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マシンガントークと焼肉の誘い
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蓮を送り出した後はなんだか寂しいもんだ。
服を貸したから、連絡先の交換はした。
蓮とは違い、バイトもしてはないし、今日も大学ではないし。
「....昨日、行けなかった服、見に行くか」
シャワーを浴び、着替えを終えて、駅へと向かう。
途中、友人からの電話で話し込み、電車を降りる。
あー、これ、蓮に似合いそ、てなトップスがあった。
朝食まで作ってくれてたし、朝っぱらからコンビニに買い出しまでして。
プレゼントしたっていいか。
自分のぶんの服に交え、蓮の服も一着、購入。
昼はラーメン屋に並んで食べた。
テキトーに彷徨いてたら、着信音。
見ると、今度は蓮だ。
イヤフォンをしたまま、電話に出ると、これまた元気な蓮がいた。
「あ!孝介?今日さ、なんか予定ある?」
「今日?特にないけど」
「じゃーさー、夜、一緒しない?」
「....夜?」
「夜ご飯!」
「なんで?」
「そっれがねー!」
こっから、蓮のマシンガントーク。
「女友達がバイト先に来たわけ!でさ、これ、貰ったから、あげる!てなんだと思うー!?三秒以内に答えよ!」
「さ、三秒?」
あまりの勢いにたじろぐ俺。
「そ!三秒!でさ、焼肉の半額券、二枚貰っちゃった訳!相談に乗ってくれたお礼だとかでー。で、一人焼肉、二回行けるじゃーん!てよく見たらさ、一枚につき、二名様以上からしか使えないんだよー!!!」
「....それで仕方なく俺を誘った、と?」
思わず苦笑い。
「あ、いや、友達だとさー、みんなをみんなは誘えないから、誘えない子に悪いからさー、孝介がOKなら、て」
「俺が駄目なら元彼、誘うとか?」
「なわけー!てか、ひっどいよね!あの後、ぜーんぜん、連絡ないの!ごめん、とかさー、僕、それだけ!?て感じー」
「ふーん。でも焼肉、半額はいいな」
「でしょ!?僕、バイト16時に終わるからー」
「あ、なら、その頃、バイト先に行くわ。今、服、見に来て彷徨いてたし」
「あ、そーなんだー、いいなあ!じゃ、後でね!」
「ああ」
バイトが終わる少し前には蓮のバイト先のゲーセンに着いた。
濃い水色のシャツにベージュのスラックスの制服姿の蓮はUFOキャッチャーに毅然と立ち向かう、小学生くらいの男の子の後ろにピッタリ着いている。
「あ、も少し、右、右、ゆっくりね。あ、そこら辺で離して」
見事、少年が狙っていたらしいぬいぐるみが下に落ちてきた。
「おめでとう!良かったね!」
満面な笑顔でぬいぐるみを少年に手渡し、少年も嬉しそう。
「お母さんとこ戻るね!ありがとう、お兄ちゃん」
「どういたしまして!ぬいぐるみ、取れたよ、て見せてあげてね。僕がアドバイスしたのは内緒にしてね」
少年の背に合わせて屈み、口元に人差し指を当てて話してる。
「え、なんで?」
「なんででも。また来てね!」
「うん!」
ヒラヒラと互いに笑顔で手を振り合う姿を遠巻きに見ていた。
その蓮の優しさと純粋さに胸がざわついた。
服を貸したから、連絡先の交換はした。
蓮とは違い、バイトもしてはないし、今日も大学ではないし。
「....昨日、行けなかった服、見に行くか」
シャワーを浴び、着替えを終えて、駅へと向かう。
途中、友人からの電話で話し込み、電車を降りる。
あー、これ、蓮に似合いそ、てなトップスがあった。
朝食まで作ってくれてたし、朝っぱらからコンビニに買い出しまでして。
プレゼントしたっていいか。
自分のぶんの服に交え、蓮の服も一着、購入。
昼はラーメン屋に並んで食べた。
テキトーに彷徨いてたら、着信音。
見ると、今度は蓮だ。
イヤフォンをしたまま、電話に出ると、これまた元気な蓮がいた。
「あ!孝介?今日さ、なんか予定ある?」
「今日?特にないけど」
「じゃーさー、夜、一緒しない?」
「....夜?」
「夜ご飯!」
「なんで?」
「そっれがねー!」
こっから、蓮のマシンガントーク。
「女友達がバイト先に来たわけ!でさ、これ、貰ったから、あげる!てなんだと思うー!?三秒以内に答えよ!」
「さ、三秒?」
あまりの勢いにたじろぐ俺。
「そ!三秒!でさ、焼肉の半額券、二枚貰っちゃった訳!相談に乗ってくれたお礼だとかでー。で、一人焼肉、二回行けるじゃーん!てよく見たらさ、一枚につき、二名様以上からしか使えないんだよー!!!」
「....それで仕方なく俺を誘った、と?」
思わず苦笑い。
「あ、いや、友達だとさー、みんなをみんなは誘えないから、誘えない子に悪いからさー、孝介がOKなら、て」
「俺が駄目なら元彼、誘うとか?」
「なわけー!てか、ひっどいよね!あの後、ぜーんぜん、連絡ないの!ごめん、とかさー、僕、それだけ!?て感じー」
「ふーん。でも焼肉、半額はいいな」
「でしょ!?僕、バイト16時に終わるからー」
「あ、なら、その頃、バイト先に行くわ。今、服、見に来て彷徨いてたし」
「あ、そーなんだー、いいなあ!じゃ、後でね!」
「ああ」
バイトが終わる少し前には蓮のバイト先のゲーセンに着いた。
濃い水色のシャツにベージュのスラックスの制服姿の蓮はUFOキャッチャーに毅然と立ち向かう、小学生くらいの男の子の後ろにピッタリ着いている。
「あ、も少し、右、右、ゆっくりね。あ、そこら辺で離して」
見事、少年が狙っていたらしいぬいぐるみが下に落ちてきた。
「おめでとう!良かったね!」
満面な笑顔でぬいぐるみを少年に手渡し、少年も嬉しそう。
「お母さんとこ戻るね!ありがとう、お兄ちゃん」
「どういたしまして!ぬいぐるみ、取れたよ、て見せてあげてね。僕がアドバイスしたのは内緒にしてね」
少年の背に合わせて屈み、口元に人差し指を当てて話してる。
「え、なんで?」
「なんででも。また来てね!」
「うん!」
ヒラヒラと互いに笑顔で手を振り合う姿を遠巻きに見ていた。
その蓮の優しさと純粋さに胸がざわついた。
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