19 / 29
好きな人...
しおりを挟む
「...その、好きになった人、て、どんな奴...?」
すっかり蓮はトーンダウンし、肩を落としてる。
「....僕とは住む世界が違う人....」
俯きボソッと呟いた。
「住む世界...」
「え、あ、海外にいるんだ!だから」
「海外?」
目を見開いた。まさかの海外?
「そ、そう」
「海外、て?何処?」
「え?えっと、エクアドル!」
「エクアドル!?そりゃ世界、違うわな...。言葉も文化も何もかも違うだろうし、て、なんでまたエクアドルの男と知り合ったんだ?」
「え、SNS」
「...SNS」
あー、そういや。以前、インスタやってるとか言ってたっけ...。
「....てか、日本語、出来んの?そいつ」
「え?う、うん」
ひたすら俯いたままで忙しなく瞬きしながら絡ませた両手の指を眺めてる。
「...会ったことあんの?」
ピク、と一瞬、肩が動いた。
「....あるんだ?」
「で、でも何もしてないよ。だって相手はノンケで女の子が大好きだから...」
めっちゃ報われない恋じゃねーか。
しかも、エクアドル!?
「....大地、て奴を嫌いになったんじゃないよな...?」
蓮がこくん、と頷く。
「わざわざエクアドルの男を好きになるとか無謀すぎるだろ....」
「わ、わかってるんだけど...」
蓮の涙が頬を転がっていく。
「優しくて...一緒にいたら楽しくて...いつも一緒、て訳じゃないけど、でも」
俺は蓮の唇を奪ってた。
真ん丸で微かに涙で揺れる瞳を見つめたままキスをし、離れた。
「な、な、なんで....」
蓮がわなわなと震えてる。
「....したかったから。ごめん」
途端、蓮が泣き出した。
....やっちゃったな...と思いきや。
「な、な、なんでっ、キスするのー!」
「だから、ごめん、て」
「僕のこと、好きでもない癖にー!」
「いや、好きだよ、蓮のこと」
蓮の動きが固まった。
グス、と鼻を啜ってから、
「....今、なんて...?」
「だから。好きだよ、蓮のこと」
暫く呆然としたかと思いきや、また泣き始めた。
「....そんなに嫌か、俺のこと」
自嘲の笑みを浮かべると、俺を見ないまま、蓮は首を横にぶんぶん振った。
「嬉しいけど!孝介、ノンケだから怖いんだもんー!!!」
「なにが怖いわけ?」
「だ、だって...孝介、ノンケだし、浮気されそう。それに、いつかは女の人と...結婚しちゃうでしょ....?」
うるうるした瞳に俺は微笑み掛けると蓮の体を強く抱き締めた。
「結婚なんて、考えた事ない」
俺は実家の事情を話した。
俺の父親は脚本家。結構、有名なドラマや映画も手がけてる。
仕事はともかく、女遊びが酷い。
4回、結婚と離婚を繰り返した為に、俺には4人の母親がいたし、義理の兄や姉がいた。
今は20歳以上離れた女と交際中で実家に住んでる。
だから、俺は滅多な事がなきゃ、実家には帰ってはいない。
「そんなんだから結婚への憧れがこれっぽっちも無い」
話しを聞いていた蓮は複雑そうだった。
「お前といると、普通に楽しいし、楽だし、なんに対しても一生懸命で。そして、良く笑うし純粋なとことか。惹かれていくのがわかった。....正直、困惑した。けど...お前をエクアドルの訳わかんない男に渡したくない」
真ん丸な目して俺の目を見つめてる。
すっかり蓮はトーンダウンし、肩を落としてる。
「....僕とは住む世界が違う人....」
俯きボソッと呟いた。
「住む世界...」
「え、あ、海外にいるんだ!だから」
「海外?」
目を見開いた。まさかの海外?
「そ、そう」
「海外、て?何処?」
「え?えっと、エクアドル!」
「エクアドル!?そりゃ世界、違うわな...。言葉も文化も何もかも違うだろうし、て、なんでまたエクアドルの男と知り合ったんだ?」
「え、SNS」
「...SNS」
あー、そういや。以前、インスタやってるとか言ってたっけ...。
「....てか、日本語、出来んの?そいつ」
「え?う、うん」
ひたすら俯いたままで忙しなく瞬きしながら絡ませた両手の指を眺めてる。
「...会ったことあんの?」
ピク、と一瞬、肩が動いた。
「....あるんだ?」
「で、でも何もしてないよ。だって相手はノンケで女の子が大好きだから...」
めっちゃ報われない恋じゃねーか。
しかも、エクアドル!?
「....大地、て奴を嫌いになったんじゃないよな...?」
蓮がこくん、と頷く。
「わざわざエクアドルの男を好きになるとか無謀すぎるだろ....」
「わ、わかってるんだけど...」
蓮の涙が頬を転がっていく。
「優しくて...一緒にいたら楽しくて...いつも一緒、て訳じゃないけど、でも」
俺は蓮の唇を奪ってた。
真ん丸で微かに涙で揺れる瞳を見つめたままキスをし、離れた。
「な、な、なんで....」
蓮がわなわなと震えてる。
「....したかったから。ごめん」
途端、蓮が泣き出した。
....やっちゃったな...と思いきや。
「な、な、なんでっ、キスするのー!」
「だから、ごめん、て」
「僕のこと、好きでもない癖にー!」
「いや、好きだよ、蓮のこと」
蓮の動きが固まった。
グス、と鼻を啜ってから、
「....今、なんて...?」
「だから。好きだよ、蓮のこと」
暫く呆然としたかと思いきや、また泣き始めた。
「....そんなに嫌か、俺のこと」
自嘲の笑みを浮かべると、俺を見ないまま、蓮は首を横にぶんぶん振った。
「嬉しいけど!孝介、ノンケだから怖いんだもんー!!!」
「なにが怖いわけ?」
「だ、だって...孝介、ノンケだし、浮気されそう。それに、いつかは女の人と...結婚しちゃうでしょ....?」
うるうるした瞳に俺は微笑み掛けると蓮の体を強く抱き締めた。
「結婚なんて、考えた事ない」
俺は実家の事情を話した。
俺の父親は脚本家。結構、有名なドラマや映画も手がけてる。
仕事はともかく、女遊びが酷い。
4回、結婚と離婚を繰り返した為に、俺には4人の母親がいたし、義理の兄や姉がいた。
今は20歳以上離れた女と交際中で実家に住んでる。
だから、俺は滅多な事がなきゃ、実家には帰ってはいない。
「そんなんだから結婚への憧れがこれっぽっちも無い」
話しを聞いていた蓮は複雑そうだった。
「お前といると、普通に楽しいし、楽だし、なんに対しても一生懸命で。そして、良く笑うし純粋なとことか。惹かれていくのがわかった。....正直、困惑した。けど...お前をエクアドルの訳わかんない男に渡したくない」
真ん丸な目して俺の目を見つめてる。
10
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

青少年病棟
暖
BL
性に関する診察・治療を行う病院。
小学生から高校生まで、性に関する悩みを抱えた様々な青少年に対して、外来での診察・治療及び、入院での治療を行なっています。
※性的描写あり。
※患者・医師ともに全員男性です。
※主人公の患者は中学一年生設定。
※結末未定。できるだけリクエスト等には対応してい期待と考えているため、ぜひコメントお願いします。


鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる