もう一度、誰かを愛せたら

ミヒロ

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翌日、意外すぎる訪問者が来た。

黒髪で長身、細身で顔もイケてて...何処かで会った。

そして、すぐに思い出した。

「....樹の幼馴染み?」

「そ。豊。初めまして、でいいのかな」

いかにも優等生、な雰囲気と金髪な俺はきっと傍から見たらどう見ても不釣り合いだろう。

「ちょうど良かった、入れよ」

「ちょうど良かった、て?」

「とりあえず、なんか飲む?」

「あー、なんでも....」

「コーヒーでいい?テキトー座って」

長身を折り曲げて、テーブルに向かい合った。

「ちょうど良かった、て、なにかあった?」

「その口ぶりだとなんか知ってんの?」

「知ってるって?なにが?」

「まあ、いいや。コーヒーどうぞ」

豊はブラックコーヒーのカップを傾けた。

「てかさ、警告というか、助言というか...それに心配で」

「....なに?」

「涼太、て奴が近づいて来てない?」

「既に」

俺もコーヒーを一口飲んだ。
その間に、

「....やっぱり」

豊が呟く。

「あいつには気をつけろよ、俺も訳わかんないんだけど....」

「虚言癖とか?」

カップを口元に寄せたまま、即座に尋ねると豊が目を丸くした。

「ついでにサイコパス。もしかしたら、他にもあるかもな」

「....サイコパス」

「そ。初対面でいきなり、馴れ馴れしく話しかけてきて。試しにテストした訳。まんまと本音、喋ったよね、自分でも気づかないうちに」

「....ちなみに、なんて?」

「嘘つきまくって生きてる、て」

そこまで言うと、再びコーヒーを啜る。

「....その通りなのかも...でも...にわかに信じられない、突然、人が変わったみたいで」

「本性出して来ただけだろ。それか、嘘で塗り固めてたから、周りは気づかなかったか」

「....詳しいんだな、心理学」

「別に。ただ、暇なとき、読んでたりする。面白いし。ところでさ」

「うん」

「樹、過去になにかあった?」

「過去に?」

訝しげな豊の瞳を見据えた。
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