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しおりを挟む「やっぱり、使い捨ての皿やコップにしてて、正解だったね」
「ですね、洗い物も最小限に済みますし」
パーティーもお開きになり結月と史哉がビニール袋にゴミを入れ、穂高と拓磨はすっかり空になった皿をシンクに運ぶ。
飲みすぎてしまった有坂と慣れない酒でこれまた、ほぼ潰れている翔太はリビングで休んで貰っている。
「冬になったら皆で鍋したいね、こんだけの広さの庭なら夏はバーベキューしながら花火とかも出来そう。拓磨の実家の庭も広いんだけどさ、日本庭園だから」
「日本庭園、ですか?」
「うん。結月は庭、見たことなかったよね、洋風な家なんだけど、お父様の趣向だとかで。鯉がいるよ」
「そうなんですね、...鍋やバーベキュー、有坂さんのお子さんも呼びたいな...」
ポツリ、呟く結月に、
「有坂さんのことだから、身分不相応で御座います!って言い出しそう」
「確かにですね」
二人は笑い合いながら、レジャーシートの上のゴミをビニール袋に入れていく。
穂高と拓磨も洗い物を済ませ、
「今度は結月と穂高、家に遊び来いよ、有坂さんも...」
ふと、有坂を見ると、ソファで仰向けになり、イビキをかいて眠っていた。
「飲みすぎたな、有坂さん。起きたら、申し訳御座いません!て頭、下げまくる姿が目に浮かぶよ」
拓磨が微笑み、結月はそっと有坂を起こさないようにブランケットを掛けた。
翔太は、と言うと、
「...すみません、トイレ、お借りしていいですか」
真っ青な顔で何度もトイレに駆け込んでいる。
「あっちもあっちで飲みすぎたみたいだね」
「もう夜になるし、みんな泊まって行ったらどうだ?拓磨も車だろう?」
そうして、パーティーの後は急遽、お泊まり会になった。
胃薬とコップに注いだミネラルウォーターを結月は翔太に手渡した。
「ありがとうございます...」
「この様子なら心配なさそうだな」
美希と翔太も泊まるとあれば兄としては心配だった拓磨だったが、
「避妊具も持ってきてる訳ないのに、ある訳ないでしょ。お兄ちゃんじゃあるまいし」
結婚前に散々、史哉に求められるまま抱いた拓磨には辛辣な妹のセリフに拓磨は言い返す術など無かった。
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