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しおりを挟む早坂が持ってきてくれたレジャーシートを庭に敷き、結月と史哉がそれぞれ丹精を込めた料理、美希の作ったケーキやお菓子もひしめき合う。
誕生日を迎えた美希がまだ19歳、結月もまだ14歳ということで、オレンジジュースやコーラ、ワインも白と赤。史哉が好きだというスパークリングワイン。
洗い物を少しでも減らす為、飲み物はグラスではなく、透明のプラスチックで出来た、使い捨てのコップだ。
それぞれ、まず、飲み物をぶつけ、乾杯した。
「どれから食べよ、悩むねー」
美希が様々な料理をキラキラした瞳で見つめる。
美希もケーキが焼ける間に少し手伝ってはいるが。
史哉がメインで作った、鯛のアクアパッツァ、アボカドの入ったサラダ、チーズフライに鶏の唐揚げ、カプレーゼ、ボイルしたウインナー、明太子のパスタ。
結月がメインで作った、ホワイトソースのミートボール、アスパラガスのベーコン巻き、ヒラメと野菜のカルパッチョ、いなり寿司に梅と鰹節のおにぎり。
摘み程度に、と拓磨と史哉が買った、チーズとカルパス。
「お口に合うといいんですが」
「結月は料理、上手いもん、大丈夫だよ」
まずはビール、と拓磨がカップを傾け、不意に斜め前に座る、美希の彼氏の翔太がビールを飲んでいるのに気がついた。
美希も結月もオレンジジュースだ。
「...お前、なに酒飲んでんだ」
強面な顔をし、低い声で翔太を睨みつけ、翔太はビールを片手に、え?と目を丸くし、口がポカンと開いている。
「お兄ちゃん、やめてよ。翔ちゃん、私より年上。ハタチだよ」
思わず、美希は拓磨を睨みつけ、唇を尖らせる。
てっきり同い年とばかり思っていた、拓磨は言葉を飲み込み、
「さて、なに食うかなあ」
料理に視線を移し、話しを逸らした。
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