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しおりを挟む結月と美希は未成年な為、次第に美希の焼いたアップルパイやシフォンケーキに移り、ティータイムになった。
「お前はあまり飲みすぎるなよ」
大好きな白のスパークリングワインを持参していた史哉は口を尖らせる。
「今日くらい見逃してくれていーじゃん、明日からまた禁酒する」
不意に穂高が顎を抑え、宙を仰ぎ思い出した。
「あー、そういえば。引っ越してきた際に貰った日本酒があったな」
成人軍団は宴会になりつつある。
「冷やと熱燗に致しましょう!私の故郷は実は米どころ、新潟で御座いまして。では、早速、準備して参ります!」
勇み足で有坂はレジャーシートから縁側にひょい、と飛び乗り、部屋に入っていくのを、穂高と拓磨、史哉が見つめる。
「なんだか凄く明るい人だったんだねえ」
史哉がスパークリングワインの入ったカップを片手に丸い目を向けた。
「お待たせしました!どうぞどうぞ!翔太様も!」
秋の昼下がり、穂高、拓磨、翔太は有坂におちょこを手渡された。
「悪いな、有坂」
「僕は?有坂さん」
史哉が思わず声にすると、
「史哉様はご懐妊しておりますから」
「えーっ、少しくらいいいじゃない、仲間外れみたいでなんか嫌だあ」
史哉の嘆きに穂高と拓磨は眉を下げ、
「有坂、今回は史哉にも少し飲ませてくれ」
穂高のフォローに有坂は、
「...左様で御座いますか」
肩を落とし、ため息をつきながら、史哉にもおちょこを手渡し、史哉に笑顔が溢れた。
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