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店長、ごめんなさい!&俺たちの日常 by光
しおりを挟む握手会かつサイン会だかのチケットやらを店長はコネを使って入手するから、と晶に告げた。
「本当ですか!?良かったです!」
喜んでくれて何よりかもだけど。
俺、光は店長の本音を聞いている。
「一瞬はさ、アイツに店来て貰って、貢献して貰うのもアリかなあ、とも思ったりはしたんだけどね。
ぶっちゃけ、別れた相手に連絡とか、未練あるのかとか思われそうだし...アイツが売れたからより戻したいとでも思われそうで、なんか釈然としないというか...
だから知り合い通じて頼んどいたから」
「...ですよね、すみません」
普通に考えたら。
自分が振った、店長からしたら面倒だから逃げた感の元彼に連絡どころか会いたくないよな....。
「いや、まあ、元彼とまでは話してはないんでしょ?迂闊に話した僕も悪いから」
...もう本当、店長には惚れる!晶とは別の意味で。男として、同じゲイとして、1人の人間として!
晶と付き合う相談にも乗ってくれたり、一時期、和典との関係を誤解した晶との別れの危機の際も店長が仲介に入ってくれたから今がある。
単身でイタリア語もわからずイタリアに行き、努力した結果、念願だった本場のイタリアンのお店を日本で開く行動力も凄いけど。
店長は人当たりもいいし、細身ながら身長もあり手足も長く、所謂、八頭身。
スタイル抜群なイケメン、美男子。
第一印象はモデルみたい、だったが、学生時代、ガチで読モしてたと聞いて納得もした。
俺や晶にもそれなりにファンがいるのは俺は知ってはいるけど、店長はとにかく顔も広く人脈もある。
とにかく男女ともにモテる。
ただ、女の子に対しては飲み物をサービスしたり優しい手前、自分を口説く目的の男に対しては違う。
上手い具合に手のひらに転がし、さりげなくシャンパンやらワインやら入れさせて散財させている。
が、懲りずに男性客はまた来店して、店長を落とそうと金を使うがまた上手い具合にあしらわれる。
元々、俺は店長の店の客だったんだけど。
浮気相手専門の不憫なゲイだった俺の相談にしばしば乗ってくれた。
まあ、店長を口説くつもりは更々なかったからお代はサービスしてくれたりしていたけど。
晶と部屋でダラダラ過ごしていたら唐突に晶が、
「ねえ、光の推しのシンヤ、て人さあ、探してるけどわかんないんだよねえ」
スマホをポチポチやりながら晶がボヤいた。
「....別に推し、て訳じゃないけど」
「えーっ!でもさ、もしかしたら俺もタイプかもじゃん!?推しが増えるかもー!」
意気揚々と笑顔の晶のスマホを覗き込む。
「まあ、ゲイビモデルは星の数くらいいるから」
「....星の数?まあ、いいや、知りたーい♡光の推しのシンヤ、て人!」
「....ったく、仕方ないな」
自分のスマホを俺もポチポチ。
フォルダにはシンヤの作品がほぼ全作品、購入し、並んでるからだ。
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