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しおりを挟む「とりあえず映画でも観たら帰宅する?」
隣を歩く孝介に言われ、
「うん!」
と頷いた。
「あ!でも!」
「ん?」
「映画の前にスイーツ食べたい!」
意気揚々とそう言ったら孝介は屈託なく笑った。
お昼の鴨南蛮そばも美味しかったけど!
スイーツは別腹!
通りかかったカフェに入り向かい合い座る。
メニューを見たらキャラメルソースのケーキに目を奪われた。
孝介は、
「抹茶のミルクレープ?美味いのかな」
怪訝な面持ち。
「じゃあさ!シェアしない!?僕もそれ気になる」
「だな」
そうして、変わらず孝介はケーキと共にコーヒーを頼み、僕はアイスティー。
運ばれてきたケーキに目を輝かせてしまう僕。
つい、キャッキャ言いながら写メ撮ってたら孝介も運ばれてきたケーキをスマホで撮影していた。
「孝介もインスタ始めたの?」
昨夜の僕の作った天ぷらも孝介は写メに撮っていた。
「うん。お前が作った弁当からかな。国旗みたい、て評判だった」
「国旗...」
思わず、ぷ、と吹き出し、口元を抑えた。
孝介が撮影していた僕の作った三色弁当。
確かに国旗に見える...。
そうして、ケーキに舌鼓をうった。
相変わらず、
「うーん!おーいしー!」
咄嗟に瞼を閉じ頬っぺたを抑えてしまう。
「このなんだっけ?ミルクレープだっけ。美味いよ、ほら」
孝介が二口程食べた抹茶味のミルクレープを勧めてきて、フォークを入れた。
「....んー!おーいし!」
孝介も僕の頼んだケーキを食べ、
「うわ。美味いな。コンビニで見たことないかも」
....デート、てこんな楽しかったっけ。
浮ついた気持ちが抑えられない!
と思いきや、突然、スマホが鳴った。
「....誰だろ」
大学の友人かな、と思いきや。
「どうした?」
「え?あ、ううん。迷惑メール」
「ああ、なるほどな」
....本当は着信拒否、ブロックしたはずの大地からだったんだけど。
わざわざ共通の知り合いのスマホから連絡してくるとか...。
孝介には言えない...。
腕時計を見た孝介が
「そろそろ移動するか?」
「うん」
ケーキを食べ終え、映画館のあるモールへ向かう為に車を停車させていたコインパーキングへと向かう。
大地にはっきり彼氏が出来たから連絡しないで、て話していいのか、よくわからない...。
孝介に迷惑かけたくないし...。
運転する孝介の横顔を眺めた。
「なに観る?アクション?ラブストーリーでも別にいいけど」
今は悩んでるのがもったいない気がする...。
孝介とのデートに集中しよう、楽しもう、と僕は心に誓った。
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