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しおりを挟む『....咲夜。君はいつ亡くなったの....?当時の僕が病死してから、てことはわかっているけど....』
先程の笑顔が咲夜から消えた。
『....聞いてどうするの?』
咲夜の何処か遠い眼差しに吸い込まれそうになった。
『....俺も病死だよ』
『....そうだったんだ....幾つのとき?』
妙な胸騒ぎから解放され、結月は安堵した。
『....ハタチ』
『....ハタチ?』
突然、咲夜が狼狽えた。
『急性だったんだ、若かったから進行も早くて、それで』
咲夜の慌てたような笑顔に結月は違和感を感じた。
ふと咲夜の作ったような笑顔から少し視線を落とし、結月は、はっとした。
首に跡目ではない痣があることに結月は気がついた。
まさか、自殺....と、結月は咲夜に言うことが出来なかった。
言っても、咲夜ははぐらかすに決まっている。
『....ハタチで自ら時間を止めたんだね....』
言葉を変え、結月が呟くと、咲夜は怒りにも似た眼差しを向けた。
『あの人のせいじゃない。当時の君のせいじゃない。弱かったんだ。あの人がいないと生きていけなかった。あの人が亡くなって、三年近く、独りで頑張ったんだ。そこは認めて欲しい』
怒りの中に必死に当時の結月と現在の結月を庇う懸命な言葉のようだった。
『....幸せになって欲しいんだ。あの頃のように』
『あの頃の....?』
咲夜が柔らかい笑みを浮かべ、消えた。
その瞬間、結月は目が覚めた。
目を開けると穂高の腕の中にいる。
穂高は眠っていた。
「....夢?」
結月は布団の中で咲夜の見送るような最後の笑顔を思い返した。
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