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しおりを挟む「ね、ねえ、俊也、今日は外で食べない....?」
「外で?なんで」
「な、なんとなく」
頑張って笑った。
俊也を他の生徒に会わせない為に....。
「別にいいけど....」
ほんのひとときの逃げでしか無いのかもしれない。
だけど、怖い。
....俊也が泡になってしまいそうで。
知り合ってすぐの俊也はいつも、ツンツンした冷たい感じと態度も横柄だったけど、少しずつ、柔らかい俊也になった。
俺と知り合ったから、では無く、本来の俊也なんだろうと思う。
純粋で穏やかで、ロマンチストで....。
「....俺も行ってもいい?」
不安げに涼太が尋ねた。
涼太も多分、心配なんだろうと感じる。
「だったら、豊も誘うかー、初めてだな、4人で外で夕飯とか」
俊也が笑った。
豊もニュースを見たのか、俊也に対して、何処か気遣うような。
俊也は小首を傾げるけど。
俊也が初めて連れて行ってくれた、中華料理屋さんに入った。
「あら、いらっしゃい、俊也くん。....可哀想にね、まだあんな若さで」
「え?なんのこと?」
「あ、おばちゃん、何処の席がいいですか?友達、二人連れてきたから、4人で座れる席がいいなって」
話しを遮り、4人でテーブルを囲んだ。
俊也がトイレで席を外した際に3人で話し合った。
「....でも、いずれは俊也も知ることになるよ」
複雑な表情で豊が小声で切り出した。
「....わかってる、でも、怖くって...俊也のトラウマ、掘り起こしそうで」
「だよね....前はさ、有名人の息子で羨ましい、て思ってた...でも、当の本人は溜まったもんじゃないよね....俊也は関係ないのにね、息子だ、てだけで」
涼太が難しい顔で呟いた。
「なんの話し?」
ふと顔を上げると、トイレから戻ってきていた俊也が俺たちを見下ろしていた。
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