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しおりを挟む何とか涼太を撒き、自室に戻るなり、はあー、とため息をつき、鞄も借りた本も投げやり座り込んだ。
クラスも違うし、俺は見たこともないのに、何処で俺を知ったんだ。
....まさか、また噂になってんのかな。
一瞬、ゾッとし、慌てて、被りを振った。
鞄からスマホを取り出し、樹にLINEした。
『まだコピーなう?』
数分待ったが既読が付かない、てことはまだコピーに手伝わされてるか。
一旦、スマホを置き、借りてきた本達を集めた。
その一冊を手にすると、思わず口元が綻ぶ。
「樹、どんな顔するかな」
日曜日、結局、俺は実家には戻らず、寮で過ごした。
その間、樹が購入したDVDを一緒に観た。
観終えたあとは2人で、あーでもない、こーでもない、と解釈やら語り合った。
サスペンスドラマだったが、なかなか面白くて。
図書館で原作を見付けて、借りてきた。
「とりあえず、これは真っ先に樹に読ませよ」
そして、俺は別の書籍を捲る。
のめり込んでくると腹ばいになり、夢中になった。
途中、喉が乾き、冷蔵庫からペットボトルを取り出し、ミネラルウォーターをぐい飲みし、慌てて制服から私服に着替え、また腹ばいになり、小説に齧り付く。
暫くしたら、スマホが音を立てた。
開いてみたら、樹。
『今、終わったから、寮戻るよ』
『気をつけて戻ってこいよ、あと、俺の部屋に来て』
暫くの間が空いた。
...引かれたかな?と思った瞬間。
『いいけど、なんで?』
『いいもん見つけたから樹に見せたい』
すぐに
『わかった、行くね』
と、返信が来て。
俺は自然と顔を緩ませながら、スマホを閉じた。
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