20 / 116
19
しおりを挟む
史哉が結月を穂高から自分を引き離した厄介者、そう思えなくなったのは、穂高が心底、自分を思ってはいなかったことに気づきたくなかっただけでは無かった。
史哉は自室で頬杖をついて思い返した。
結月と同じくらいの頃、結月が突然Ωに変異したのとは違う、史哉は自分がΩだと知っていた。
にも関わらず、学校でヒートを起こしてしまった。
自分を狙っていたαが多数いる事は史哉は知っていた。
自分が穂高に付き纏って居なければ....。
「...あの子みたいになっていたのかもな」
ヒートを起こした自分を抱え、他のαに気付かれまいと医務室に穂高は走り、穂高は史哉に抑制剤を飲ませ、他のα達から自分を守ってくれた。
穂高に付き纏っていたから災難を免れたのだ。
そして、ますます、穂高が好きになった。
けれど、一方、当時、ヒートを起こした自分にαの穂高は反応しなかったのは事実だ。
今まで、孤独な穂高を誘惑し、甘え、体を重ねた事はあった。
気持ちがなくてもいずれ、穂高も自分を見てくれるだろう、と信じていた。
「...信じたかっただけなんだよな、結局」
史哉は唇を尖らせた。
「...Ωとしては先輩なんだよな...なにが出来るだろ」
史哉の中で結月への存在が変わり始めていた。
史哉は自室で頬杖をついて思い返した。
結月と同じくらいの頃、結月が突然Ωに変異したのとは違う、史哉は自分がΩだと知っていた。
にも関わらず、学校でヒートを起こしてしまった。
自分を狙っていたαが多数いる事は史哉は知っていた。
自分が穂高に付き纏って居なければ....。
「...あの子みたいになっていたのかもな」
ヒートを起こした自分を抱え、他のαに気付かれまいと医務室に穂高は走り、穂高は史哉に抑制剤を飲ませ、他のα達から自分を守ってくれた。
穂高に付き纏っていたから災難を免れたのだ。
そして、ますます、穂高が好きになった。
けれど、一方、当時、ヒートを起こした自分にαの穂高は反応しなかったのは事実だ。
今まで、孤独な穂高を誘惑し、甘え、体を重ねた事はあった。
気持ちがなくてもいずれ、穂高も自分を見てくれるだろう、と信じていた。
「...信じたかっただけなんだよな、結局」
史哉は唇を尖らせた。
「...Ωとしては先輩なんだよな...なにが出来るだろ」
史哉の中で結月への存在が変わり始めていた。
12
お気に入りに追加
144
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
僕はお別れしたつもりでした
まと
BL
遠距離恋愛中だった恋人との関係が自然消滅した。どこか心にぽっかりと穴が空いたまま毎日を過ごしていた藍(あい)。大晦日の夜、寂しがり屋の親友と二人で年越しを楽しむことになり、ハメを外して酔いつぶれてしまう。目が覚めたら「ここどこ」状態!!
親友と仲良すぎな主人公と、別れたはずの恋人とのお話。
⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。
大晦日あたりに出そうと思ったお話です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡
なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。
あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。
♡♡♡
恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
上手に啼いて
紺色橙
BL
■聡は10歳の初めての発情期の際、大輝に噛まれ番となった。それ以来関係を継続しているが、愛ではなく都合と情で続いている現状はそろそろ終わりが見えていた。
■注意*独自オメガバース設定。■『それは愛か本能か』と同じ世界設定です。関係は一切なし。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
俺にとってはあなたが運命でした
ハル
BL
第2次性が浸透し、αを引き付ける発情期があるΩへの差別が医療の発達により緩和され始めた社会
βの少し人付き合いが苦手で友人がいないだけの平凡な大学生、浅野瑞穂
彼は一人暮らしをしていたが、コンビニ生活を母に知られ実家に戻される。
その隣に引っ越してきたαΩ夫夫、嵯峨彰彦と菜桜、αの子供、理人と香菜と出会い、彼らと交流を深める。
それと同時に、彼ら家族が頼りにする彰彦の幼馴染で同僚である遠月晴哉とも親睦を深め、やがて2人は惹かれ合う。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる