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悩みと真実
しおりを挟む俺と涼太は花火の後、二人でリビングのテーブルに向かい合って座ってる。
俊也と豊の姿はなく、オメガ同士、アルファ同士でのお喋りタイム、なのかな。
「良かったね、涼太」
真っ先に涼太に笑顔を向けた。
「ありがと....」
照れくささを隠すように涼太はカップのアイスに視線を落とし、スプーンでつつく。
「それでさ、涼太は今日、豊と寝るんでしょ?」
「はあ!?」
「いいなあ...俺さ、キスしかしてくれなくて...こう...唇を合わせるだけの奴。俺が子供っぽいからかなあ」
ため息をつく俺を涼太はスプーンを咥えて眺めてる。
「羨ましいなあ、涼太は俺よりおとなっぽいから...」
肩を落としつつ俺もアイスを掬うと、涼太に笑われた。
「なっ!笑わなくてもいいじゃん、涼太!」
「あ、ごめん。樹の口からそんな事が出てくるとか意外だったから...いつまでも小学生じゃないもんね、樹だって」
「そりゃそうだよ」
「俺が羨ましいって良くわからないけど...それだけ、俊也に大切にされてる、て事なんじゃないの?樹の事」
「そうなのかな...?そうだとしても、キスだけじゃ物足りない、て...エッチだよね、俺」
「んー...16なら普通なんじゃない?そのままを俊也に伝えたら?」
「そのまま、て?」
きょとん、と向かい側の涼太を見る。
「キスだけじゃ物足りないから抱いて、て」
途端、ボンッと顔から火を吹きそうになった。
「い、言えないよ!そんな事、は、恥ずかしいもん!涼太は言えるだろうけど」
今度は涼太が真っ赤になった。
「お、俺だって言える訳ないじゃん!...豊を騙して...その...してた頃はさ」
「うん」
「樹とくっつかせない為、もあったんだけど。同時進行で父親からも...その、されててさ...ヤケクソみたいな面もあったんだ」
しんみりと語る涼太はまたカップアイスを見つめ、溶けたアイスをスプーンで小さく掻き回してた。
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