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しおりを挟むそれから約二時間後。
兄と僕の部屋に人数分の夕飯が届いた事をグループLINEで知らせた。
懐石料理だけではなく、なんと、蟹鍋まである。
大貴さんから恭一さんと上手くいったと聞き、素直に、
「おめでとうございます!」
照れくさそうな大貴さんと隣に座る恭一さんはそんな大貴さんを見て、笑っていて、とても微笑ましい....
が、その隣はどういう事だ....?
「お兄ちゃん、はい、あーーん」
「あーん」
「美味しい?お兄ちゃん」
「美味しい。こっちもー」
慶太さんが指差した料理を蓮太くんが箸で掬い、食べさせている....
自分で食べんかーい!
って、ハリセンで張り倒しそうなのに。
慶太さんは一切、自ら箸を動かさず、弟の蓮太くんが嫌な顔、一つせず、食べさせているなんて....
「蓮太くん、脅されてるんですか...?」
「えっ?どうしてですか?」
「だって....」
「蓮太ー。ハリセン貸せよー。俺が慶太、張り倒してやる」
恭一さんが腕まくりした。
「ハリセンは封印しました。コントの日まで」
「ふ、封印....?コント?」
「はい。もう必要ないとわかったので。コントは続けたいね、て兄と話し合ったもので。ね?お兄ちゃん!」
ガバッと蓮太くんが慶太さんに抱きつくなり、慶太さんが暴れ出した。
「だ、抱きつくなって、言ったー!」
「大丈夫!セックスは怖くないよ!ですよね?奏斗さん、優斗さん」
ニコッと可愛い笑顔を向けた蓮太くん。
「うん。怖いどころか...相手の一部になったみたいで感動するし、気持ちいい....」
陶酔してしまう僕。
「そうは言っても怖いよー」
口を尖らせる慶太さんの隣では、いそいそと慶太さんの為に蟹の殻を剥く蓮太くん。
「妊娠すんのが?」
恭一さんが大口開けて、和牛ステーキを頬張りながら尋ねた。
「はい、お兄ちゃん、剥けたよー」
「や、行為そのものがー」
慶太さんが口を開けると、蓮太くんが蟹を入れ、
「美味しい?」
「美味いー。蓮太も食いなよー」
「僕はお兄ちゃんが美味しそうに食べるの見るだけで幸せー」
蓮太くんの笑顔は絶えない。
「あー、バカップルが誕生したー」
大貴さんが指摘した通り。
兄と僕以上のバカップルぶり。
....僕もあーん、したり、されたいなあ...。
「ほら、奏斗も」
兄の箸は逆だけど、口元に料理が寄せられていた。
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