君に恋をした

ミヒロ

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料理対決?

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「審査員、明文にして貰おうよ、灯真」

「審査員?なんの?」

「料理対決。同じ具材で、それぞれ別の料理を作るんだ。どうせ、スーパーの弁当、買うんなら、俺達の料理、食べればいいし」

隼一の申し出に明文は浮かない顔。

「...なんか文句あんの?」

思わず、代わりに俺が明文を睨む。

「いや、さっき、別れた奴らと一緒に夕飯って、なんだかな...。ま、弁当代も浮くしいいか」

「雨にも打たれずに帰れるしね」

「....なんだよ、本音は俺の車がお目当てか?」

隼一が狡猾な笑みを浮かべ、思わず、そのやり取りに吹き出した。

「おい、お前、後部座席だろ」

「あ、そうだった、ごめん」

いつもの癖で助手席のドアを開けてしまい、慌てて、後部座席に乗り込む。

黒髪が額に張り付き、指で掻き分け、少しつり目がちな形のいい瞳を顕にする、隼一の濡れ姿がセクシーだった。

「...灯真も濡れてるな」

隼一の細く長い指が俺の濡れた前髪を払う。

「後ろ、バスタオルあると思う」

「でも、車ならすぐじゃん」

そう、俺は言ったが、隼一はバスタオルを見つけ出し、俺の頭をわしゃわしゃ拭き始めた。

「わ!髪、めちゃくちゃになる」

にや、と隼一が笑い、バスタオルを奪い、今度は俺が隼一の頭をバスタオルで掻き回す。

「だっから、イチャつくな」

そうこうしていたら、すぐに俺のアパートの前。

遠くで雷の音はするものの雨は小降りになっていた。

「で?なに作るの、お二人さん」

「内緒だよ、な?」

「うん」

俺と隼一すら互いに何を作るか、教えあってはなく知らないくらいだ。

たまに、それぞれの手元を見たり、顔を見合わせ、笑ったり話したりしながら、それぞれの料理が仕上がっていった。
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