5 / 5
エピローグ
しおりを挟む
シャワーの後、身支度を終え、再び店内に戻るとルイがコートを片手に待っていてくれた。
あんなことした後なのに、何事もなかったかのような完璧なルイの姿にいちまつの寂しさを感じる。
(仕方ないよね。だってそういうお店なんだから)
自分に言い聞かせながら、なんとか平静を装い、レジに向かった。
「カナさん、本日はご利用ありがとうございました、お会計はこちらになります」
カードで支払った後、会員システムの書かれた案内書を手渡され、コートを羽織らせてもらう。
しつこい勧誘もなく、少しホッとする。
そのままドアまでエスコートをされながら、いよいよお見送りだ。
ガチャッ。
ドアノブを回すルイの美しい手。
「雨、、、
いつのまにか、上がったみたいですね」
「ええ」
「素敵な雨宿りの時間をお過ごしいただけたのなら嬉しいのですが、、」
そう言って深くお辞儀をし、手を振るルイ。
「またいつでも雨宿り、お待ちしております」
「傘がなかったらね、、」
笑顔で返し、店を後にした。
数メートル歩いて、振り返ると、まだ手を振っている。
次に急に雨に振られたら、私はどうするのだろうか。
完(おわり)
あんなことした後なのに、何事もなかったかのような完璧なルイの姿にいちまつの寂しさを感じる。
(仕方ないよね。だってそういうお店なんだから)
自分に言い聞かせながら、なんとか平静を装い、レジに向かった。
「カナさん、本日はご利用ありがとうございました、お会計はこちらになります」
カードで支払った後、会員システムの書かれた案内書を手渡され、コートを羽織らせてもらう。
しつこい勧誘もなく、少しホッとする。
そのままドアまでエスコートをされながら、いよいよお見送りだ。
ガチャッ。
ドアノブを回すルイの美しい手。
「雨、、、
いつのまにか、上がったみたいですね」
「ええ」
「素敵な雨宿りの時間をお過ごしいただけたのなら嬉しいのですが、、」
そう言って深くお辞儀をし、手を振るルイ。
「またいつでも雨宿り、お待ちしております」
「傘がなかったらね、、」
笑顔で返し、店を後にした。
数メートル歩いて、振り返ると、まだ手を振っている。
次に急に雨に振られたら、私はどうするのだろうか。
完(おわり)
0
お気に入りに追加
18
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】


冷徹上司の、甘い秘密。
青花美来
恋愛
うちの冷徹上司は、何故か私にだけ甘い。
「頼む。……この事は誰にも言わないでくれ」
「別に誰も気にしませんよ?」
「いや俺が気にする」
ひょんなことから、課長の秘密を知ってしまいました。
※同作品の全年齢対象のものを他サイト様にて公開、完結しております。

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる