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寝つけない夜
しおりを挟むツインだから同じベッド、て訳でもないのに....緊張して胸がドキドキして。なんだか苦しい。
背中を向けているけど、少し離れたベッドには俊也がいる。
「なあ、樹」
「う、うん」
「...少し、そっち行ってもいい?」
俊也は返事を待ってくれているようで。
勝手にベッドに入っては来ない。
「う、うん...」
俊也の歩いてくる音。
暫くして俊也は背中に張り付くようにベッドに入ってきた。
「...今日はありがと、樹」
不意に、俊也を振り向くと、窓の薄いカーテンの月明かりが俊也の柔らかな笑顔を照らしていた。
「....別に感謝されることじゃないし、寧ろ、感謝したいのは俺や涼太や豊だよ...?」
俊也の長い指が俺の髪を撫でた。
「樹が言い出してくれなかったら、流星群とか見る機会もなかったし。それに、凄く楽しかったから」
思わず微笑むと、俊也は唇に優しいキスをくれ、瞼を閉じた。
離れるとまた、唇を押し当てるだけの優しいキス。
「涼太たちさ、明日、バーベキューや花火したい、て言ってたよ」
「楽しみ」
「俺も」
今度は俺から俊也の唇に唇を押し当てた。
「....俊也の唇、柔らかい....」
俊也は困惑した表情で、俺を見下ろすと、
「歯止めが効かなくなるから、ここまで。今日はもう寝よ?樹」
「うん....」
....変だ、俺。
やめないで、なんて思ってる。
ちょっと拗ねそうになりながら、俊也の腕枕で眠った。
「小さくて細くって女の子みたい」
「...女の子とこういうことしたことあるの?」
「無いよ。想像してみただけ」
俊也が俺の瞼にかかる前髪を優しく払い、笑顔を見せた。
釣られて、俺も微笑むと、再度、瞼を閉じた。
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