1人のαと2人のΩ

ミヒロ

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とある日。

穂高たちの家でそれぞれ料理を作ってパーティーしようよ、と史哉から穂高ではなく、結月に連絡があった。

当日。

大量の食材の袋を手に穂高、結月宅を訪れたのは、史哉と拓磨だけでなく、美希と美希の彼氏、翔太もいる。

「拓磨の家に住んでからさ、僕もたまに拓磨のお母さんに料理、習ってるんだ」

史哉は持ってきた自らのエプロンを付けながら結月に言う。

「そうなんですね」

「食材、適当に買ってきたから、お互い、思いついたの作ろうよ」

「パーティーって、なんだ?誰か誕生日か?」

「あ、私。史哉さんが提案してくれたの」

美希の笑顔に穂高はなるほど、と頷いた。

「そうか、おめでとう、美希ちゃん。て、もう、19歳になるのか、早いな」

ふと、拓磨を見ると、隣にいる翔太を腕を組み、なにやら質問攻めしていて、翔太はどうやら怯えている。

「美希と知り合ったきっかけは?」

「さ、サークルです」

「サークル?なんのサークルだ?」

「そ、その海外旅行のサークルというか、同好会というか...」

「学科は?美希と同じか?」

「い、いえ、違います、経営学部です」

「だったらなんだ?将来は経営者か?」

美希もお菓子作り、結月や史哉もそれぞれ、キッチンに立ち、翔太に助け舟はない。

「...それくらいにしてやったらどうだ、拓磨」

仕方なく穂高は拓磨をため息混じりに窘めた。
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