救う毒

むみあじ

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8月 樒

第101話*

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「ぁ…は、あっ…♡、きもちぃ…ん、ぅ…♡」
「……輝、貴様、何をしている?」
「ごめ、なさっ…はぁ、ん…っ腰、とまんないっ、です…っ♡」



無様にも腰を揺らして布ごしの性器を会長の太ももへと擦り付ける。サラサラの布で先端を擦るのが気持ちよくて、どうしても腰が止められない。



「っ、はは…貴様は随分と淫乱だな?このど変態」
「あぅ…っ♡は、ひ…っ、ごめ、なしゃ…っ♡」



俺の痴態を観察していた会長が、俺の耳元で罵りを口にする。罵られているというのに、俺の体は敏感に反応してしまい、はふはふと熱い息を漏らしながら腰を動かし続けていた。


「罵られても興奮するのか?救いようのないドマゾだな」
「っ、ふ、ごめ、なさ…っ…はぁ、んんぅ…♡」
「腰の動きが早くなったな。くく、人の足でするオナニーはどうだ?気持ちいいか?」
「ん、んっ、…きもちぃ…はぁ…♡きもちぃっ、です…♡」



回らない頭で彼の言葉に返答すれば、楽しげに喉の奥で笑いながら、俺の愚息へぐりぐりと太ももを押し付けてきた。一際甘い喘ぎ声を漏らせば、それがお気に召したのかさらに刺激し始める。

徐々に早くなっていく腰の動きを、彼は見つめ続けた。見られている、という事実にどうしようもなく興奮してしまい、また動きが速くなるという悪循環に陥る。



「っ、う…ふぅ゛っ、…はぁ、っあ゛ぅ~っ…、」



唸るような喘ぎ声を出しながら、必死になって腰を振る。今の俺は本当に無様なんだろうな、なんて、どこか冷静な頭で考えながらも腰を止めることはできない。

あと、あと一歩。あと一歩が足りない。
先端から溢れた透明な液体と肌触りの良い布によって、ぬちゃぬちゃと卑猥な音を立てている性器は痛いくらいに張り詰められている。
しかし、だ。
足りないのだ。この刺激ではまだ足りないのがわかる。わかってしまう。大きな掌で根元から搾り取るように擦り上げられる快感を知っている俺の愚息は、こんな生半可な刺激では満足しないのだ。
あぁもう!俺に似て我儘に育ちやがって!



完全に快楽の虜になってしまった俺は、恥も何もかもを捨て置いて、彼へと縋り付く。



「かぃ、ちょおさまッ…♡あ゛っ、うぅ゛~っ…はぁ…ったすけて、くらさい゛ぃ…っ、たり、ないっ…たりない、の…っ♡」


媚びた甘さのある声を出しながら、馬鹿の一つ覚えのように無我夢中で腰を揺らす。時折腰をグラインドさせたり、ねっとりとした滑らかな動きに変えたりしてみるが、やはりあと一歩がどうしても足りないのだ。


「…会長はやめろ。晃だ、輝、晃と呼べ」
「ぁうっ、はぁ…あきら、さん…っ、あきらせんぱ、っ…はぁっ、あ゛ぅ~っ…♡」
「ちゃんとおねだりをしてみろ、輝」


とろとろになった脳みそを攪拌するような低く甘い声が耳元で囁かれる。会長の名前を呂律の回らない舌で必死に紡げば、彼は満足そうに一度笑ってからおねだりの催促をし始めた。

甘ったるく蕩けた思考で掻き集めた単語たち、それらを、拙いながらに紡いでいく。




「あきら、せんぱぃっ…おねが、っおねがいします、♡…っおれ、の…ちんぽ…♡はぁっ、…んぅ…さわって…?あきらせんぱいの、…あっ、…ふ、うぅ…♡おっきい、手で…ッいっぱい…はぁ…っぬぽぬぽって、してっ…んぅっ…くらさい…っ♡」



馬鹿になった脳味噌は理性のカケラも感じられない言葉を紡いだようで、俺のおねだりを待っていた彼は大きく目を見開いた。けれどそれも一瞬で、すぐに目を細めて獰猛に笑う。


「く、はははっ、いいな…気に入った。触ってやるよ。ほら、力を抜け」


ひとしきり笑うと、一等優しい声で力を抜くよう促される。こくりと首を縦に振って、そのまま身を委ね腹に入れていた力を抜けば、褒めるように腹を撫でられる。最初は我慢しようとしていた霰もない声がなんの抵抗もなく漏れ出た。彼はそんな俺にまたくつくつと笑いながら、ゆっくりと俺の水着を下ろす。

ふるり、と飛び出した薄桃色の性器は、先端から溢れた透明な液体によってテラテラといやらしく光っている。時折小刻みに震えてはぷくりと透明な液体を吐き出す。その淫猥な光景を見つめていると、先端に彼の指が触れた。


「ぁっ…あ、ぅ~っ…♡」


グリグリと指を押しつけたかと思えばそのまま真上へと指を離す。付着した粘性のある液体が、とろりと伸びて糸を引いた。そのいやらしさにまたぴくりと性器が震えれば、晃先輩は喉の奥で笑って震えたそれを握り込んだ。


「どうだ?気持ちいいか?」
「あっ、ぁあッ…ふ、ぅう゛っ、やぁ、っ…はぁ、たり、ないれすっ…♡」
「足りない?何がだ?」


わざとらしく手を動かすスピードを緩めている彼に懇願の眼差しを向ける。しかし晃先輩は笑みを浮かべるだけで、一向にスピードを上げようとはしない。


「っ、ふ、あぁっ…♡はぁッ…はぁッ…、もっとぉ…はやくっ、うごか、っして…ッはぁ…っくらさい…♡」


ゆっくりと動かされる晃先輩の手に、自身の性器を押し当て、自慰でもしているかのような状態で下品にも媚び諂う。こんな事ダメだとわかっているのに、歯止めの効かない俺は夢中で腰を前後させた。



「人の手まで使ってオナニーか…ほら、こうか?」
「ん゛あ゛ぁっ!?♡はやっ、ぁあ゛あ゛ッ、はやい゛ぃっ!♡あっ、あっ、あ゛っ、あ゛ッ♡」



呆れたような声を出した晃先輩は、言い終わるや否や性急に上下運動を早める。大きな掌で裏筋を勢いよく擦られるだけで、腰から脳天に突き抜けるような鋭い痺れが走った。たしかにもっと早くとは言ったが、いくらなんでも早すぎる。鋭い痺れが何度も何度もやってくるものの、それら全てを受け止めきることは出来ず、咄嗟に逃げようと体を捩った。けれどそれは無理な話で。


「逃げるな。ほら、もっと早くしてやろう。どうだ?気持ちいいか?」
「ぁああっ!きもちい゛ッ、きもちいから゛ぁッ♡はやっ、いぃっ!ッもっと、ゆっくり゛ッ」
「気持ちよくなりたかったんだろう?なら別に、ゆっくりする必要はない。それに…本当は嫌ではないはずだ。なぁ、輝」


がくがくと足が震える。彼の低くも甘い声でトドメを刺された俺は、足に全く力が入らなくなり彼の膝へと座り込んでしまった。そんな状態にもお構いなく、卑猥な水音を立て俺の男根を扱き上げる彼の目を見つめる。


晃先輩の言う通り、本当は嫌じゃない。
むしろ、もっと早くされても良い。
何もかも忘れ、脳味噌が焼き切れるほどの快楽を、俺は密かに望んでいる。




秘めていた願望を見抜かれた瞬間、俺の理性はガラガラと音を立てて崩れ去った。




「ぁきらせんぱッ♡あきらせんぱぃッ♡ぃ゛くっ、いっちゃう゛ッ♡もっと、もっとちょうらいっ…♡いっぱい…ん゛っ、っきもちくしてッ?♡」
「ッくそ、煽るなッ!」
「あきらせんぱいっ♡あきらせんぱぃっ♡いきたい゛っ、いかせて…っ♡あきらせんぱいっ♡おねがッ、はぁっ…ッおねがいしますっ♡おちんぽみるくっ♡…ッださせてぇっ♡」



脆すぎる理性が砕け散った瞬間、俺はエロ漫画で使われそうな台詞を次々と口に出す。

冷たかった体はいつのまにか汗を流す程に熱く昂っていて、個室全体に目眩がしそうなほどの熱気が篭っている。晃先輩も幾筋もの汗を体中に垂らし、荒く息を吐いているから俺と同じくらい、いや、むしろ晃先輩の方が体温が高そうだ。



「っ、ふざけんな…クソッ…お前ホント、俺の理性に感謝しろよッ…」



浮かべていた笑みを崩し、ぎりりと歯を食いしばった晃先輩は、俺を睨みつけてから性器を高速で扱き上げた。硬めの掌で裏筋を擦り上げられ、くびれの部分を責められる。それだけで、俺は体を跳ね上げて顎を逸らした。


「ヒッ♡…ィイ゛ッッ♡こわッ、こわえぅッ…♡ちんぽこわぇぢゃうぅ゛ッ♡むりっ!むりぃっ……!♡ぁあ゛っ!でるっ…♡いぐッ♡ぃくっ、イくっ、イ゛クッ、イグッッ…♡」
「ほら、イけ」
「ぃ゛ぅッッ~~~~~~~ッ♡♡」



耳元で囁かれた「イけ」という命令に、バチンッと音を立てて何かが弾けた。真っ白になって何も考えられなくなった脳みそは、切れかけの電球のようにチカチカと点滅していて、その度体がビクビクと跳ねる。
顎を逸らして弓形になった俺の体を晃先輩が優しく撫でる。それすら今は快感に変換されてしまい、痙攣が止まらない。腰からびゅくびゅくと勢いよく溢れ出ている真っ白な欲の塊をぼんやりと見つめながら、荒く息を吐いた。


「………る、輝。おい、平気か?輝」
「ぁぇ…ん、はぁ…っはぃ…へいき、れす……」
「平気じゃないな…」


いつのまに拘束を解かれたのか、俺は壁に寄りかかり座り込んでいた。平気かと問う彼に曖昧に返事をして震える足へ力を入れる。潔癖ではないが、シャワールームの床に座るのは若干の嫌悪感があるのだ。

シャワーの蛇口を捻り水を出した晃先輩は、手を洗い流し、俺の足先からゆっくりと水をかけていく。
熱でぼわぼわしている脳みそをそのままに彼を見れば、ばっちり張り詰めているご立派なそれに視線が集中する。俺の痴態に彼も興奮したのか、なんて考えながら、彼の瞳を覗いた。


「それ、つらいですか?」
「あ?あぁ、これか。別に。貴様はとっとと頭を冷やせ」
「ふふ、おれがしてあげよっか?」
「…バカなことを言うな」


まだ冴えない頭で言葉を吐く。これはもはや脳味噌を通過していないので脊髄で喋っているようなものだ。俺ばっかり気持ち良くなるのはフェアじゃないし、それは独りよがりで寂しいからと抜くのを手伝おうかと伝えたが、馬鹿なことだと一蹴されてしまった。けれども、言葉を返す前の不自然な間に気がつき、俺はつけ入ることができそうだとそっと目を細める。



「とりあえず水…いや、ミックスジュースしかないな。それでいいから、飲め。ほら、開けてやったから、持てるか?」
「もてないです」
「嘘をつくな、ほら。熱中症になる」
「もてないです~っ」



べっと舌を出しながら子供のように駄々をこねる。今俺はちゅうがしたくてたまらないのだ。だってあんなに気持ちよかったのにちゅうがなかった。ちゅうがあればもっと気持ちよかったのに。



「そんなにのませたいなら、あきらせんぱいがのませてよ」
「は?」
「ちゅう~♡って…しよ?前はできなかったでしょう?ちゅう」



そう、前は出来なかった。
丁度よく樹先生が帰ってきてしまって、舌を絡め合うえっちなちゅうは出来なかったのだ。考えないようにしていたが、あれはものすごく悔しかった。だって完全にちゅうしたい気分だったんだもん。

だからこその提案だったのだが、彼は目を見開き驚愕した後、すぐに顔を顰めてしまう。何故そんな反応をするのかわからなくて、俺はただただ首を傾げた。



「ッ貴様、良い加減悪ふざけは…」
「晃先輩だってしたいんでしょう?えっちなちゅう。口の中をまさぐって、舌を吸ったり噛んだりして、上顎をこすってとろとろになっちゃうえろいちゅう。したいんでしょう?」



にこにこと笑みを浮かべながら彼を上目で見上げる。俺の言葉通りの想像をしてしまったのか、晃先輩はごくりと喉を鳴らして、再び瞳をギラギラと輝かせた。それがとっても格好良くて、俺はうっとりとした笑みを浮かべながら、晃先輩の顎にそっと自分の唇を押し当てた。



「なッ」
「んふふ、ちゅうしましょ?口移しでも良いですよ?ほら、ちゅう~~~♡って、ね?」



彼の首に腕を絡めて背伸びをしながら何度も何度も唇を当てる。顎、首筋、胸元までしつこいくらいにちゅうをした。最後の仕上げは唇の端。一生懸命背伸びをしながら、端の方へ音を立てながら唇を当てる。




そうするとどうなるかって?




「ッくそ…だから、煽るなって言っているだろうッ!」




正解は~~~
怒った晃先輩が噛み付くようなえろいちゅうをしてくれる♡でした~~~~♡
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