もう一度、誰かを愛せたら

ミヒロ

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「でも、バーベキューできる、ていいな」

「うちの別荘も出来なくはないけど、準備が大変だから...。だったら、コテージにする?あ、手持ち花火も持っていきたいね」

豊に、俊也が答えると、俺と涼太は、

「手持ち花火!?やりたい!」

「だね、もう初夏だし」

いつしか、俺もみんな、俊也の病院で起きた、有名女優の飛び降り自殺のニュースを忘れ、ノリノリな気分になった。

「じゃ、ちょっと待って、手配する」

俊也が何処かに電話し始め、出来たら穴場的なところで、星空が見える、コテージで、と俊也は話してる。
ついでに花火やバーベキューもしたいし、とか。

しばらくすると、電話を切った俊也が笑顔になった。

「めっちゃラッキーじゃない!?今夜から明日まで、流星群が見れる予定なんだって!」

「流星群!?」

みんな、身を乗り出した。

「俊也、見たことある?流星群」

「ううん、ないよ。樹は?」

「俺もない」

「涼太もないよな?」

豊が隣の涼太に尋ねると、

「えっ?う、うん、ない」

「そっか、俺もまだない」

優しい豊の笑顔が涼太には眩しいのかもしれない。

「じゃ、食べたら、向かお!?」

「食べたら、て、どうやって?」

俊也は頬張った料理をもぐもぐさせ、飲み込んでから、

「タクシーで」

と、言い、また、みんなを驚かせた。

「思い立ったが吉日じゃん?それに流星群、見逃すとか残念だし」

「....それはそうだけど」

「ほら、樹もさっさと食べちゃいなよ。涼太も豊も。だいぶ、冷めちゃったな」

そうこうしてるうちに俊也のスマホが鳴った。

どうやら、コテージが見つかったらしい。

....俊也の笑顔が見れるなら、ま、いっか。

隣で急いで料理を口に運ぶ、笑顔の俊也の横顔を見つめた。

俺まで笑顔にしてくれる、明るくて優しい笑顔。
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