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繋がる思い
しおりを挟む「あー!なんかずっと話し聞いてたけど、ムカつくなー!俺がその場にいたら、俊也の周りの奴ら、全員纏めてぶん殴るのに!延長しよ、延長!」
涼太は怒り心頭な様子で、ぷんぷんしながら、壁に備えつけられた受話器に向かう。
「冷たくしていたら死なずに済んだ、て俊也、言ったけど、もし、俊也がその子を冷たくあしらってたらさ、他の奴らみたく性格悪くなって、もしかしたら、看護師の夢もその時点で無くなってたんじゃないかな」
豊が正面に座る俊也に語りかけた。
「俊也のせいじゃないよ。ずっと自分を責めてたのかもしれないけど。その子とは付き合ってたの?」
「いや、その子にはさ、他に好きな人がいたから...。その相談にも乗ってた。俺、当時、誰とも話さない陰気な奴でさ。話すのがだるかったから。そいつはサッカーやってて、明るくて、周りから人気者で」
不意に、延長してきた!と涼太が戻り、豊の隣にドン!と勢いよく座った。
「そいつはお前のことをなんも話したりしてはなかったの?他の奴らみたいに」
「え?あ、どうだろ...気にとめてなかったから....」
「案外、そいつも俊也の悪口、話してたんじゃない?その子をいじめてたのは誰?」
「.....それは」
俊也が顔を伏せた。
俊也が行為を抱いていたその女の子が好きだった男の子も加担し、二人をいじめてたんじゃないか、と閃いた。
「....あの子には気づかれないように、誰なんだろうな、て話したけど....」
「その子が傷ついたのは、好きな男の子からいじめを受けていたから、なんじゃないの?俊也」
俯いたまま、小さく語る俊也に声を掛けると、俊也は顔を上げた。
「俊也のせいじゃないよ、きっと。そんな気がする」
「そう....なのかな」
珍しく不安げな俊也の瞳。
きっと、ずっと一人で抱え込んで。
ずっと明るく振舞っていたのかな。
そう思うと悲しくなった。
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