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しおりを挟むそれからも、俊也の隣を歩く、涼太と豊は興奮気味だ。
「ピアニストになった方がいいよ!俊也」
「そうだよ、もったいないー!」
俊也は苦笑してた。
「ピアノ弾きに来た訳じゃないし」
そんな俊也の後ろを歩く。
俊也の後ろ姿を眺めながら、俺の彼氏、誇らしいな、なんて思った。
そうして、みんなでショッピング。
「これとか似合いそう」
俺の服を見立ててくれる俊也。
ふと、反対側には涼太がしゃがみ込んでいた。
「なに見てんの?涼太」
豊が背後に立ち、話しかけてる。
「んー、ブレスレット」
「あー、樹の真似?」
「違うし!樹のブレスレット、オシャレでいいなあ、て思ってたから!指輪はなんか違うし!」
「ふーん」
ひょい、と豊は背後から、涼太が凝視していたブレスレットを取り上げた。
「ちょっ!なにすんの!?」
「....なに?喧嘩?」
不意に俊也が振り向き、涼太たちを見た。
「どうだろうね」
思わず、微笑んでしまう、俺。
「ほら」
きょとん、とした顔で涼太は豊を見上げてる。
豊は涼太の左手首を取ると、涼太が眺めていたブレスレットを涼太の手首に巻いた。
俺のとは、全く異なるデザイン。
小さな貝殻が付いてる細くて白いブレスレット。
暫く、涼太は丸い目でブレスレットを巻かれた手首を眺めてた。
「....買ってきてくれたんだ」
「ん?気まぐれ。気に入った?」
涼太は俯いて瞬きもせずにブレスレットを見つめ立ち尽くしてるけど、固まっていて、なんだか、顔もほんのり赤い。
「じ、自分で買うのに!」
「あっそ。でも、もう買っちゃったからさ。てか、樹は?いい服、選んで貰えた?」
豊が笑顔でこっちに向かってくる。
「うん。でも、悩んでるとこ」
「樹、小柄で細いから、サイズに悩むんだよな」
「子供服売り場、あるよ?」
豊が茶化し、俺は頬を膨らませた。
「ひどいな、豊、これでも、もう16だし。身長だって165になったんだから!」
途端、一瞬の間が空いた後、俊也と涼太に爆笑された。
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