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しおりを挟む「味噌汁やサラダは抜きでね」
「メインで対決か、てか、どっちも美味そうだな」
隼一は鶏の照り焼き、俺はチキン南蛮。
俺達より先に、明文に食べて貰うことにした。
「....んー、甲乙つけがたいんだが、どっちも普通に美味いしさ」
どれどれ、と、俺と隼一も、箸を伸ばす。
「あ!美味しい...このタルタルソースも手作り?美味い」
「タルタルソースの作り方、わかる?」
「卵とマヨ?」
「...知ってんじゃん。照り焼きも美味いね、ビールも合いそう、なんて、飲めないけど、ノンアルしか」
ち、と、突然、明文が舌打ちを打った。
「ったく、見せつけんなよ、あー、お前が振られたら、隼一。隼一が振られたらお前を口説く予定が....」
隼一が、ははは、と笑う。
「や、こいつ、本気だから、隼一」
「まさか、無い無い」
隼一は手で風を払い、再び、チキン南蛮に箸を伸ばす。
「な、灯真。隼一、自分がイケてる、て気づいて無いみたいだし、鈍感っぽいから、気をつけろよ、俺が寝取る」
ぶ、と吹き出した。
「お前に気をつけるのかよ」
「ま、冗談だけど。お前ら見てたら、俺も恋愛したくなったわー。...飯食ったら、久々、クラブでも行くかな」
「クラブねえ」
「お前らはどうすんの?」
思わず、俺と隼一は顔を見合わせた。
「どう、て....」
「聞いた俺が野暮だったな、両者引き分け!どっちも美味い!以上!」
ガツガツと飯をかき込み、明文が席を立った。
「じゃ、無下に俺をもう呼ぶなよ?俺だって多忙なんだからさ」
「あー、はいはい」
そうして、明文を送り出した。
「....やっぱ、いい奴だな、明文って」
「....そう?タイプとか言うなよ?今更」
「それは無いよ」
そう隼一が笑ったが、明文が盛大なくしゃみしてそうな予感がした。
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