら、どうでもいい話をしたりして、それはまるで平和そのものだ。
「あ、やば、今日の世界史って地図帳要るんだっけか?」
と珍しく五央がらしからぬことを言う。
「そうだよ、五央が忘れ物なんてウルトラ珍しくない?」
と夢が心配そうに五央を見つめる。すっかりみんな忘れかけているが、五央はなんだかんだ転入生なので、このクラス以外に知り合いは殆ど居ない。なので何かを忘れたりしても気軽に借りに行けるわけではないのである。多分夢はそれを心配しているのだろう。
「あー違う違う、貸してんの。今日使うって忘れてたから昼休みに返してって言うの忘れてたわ。ちょっと取り行ってくる」
「なんだ、まあ五央が忘れ物なんてそんなレアな事案、なかなか起きないか。いってらー」
と夢がひらひらを手を振るので、私も合わせて「いってらー」と手を振り五央を送り出す。そうして五央の姿が見えなくなったのを確認してから、私と夢は「誰?」とひーわに詰め寄った。
「お前らこっわ」
「いや五央が他のクラスに知り合いって絶対体育祭委員じゃん」
「もしかしてサッカー部?」
「いやサッカー部っていうか、サッカー部だけど」
あーこのぼやかし方は、絶対そうじゃん。
夢も同じことを思ったらしく、私が言う前に
「真中くんってこと?」
と単刀直入にぶっ放していた。
「そう……なるね」
とひーわが弱々しい声で肯定する。一体颯、何を考えているんだ。
「五央はあれでいて人間の機微には疎いというか、性善説のもと生きてるって感じだから置いておいて、いくらなんでも颯は単純にいざ絡んでみたら五央のことめっちゃ気に入って……とか……だったら良いけども」
私が眉間に皺を寄せながらひーわに詰め寄ると、夢に「顔、顔」と嗜められてしまう。おっと失礼、と眉間の皺を指で無理矢理ほぐしながら私は再びひーわの方へ視線を向ける。
「それが颯、なんも言ってこないんだよね。多分どんな奴か見極めてやる! ってつもりでガンガン話しかけてたら、五央が懐いちゃってなんだかんだ颯も悪い気しなくて……でもまだ認めたくない! って状況なのかなあって思ってる」
「馬鹿なんか二人とも」
私が思わず毒を吐くと、
「五央って人見知りとは違うけど、自分から先手打って、ってよりは受け身タイプだもんねぇ。だからこそ私とひーわも五央と仲良くなれたんだと思うし」
と夢がしみじみ、と言った風に語る。言われてみれば夢は五央の転入初日から隣の席だからとしつこいくらい話しかけていた。
「何にせよ颯がそんな悪いことできるやつじゃないっていうのは、ひかるが一番わかってるでしょ? 俺も本人の気持ちの整理が付くまで五央のことは触れないでおくけど、でも多分あの二人も仲良くなれると思うし、なってくれたら嬉しいなって思ってる」
ひーわがそう言うと、夢も、
「確かに五央もそろそろ他の世界も見るべきかもしれないね、巣立ちの時、みたいな」
と勝手に保護者面してうんうん、と語り出したので、私は思わず笑った。
そうして結局、颯の気持ちは誰にもわからないまま(ひーわ曰く、本人にもよくわかってないんじゃない、とのこと)、私たちはもう夏休み前の期末テストを迎えようとしていた。
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