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しおりを挟む「お腹空かない!?なんか頼もうよ!今日はいっぱい歌いたいし!歌ったらさ、なんかすっきりするじゃん!?」
空気を変えるように、涼太が明るくメニューを片手に言った。
「だな。こないだ、初めて、樹とカラオケ行ったんだ。歌う、て気持ちいいんだな」
「カラオケ、行ったことなかったの?マジで?」
涼太も豊も真ん丸な驚いた目で俊也を見る。
「うん。変、かな」
「いいんじゃん!?別に!高校デビューみたいなさ!俊也の歌、聴きたいかも!俺も歌いたいし、ほら、みんな歌お!」
俊也は童謡を熱唱し、暫く、涼太も豊もやっぱり驚いていたけど。
「懐かしいな。なんか耳に優しい感じもするし」
「だね。なかなか悪くないかも!童謡も!」
不意に、困惑した顔の隣の俊也が、
「最近の曲とか覚えなきゃ、て思ったんだけど、時間がなくて」
「そういや、俊也、クラシック、聴いてるみたいだもんな」
「うん。なんか落ち着くから」
「別にいいと思うよ?俊也。無理に最近の曲
、覚えたりしなくても。....ありのままで」
俊也が教えてくれた事。
「素の自分でいていいんだ、て俊也は気づかせてくれた。真似しちゃった」
肩を竦め、笑顔になった。
一瞬、きょとん、とした俊也も笑ってくれた。
「俺の笑顔だけ見ていたい、て俊也は言ってくれた。俺もね、俊也の笑顔だけ見ていたい」
気持ちを吐き出す、てなんだろう...清々しい。
自然と涼太も豊も笑顔になった。
不思議。
笑顔って、感染するのかな。
「....樹が好き。でも、いいのかな、俺....。樹を傷つけたりしないかな」
「俺も、俊也が好き。俊也がたくさん、笑顔にしてくれるから。嬉しい、て気持ち。初めての気持ち。色んな気持ちを俊也は教えてくれる。ずっと一緒にいたい」
素直な気持ちを打ち明けてた。
俊也は困惑するかな....不安だけど。
俊也は微かに微笑んでくれた。
「俺、泡になんかならないよ。それに、人魚姫なんかじゃない。ずっと前から人間だった。魔女なんかいなかった」
ぱちぱち、俊也が瞬きを繰り返した。
そんな俊也が愛しくて。大好きで。
....言葉にならない。
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