1人のαと2人のΩ

ミヒロ

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穂高から史哉と拓磨の寝間着を預かった結月は浴室やトイレなどを案内した。

先にお風呂を済ませていた、結月は、

「穂高先生はああ言ったけど、部屋も若干、離れていますし、気にしないでくださいね、僕は先に寝ますけど、最近、爆睡だから」

2人を考慮し、明るく結月が言う。

「あ、ありがとう?でいいのかな」

「結月ではなく、穂高がうるさい、て怒鳴り込んで来そうだけどな」

戸惑う史哉と苦笑する拓磨。

「じゃ、ごゆっくり。あ、バスタオルはこの棚にあります」

浴室手前の脱衣所にある棚を指差し、結月は2人に寝間着を手渡し、軽く頭を下げた。

「お先におやすみなさい」

「おやすみ、結月」

脱衣所に立ち尽くす、史哉と拓磨。

「....これ、て、2人でお風呂にどうぞ、てことだよね」

「だな。2人で風呂に入るのはさすがにもう慣れたろ?」

史哉は寝間着を抱いたまま、俯き、瞬きもせず、硬直している。

「なんだ、まだ、照れてんの?」

拓磨が不屈に笑い、史哉の頭を撫でた。

「ば、場所が違うもん」

「まあ、ラブホテルと穂高たちの愛の巣だしな、違うっちゃ、違うよな」

そうして、史哉と拓磨は一緒に湯船に浸かっている。

後ろから抱き締めるように拓磨に史哉は背中を預けた。

「....結月たちもこうして、一緒にお風呂に入るのかな」

「さあ?本人に聞いてみたら?」

ラブホテルとは違う、柔らかいアイボリーで統一された浴室。

「史哉」

拓磨が史哉の顎を持ち、キスしようとしたが、史哉は頬を染め、その手に抗った。

「し、神聖な、浴室なんだから、ダメ」

「神聖な浴室....?」

拓磨の気の抜けた声が一瞬で爆笑に変わる。

「神聖な浴室、てなんだよ」

「だ、だって、2人が愛し合ってる、そ、その、2人の愛情の詰まった浴室だから」

恥ずかしそうに俯く史哉に、拓磨はキスは諦め、ギュッと力強く、背後から史哉を抱き締めた。

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