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しおりを挟む穂高の寝巻きを借りた2人は風呂を上がると一旦、リビングへと向かうと穂高がいた。
「さっとシャワー済ませるから適当に寛いでて」
穂高に促され、史哉と拓磨はソファに並んで座り、穂高を待った。
しばらくすると穂高はバスタオルで頭を拭きながら、リビングへ戻ってきた。
「テレビでも見てりゃ良かったのに」
穂高もテーブルを挟んだ2人の正面のソファに腰掛けた。
「史哉の親には俺から明日、適当に連絡しとくから」
「すまん、穂高」
拓磨が謝ると、
「そういや、だいぶ、結月の勉強、見てやれて無かったな。明日でもまた教えようか?」
「あー...結月、独学でたまに勉強しているし、たまに俺が見てやってるから、また今度でいいよ」
「勉強に料理の勉強に、偉いね、結月」
史哉が感心した。
「結月は好きなことしてるだけ、て言ってるけどな、あ、そうだ」
不意に穂高は閃いた。
「頂き物のワインがあるんだった。結月は未成年だし、いつも1人で飲んでるし、2人とも付き合ってくれないか?チーズかなにかあったかな」
穂高がソファを立ち、ワインを取りに行こうとキッチンへ向かおうとした。
「ワインか、赤?白?白だったら嬉しいな」
史哉が隣で微笑んだとき、拓磨は、はっとした。
「お前はダメだ、飲むな」
穂高は振り向き、拓磨たちを見たまま、立ち止まる。
「なんだ?亭主関白か?意外だな、拓磨」
「違うんだ。史哉、もしかしたら、妊娠してるかもしれない...いや、多分、してる」
「え?まさか、僕が妊娠だなんて」
史哉は自分が妊娠だとか、実感がなく、ただ笑う。
「あんだけ、中出ししたんだ。お前はΩだろ、妊娠してる、て考えるのが普通だろ」
拓磨の真剣な表情は史哉は真顔になった。
「....僕が妊娠....?」
穂高は座り直した。
「5日くらいか?ラブホテルを転々としてから」
「そうだな、そうなる」
うーん、と穂高が顎を抑え、思案した。
「病院、紹介しようか?結月が行った病院だけど。とりあえず、拓磨は飲めるだろ?ワイン持ってくる」
2人ぶんのワイングラスと1本のワインをキッチンから持ってきた穂高はそれぞれのグラスにワインを注ぎ、拓磨の前のテーブルに滑らせ置いた。
史哉はそのワインが僅かに入ったグラスを複雑な思いで見つめた。
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