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Brownie, Espresso and.

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目覚めると、窓の外には朝焼けに照らされた富士山がくっきりと見渡せる美しい景色が広がっていた。



先輩はまだベッドで寝息を立てている。



昨夜はあれから一緒にシャワーを浴びて、バスルームと、それからベッドに戻ってもう一回、、してしまったのだった。



こうして髪をクシャクシャにして無防備に眠る先輩の寝顔を見ていると、夢のようだけど夢じゃなかったんだと、何とも言えない幸福感でいっぱいになる。大好きな人。ずっとそばにいたい。起こさないようにそっとキスをしてから、ベッドを抜け出した。



実は昨日部屋に入った時からカウンターに置いてあるエスプレッソマシーンが気になっていたのだ。コーヒー好きの先輩がエスプレッソの香りで目覚めたらきっと喜んでくれるに違いない。



電源ボタンを押すとウォームアップが始まり約30秒ほどでスタンバイ完了。専用ポッドをセッティングしたら、あとは抽出口の下にカップを置いてボタンを押すだけ。



ガガガッッッ、、、というかなり大きめの⁈音がするのは想定外だったけど、それと同時に香ばしいコーヒーの香りが部屋中に広がる。



「ん、、、おはよう、、いい香り。コーヒー淹れてくれたの?」



振り返ると先輩がまだ眠そうな目を擦りながら起き上がって言った。



「おはようございます。起こしちゃいました?」



「大丈夫。てかもう起きないと」



ベッドから立ち上がった先輩にふいに後ろから抱きすくめられ、首筋にキスをされ気が遠くなる。



「んっふふ。大丈夫?顔洗ってくるから、あっちのテーブルに置いといてくれる?コーヒー」



そう言って先輩はバスルームに消えていった。



エスプレッソの入った二つのカップを窓際のテーブルまで運ぶ。



窓の景色に目をやると陽は更に昇り、朝靄にぼんやりと浮かぶ島のように見えるのは神宮の森だろうか?



「あの森みたいに見える所は代々木公園、で、その向こうが渋谷。左手の方は原宿になるかな」



いつの間にいたんだろうか、気付くと先輩が私の隣に立っていて、私の目線の方向でどこを見ているか察して教えてくれた。



「ちょうど今、あの森みたいに見える所はどこかなって思ってたんです。以心伝心みたい、、、」



「んふっ。良かった、、、」



コーヒーを啜りながら先輩が続けた。



「俺の部屋、代々木公園の近くなんだよね。よかったら今度遊びにこない?、、、てか、言い難いんだけど、ここのホテル代、、めちゃくちゃ高くて、、、しばらく金かかるデート無理そう、、、」



少し恥ずかしそうに白状する先輩が可愛い。



「先輩、、、か、可愛い、、」



「言うな」



「キャハッ!!じゃ早速、次の週末遊びに行ってもいいですか?お弁当作って公園デートしたい」



「うん、、いいね、それ。

あ、そういえば昨日貰ったブラウニー、このエスプレッソに合いそう」



「食べてみます?」



「そうしようか?」



まさかこんな形で先輩と一緒に自分が作ったブラウニーを食べることになろうとは、、、
全く想像もしていなかったけれど、、エスプレッソとブラウニー、、、苦くて甘い私のラブストーリー。これにて完結、かな??




終わり
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